大人になっても必要な成長ホルモンの働き
成長ホルモンといえば、骨を伸ばす、筋肉を発達させるなど、子供が成長する上で必要なホルモンです。
ただし、成長ホルモンが必要なのは子供だけではありません。
大人になってからの、成長ホルモンの役割は代謝を促すということ。
そのため、成長ホルモンが不足すると、コレステロールの増加や心臓の機能低下などによって、動脈硬化や心筋梗塞などの危険な病気につながるほか、肥満・筋肉量の低下・骨の弱くなるなど、日常生活にも支障が出てきます。
そして、女性が気になる症状といえば、お肌への影響。
成長ホルモンが不足すると、お肌が乾燥してハリや弾力が失われるのです。
これは、皮膚の代謝が悪くなることによる細胞の再生機能の衰え、まさに肌の老化が進んでいるといえます。
このように、大人になっても成長ホルモンは必要なはずなのに、思春期後期の10代後半をピークに分泌は徐々に減り、30~40代で思春期前の半分の分泌量になってしまうのです。
成長ホルモンの分泌を促す方法とは
大人になって、何もしていなくても一定量が分泌されるという成長ホルモンですが、分泌量を増加することで、お肌の再生を促すことができるのです。
成長ホルモンによって、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸のもとになる線維芽細胞成長因子の分泌が高まると考えられています。
その成長ホルモンをふやすためには、いくつかの方法があります。
質の良い睡眠
「寝る子は育つ」といわれるように、成長ホルモンが多く分泌されるのは睡眠中です。
就寝後の最初のノンレム睡眠時に多く分泌されることから、重要なのは寝入ってからの約3時間。
ぐっすり眠れる環境づくりを心がけることが大切です。
アルギニンの摂取
アミノ酸が元になっている成長ホルモンの分泌を促すために必要なのが、アルギニンです。
アルギニンは、医療用としても使われているアミノ酸の一種。
アルギニンが多く含まれる食品は、ゴマやかつお節、ピーナッツなどのナッツ類、大豆などの豆類、豚ゼラチンです。また、アルギニンは亜鉛やマグネシウムなどのミネラルと合わせて摂取することで、成長ホルモンの分泌が促進されます。
筋肉を使った運動
運動によって筋肉線維が切れるなどの小さな損傷を受けることで、筋肉痛はおこります。
そして、筋肉の発達に重要な役割を持つ成長ホルモンは、運動によって傷ついた筋肉線維を修復するために、多く分泌されることがわかっています。
成長ホルモンが多く分泌されるのは、運動後の約3時間。軽めの運動でも、その後に十分な休息をとることで効果があらわれます。