栄養ドリンクの定番成分・タウリンはなぜ身体に良いのか
滋養強壮と言えばり栄養ドリンクが真っ先に思い浮かんでくる人は相当数いると思います。栄養ドリンクには健康増進に効果を発揮する栄養分が含まれているため、毎日飲み続ければ滋養強壮・体質改善に役立つことは確かです。
そして、栄養ドリンクに含まれる成分の中でもタウリンは特別扱いされていると言っても過言ではないでしょう。広告やラベルでは「タウリン○○㎎配合」と、「タウリンがこれだけ含まれている、だから体にいい」と言わんばかりです。
なぜタウリンは滋養強壮に効果を発揮するのでしょうか?
タウリンはアミノ酸ではない
多くの栄養ドリンクや強壮剤に含まれているタウリンは、必須アミノ酸の一つとして位置づけられています。しかし、化学的に言えばアミノ酸に必須のカルボキシル基を持っていないのでアミノ酸ではない、というのが正しいようです。
タウリンは体内で含硫アミノ酸から合成される性質がありますが、不足分は食事で補うことになります。また、タウリンの合成機能は人間を含む多くの生物が持っているのですが、ネコにはタウリンの合成機能を持っていないため魚を好んで食べるようです。
タウリンの滋養強壮パワー
タウリンには様々な効能がありますが、主な効能としては「肝細胞の再生促進と活性化」「ホメオスタシスの活性化」「目の細胞の再生」が挙げられます。
肝臓を強くする
タウリンの補給は肝臓の活性化と再生促進に効果を発揮します。肝臓は糖・脂質・タンパク質の代謝を行う臓器で、エネルギーを全身の細胞に供給している活力の源です。
つまり、タウリンの摂取を行うことによって肝臓が活発に働き、エネルギー供給を行ってくれるので疲労回復や滋養強壮に効果を発揮するというわけです。
また、肝臓にはアルコール分解を行う機能があるのですがアルコールの過剰摂取や常飲は脂肪肝を引き起こす原因になり、肝細胞を破壊してしまいます。肝細胞には再生機能があるのである程度は自然に回復するのですが、アルコールの摂取量が多いと再生が追い付かず肝硬変などに発展してしまうのです。
しかし、タウリンを摂取することによって肝細胞の再生が促進されるためアルコールの被害を抑えることが出来るというわけです。
俗に「二日酔いにはしじみの味噌汁がいい」と言われますが、しじみにはタウリンが豊富に含まれていることがその理由となっているのです。
ホメオスタシスを高める
身体にはホメオスタシス(恒常性)と言って、身体の機能を一定に保とうとする働きが備わっています。この働きによって血圧が一時的に高くなっても自然に降下していったり、運動して体温が上がっても汗を掻いて体温を下げようとしたりするのです。
このホメオスタシスの働きが低下してしまうと、健康を保つのが難しくなってしまいます。
タウリンの摂取はホメオスタシスを活性化させることに繋がり、体調の維持と健康増進に効果を発揮するのです。
眼精疲労からの回復効果
長時間テレビやパソコンのディスプレイに向かっていると眼精疲労を起こし、ドライアイによって角膜細胞を傷つけてしまう原因になってしまいます。
タウリンは角膜細胞の再生に欠かせない栄養素で、タウリンの補給を行うことで眼精疲労からの回復が早まります。
タウリンの過剰摂取による副作用は?
幾ら体にいい成分であると言っても、一定量を越えて摂取すると健康を害する危険性が高まってしまうのは言うまでもないことです。
タウリンにも同じようなことが言えるのですが、タウリンの場合は過剰摂取しても体外に排出されてしまうので副作用は起こらないというのが一般的な見方です。
しかし、タウリンを摂り過ぎても副作用が無いからと言って栄養ドリンクを飲み過ぎるのは糖分の過剰摂取に繋がってしまうので控えた方が良いでしょう。