全てが一緒ではない歯周病治療
歯磨きの最中や固い食物を食べている時の『歯茎からの出血』。
『グラグラする歯』。話をしている時に気になる『きつい口臭』。
これらは歯周病にかかっている事を示す顕著な例です。
こういう症状が出てしまった時は、歯医者に行き専門的な治療を受ける事が必要になってきます。
それにより、歯周病の悪化をさける事ができるからです。
しかし、歯医者に行ったからと言っても、全て同じ治療法で治るという訳ではありません。進行度の具合によっては、全く違う種類の治療をしなくてはなりません。
では、歯周病の治療法にはどんな物があるのでしょうか?進行度を基に流れをみてみましょう。
進行度別の治療法
軽度の歯周病(危険度★)
軽度の歯周病とは、『歯槽骨の溶解は無く、歯茎と歯の境目や歯間にプラークが凝固し、歯茎に炎症が見られる状態』の事を言います。歯茎が炎症しているので出血や腫れが見られますが、際立って『痛みがある』『歯がグラグラする』というものが無いため見過ごしてしまう事が多いです。
この場合の治療法はどんなものなのでしょうか?
- 精密検査
精密検査を行ない、原因とどれだけ進行しているかを調査します。 それにより相応しい治療法を決定します。 - 歯磨き指導
軽度の場合は、悪化させない為に『プラーク除去を念頭に置いた』歯磨き指導を行ないます。これだけでも十分な効果が見られ、歯茎の腫れがおさまります。 - プラーク除去
歯磨き指導と共に、歯に凝固したプラークの除去を“超音波スケーラー”という器具で行ないます。それにより歯周病菌の削減ができます。 - その他の治療
歯周病を悪化させないため、必要に応じてかみ合わせの調整や虫歯治療をします。 - メインテナンス
治療後にも歯医者に行き、良い口腔環境を保つためのメインテナンスをします。
中度の歯周病(危険度★★)
中度になると、『歯槽骨の溶解によるグラつき。さらに、歯茎の腫れや全体的に長く見える歯。深めの歯周ポケットと奥の方でのプラークの凝固』というのが症状として見られます。
この場合は次の様な治療になります。
- 精密検査
- 歯磨き指導
- プラーク除去
- その他治療
- 歯周ポケット内のプラーク除去
歯周ポケットの中に凝固したプラークの除去を“キュレット”という器具を使って行ないます。 - メインテナンス
重度の歯周病(危険度★★★)
重度になると大変です。『歯槽骨の溶解による歯の根のむき出しとグラつき。奥深い歯周ポケットとプラークの凝固。さらに、歯茎からの出血や膿』が見られます。
かなり深刻な状態です。おそらく口臭もきつくなり、粘つきも感じているはずです。
ここまでの症状になったらどの様に治療するのでしょうか。
- 精密検査
- 歯磨き指導
- プラーク除去
- その他治療
- 歯周ポケット内のプラーク除去
- 外科治療
次の様な歯の治療を行ないます。
《フラップ手術》
歯周病に侵された歯の歯茎を切開し、プラークの除去及び歯の平坦化を行ない縫合する手術。
《EMD法》
歯周病に侵された歯の歯茎を切開し、プラークの除去を行ないます。 その後『エムドゲイン・ゲル』という薬品を塗布し縫合します。これにより再生を期待します。
《GTR法》
基本的な手術はフラップ手術やEMD法と変わりません。 歯茎の切開とプラークの除去を行ないます。 その後『メンブレン』という膜を、損なった部分に装着し縫合します。回復をはかる方法です。
《抜 歯》
ダメになった歯を抜く手術です。 その後、歯肉歯槽粘膜形成手術によって、むき出しになった部分の歯茎を覆う手術をします。 - メインテナンス