客を引き付けるショーウィンドウを作る『商品装飾展示技能士』
『商品装飾展示技能検定』を受ける事で取得できる国家資格。
職業能力開発促進法により規定された技能士の1つ。
主な仕事は、デパートや専門店の店先にあるショーウィンドウのデザインと作成。
この職業についている人は、デコレーターと呼ばれますが、ディスプレイ・デザイナーや、ヴィジュアル・コーディネーターと呼ばれる事もあります。
また、職業能力開発促進法において、無資格者が『商品装飾展示技能士』を名乗る事ができない独占名称資格でもあります。
求められる能力
最も重要なのは、人と引きつけるデザインセンスなのですが、それだけではありません。
市場調査や商品の関連知識といった、販売促進に必要な知識や分析力。
さらには安全の為の消防法、製造物責任法、著作権法といった知的財産権に関わる法律の知識も必要となります。
また依頼者へ向けてのプレゼンテーションや、図面の作成。材料費を含めた見積もりの作成も仕事内容に含まれます。
ただ美しく飾るのではなく、消費動向を分析し購買層へアピールしつつ、法律や安全面の確保も1人で行える、幅広い知識と技術が求められます。
意外と厳しい受験資格
資格は1級から3級まで分かれており、受験条件には実務経験による制限があります。
ただし国家資格となっていますが、業務独占資格ではないので、無資格でもデコレーターの仕事は可能です。
- 3級では、実務経験が6か月以上。
または指定の学校に通い、その過程を終了する必要があります。 - 2級では、実務経験が2年以上。
ただし、3級を合格していれば受験可能。 - 1級では、実務経験が7年以上
となっています。2級合格者は、2年の実務経験で受験可能。
例え条件を満たしていても、複数の級を同時に受ける事は出来ません。
しかし、これ以外には性別・年齢・国籍などによる制限はありません。
試験内容
全ての級には『学科』と『実技』の試験が課せられます。
学科試験では、商品装飾展示の基礎知識や、それに関連する消防法などの法律、色彩・造形等のデザイン、ディスプレイに使用する工具とその安全な使い方、材料などなど、実務的な事を中心に広範囲から問題が作られています。
実技試験の場合、平面図の作成とその図を元にしたディスプレイの作成。
2級・3級では、共通のテーマが決められており、そのテーマのイメージに沿ったプレゼンテーションを行います。
ちなみに実技のテーマは、1級から3級まで共通。
毎回、選ばれるテーマは変更されています。
試験取得の方法
確実な方法は、デザイン系の学校へ通う事。
この方法であれば、試験対策はもちろん、卒業見込み者へ3級の受験資格が与えられます。
在学中に資格を取る事も可能。
もう一つは、働きながら資格を取る方法。
実務経験があれば受験は出来ますので、働きながら資格取得を目指す人も少なくありません。
この場合、独学での勉強になりますので、市販のテキストなどを用意する必要があります。