【要注意】バーチャルオフィスで登記をすると口座の開設が厳しい!
近年、インターネット関係の仕事が増え、個人でも起業される方が多くなりました。
しかも、小スペースさえあればできるので、大きな事務所や店舗を構える必要性が少ないです。
その為『事務所を設けない。』または『事務所を借りない。』という企業が非常に多くなっています。
この様な企業は、バーチャルオフィスでの登記をするので、住所の公開を避けられ『プライバシーが保護』されます。また、『初期投資が安く』すみます。これは起業時に大きなメリットになります。
しかし、それとは引き換えに大きなデメリットも生じます。それは『口座の開設がかなり厳しい』という問題です。
企業に必要な口座が持てないかも知れないのです。
『どうして?』と思われるかも知れませんが、それにはちゃんと理由があったのです。
実態が無い!それが口座を開設させたくない理由
口座開設をさせたくない理由は、バーチャルオフィス登記だと『実態が無い』からです。
と、言うのもバーチャルオフィスとは、『その場所に実際に事務所を構える事が無く、”住所”や”電話番号”を借り、オペレーターにより電話対応をさせる』ビジネスなので、その場所に企業があると見せかけているだけなのです。
誰でもそうですが、実態の無いような企業を信頼する事はできません。
金融機関は、そのような架空の事務所を持つ企業を目の前にして、簡単に口座を開設させられないのです。
実態が無いゆえに起きたバーチャルオフィスを悪用した犯罪
平成23年度のデータによりますと、バーチャルオフィスを悪用した犯罪は181件ありました。同年に口座の凍結を求められた法人は全部で949件あったので、全体の約19%がバーチャルオフィスを悪用したという事になります。しかも、その181件のうち、東京都内にバーチャルオフィスを構えていた法人は156件。全体の約86%にものぼったのです。
それに伴い検挙された人数も年々増えている傾向にあります。悪質業者にとって、バーチャルオフィスは詐欺や犯罪をするうってつけの場所になっていたのです。
こういう事例が過去何年間も続いた為、警察庁は『都市銀行』『地方銀行』『ネット銀行』『ゆうちょ銀行』に、『バーチャルオフィス登記をした法人に対して、口座開設をしないように。』という通達を出したのです。
仕方のない措置だったのでしょう。
でも、ここで一つの疑問が生じます。
『金融機関側がバーチャルオフィスだと判断する基準は?』という疑問です。
確かに、来店した企業主を見ても、”本物の事務所”か”バーチャルオフィス”か区別できません。しかも、企業主が”口が上手かったら”話しに乗せられ、口座開設を許してしまうかも知れません。
しかし、各銀行や郵便局は企業主に『賃貸契約書』の提出を求めています。それにより、”本物の事務所”か”バーチャルオフィス”かを見抜く事ができるのです。
ここまでしなくてはいけなくなったのは、バーチャルオフィスを悪用した犯罪者が横行した為です。それにより、善良な企業までもが害を受ける結果になってしまったのです。
『実態が無い』『犯罪』ゆえに開設が厳しくなったバーチャルオフィスの銀行口座
バーチャルオフィスを悪用した犯罪が多くなっているので、仕方がない事なのかもしれません。それゆえに善良な企業主が被害を受けているのは残念です。
しかし、上記の理由を考えるなら、バーチャルオフィスで銀行口座の開設が厳しいという事に納得できるでしょう。
バーチャルオフィスは、『プライバシーが保護される』『初期投資が安い』などのメリットもありますが、実態が無い為にデメリットが大きくなります。
今後、バーチャルオフィスを構えようと思っている企業主の方は、『銀行口座の開設ができないかも』という事を念頭に置いておくと良いでしょう。
バーチャルオフィスにおいての口座開設は、事実上困難なくらい厳しくなっているのです。