北海道の離島で自然とグルメを満喫(礼文、利尻、天売・焼尻、奥尻)|トピックスファロー

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2015年5月18日
北海道の離島で自然とグルメを満喫(礼文、利尻、天売・焼尻、奥尻)

日本最北の島、礼文島は「花の浮島」と呼ばれる。単独峰、利尻岳がそびえる利尻島は初心者から楽しめる登山やグルメが特徴。海鳥の生息地を間近に観察できる天売・焼尻島や、ウニ、アワビなど豊富な海産物に温泉が楽しめる奥尻島など、魅力的な離島が揃う。

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300種の高山植物花の浮島」礼文島

稚内市の西方60kmの日本海に浮かぶのが日本最北の離島、礼文島だ。島で一番高い礼文岳で標高490mと全体的に丘陵地となっている。礼文島は太古の昔に北海道などの陸地から切り離された。そのため、礼文島にしかない特徴ある植生の自然が残されている。

レブンアツモリソウ

礼文の一番の特徴が、300種にも上る高山植物だ。その中には、レブンアツモリソウやレブンウスユキソウなど、礼文島にしかない礼文島固有種がある。レブンアツモリソウは、野生のラン科植物。草丈は25-40cm。アツモリソウの花色が紫に対して、レブンアツモリソウは黄色の淡い色だ。

アツモリソウは本州から北海道にかけて分布する。アツモリの名は袋状の花弁の姿が、平家物語の平敦盛の背負った母衣(ほろ)に例えられて付けられた。アツモリソウは栽培目的で乱獲、盗掘される希少種となっており、原則採集禁止となっている。

レブンアツモリソウは5-6月に開花し、澄海岬周辺の群生地で一斉に開花する様は圧巻だ。

同じく礼文島固有種のレブンウスユキソウは、ヨーロッパアルプスで見られるエーデルワイスの仲間。草丈は15-30cmと低く、可愛らしい白い花弁に見えるのは実は葉の変形。中央の黄色の筒状部が花だ。礼文島の港がある香深の町から続く礼文林道に、レブンウスユキソウの群生地がある。

トレッキングに適した礼文島には、最高で全長約17km、所要時間約8時間のコースから、全長約8km、所要時間約2時間のコースと様々なトレッキングコースがある。いずれも、お花畑や絶景、海の向こうにそびえる利尻岳の雄大な姿が楽しめる。

トレッキングの後には、キタムラサキウニやエゾバフンウニの新鮮なグルメも楽しむのはいかがだろうか。

map ⇒ 礼文島

山そのものが島になった利尻島

海の独立峰、利尻富士。標高1721mの利尻岳は、利尻富士とも呼ばれる秀麗な姿が海に浮かぶ。その利尻岳の裾野がそのまま島となったのが利尻島だ。日本百名山にも選ばれ、登山客が多い。

標高1700m台と本州の日本アルプスと比べると低く感じる。だが、登山口が海岸に近い場所から登るので、コースは長い。一般的な鴛泊コースで約7kmあり、登りで約5~6時間、下りで約3~4時間と、休憩を含めると11時間ほどかかる。

トレッキング

そのため、早朝のまだ暗いうちからの登山が推奨されている。ちなみに、利尻島は太古に北海道と離れたせいか、ヒグマが生息していない。早朝や夕刻の山の中でもヒグマの心配はない。

鴛泊コースは、ちょうど北海道に背を向けて登る。3合目から徐々に5合目、6合目と登っていくと、振り返ると北海道の景色が変わっていく。3号目で重なって見えたノシャップ岬と宗谷岬が、5号目以降は段差になって2つの岬がはっきり離れていく。

まるで日本地図を上空から直に見るような感覚を味わえる。

map ⇒ 利尻島

島一周マラソンイベントに「「白い恋人の丘」

ほぼ円形の利尻島を一周するマラソン大会が2000年から開催されている。
「利尻島一周悠遊覧人」(りしりとういっしゅう・ゆう・ゆう・RUN・G)は約55kmある利尻島を一周するマラソンイベント。制限時間も10時間と一般の人でもチャレンジできる設定になっている。毎年400人以上が参加し、利尻岳の360度の景色を楽しんでいる。

鬼脇地区の沼浦展望台が愛称「白い恋人の丘」と呼ばれる。北海道みやげで有名な「白い恋人」のパッケージには、1976年から利尻富士の写真が使われている。沼浦展望台からの利尻岳の姿が、その写真に一番似ているため、命名されることになった。

この命名には、「白い恋人」の石屋製菓社長が、かつて利尻島を訪れた時に利尻富士の景色に感銘を受けて採用したという経緯がある。

最近、石屋製菓の協力で、展望台の名称変更が決まった。島の利尻富士町では、この地を新たな観光スポットとして、トレッキングコースなどの整備を進めている。さらに、利尻富士町観光協会では、ここでプロポーズしたカップルに、石屋製菓公認の「白い恋人」をイメージした「プロポーズ証明書」を発行する。

利尻島は礼文島同様に、独特の高山植物の群落を楽しめる。また、利尻昆布を食べて育ったウニの味も格別。地元漁師同様の方法で、ウニ採り体験ができて、その場で食べることができる。

「利尻ふれあい温泉」からは、露天風呂から利尻岳や日本海に沈む夕日を望める。登山後に、自分が登った利尻岳の勇壮な姿を眺めながら温泉に浸るのは、ここでしか味わえない楽しみのようだ。

海鳥の天国、天売島・焼尻島

ウトウの世界一の繁殖地、天売島
日本沿岸からカリフォルニア州の広い北太平洋に分布するのが、ウトウだ。日本語で「善知鳥」と書く。天売島は、ウトウの約30万つがいが生息する、世界一の繁殖地だ。

毎年、3月に多数のウトウが飛来し、4月から抱卵する。5月にウトウのヒナの孵化が始まると、赤岩展望台付近一帯がウトウの巣穴でいっぱいになる。毎日、夕暮れには小魚を咥えたウトウの親鳥が巣穴に戻ってくる。夕日に輝く海岸と、無数に飛来するウトウの姿が壮観だ。

さらに、同じ時期に草地で繁殖するウミネコの数も多い。ウミネコの親鳥は、ウトウの巣穴近くで餌のおこぼれを狙っており、ウトウとの餌の争奪戦も観察できる。

観音岬展望台付近はウミネコが中心の繁殖地だ。100m以上の断崖絶壁に巣が無数に作られ、夕方には上空を埋め尽くさんばかりの数の親鳥が旋回する。「ミャーミャー」と鳴く声と、その数に圧倒される。

ウミネコ
日本初の英語教師の上陸地、焼尻島
焼尻島の西南部の岬にある、「鷹の巣園地」に、日本で初の英語教師を務めた、ラナルド・マクドナルドが上陸した碑がある。なぜ、北海道の焼尻島に、日本初の英語教師の碑があるのか?

カナダ生まれのマクドナルドは、インディアンとの混血だった。インディアンのルーツが日本人と信じたマクドナルドは日本に憧れ、捕鯨船の船員となって日本近海に接近。船長に訴えて小舟を譲り受け、密入国を図った。

マクドナルドが1948年に上陸したのが、焼尻島だった。始め焼尻島が無人島だと思ったマクドナルドは、再びボートを漕ぎ出し、利尻島に上陸する。

だが、マクドナルドは捉えられ、宗谷、松前から、長崎に送られた。マクドナルドを尋問した長崎奉行は、日本人のオランダ語通訳14名をマクドナルドにつけ、英語を学ばせた。日本人にとって、英語のネイティブスピーカーに接するのは初めての経験だったのだ。

マクドナルドの教え子の一人には、後にペリー来航の折りに通訳を務めた森山多吉郎がいた。森山の英語力はかなり上達した、とマクドナルドはその後述懐している。マクドナルドがいなかったら、ペリーとの交渉はさらに難しかったかもしれない。

長崎で約10ヶ月滞在したマクドナルドは、アメリカの捕鯨船で帰国した。焼尻島には、彼のルーツ、インディアンをイメージしたトーテムポールの碑が立つ。
マクドナルドは、帰国後日本についての知識を発表し、高い評価を得ている。

焼尻で意外な歴史との出会いに驚きながら、豊かな自然や海鳥達の姿を見る。
マクドナルドも同様の風景を見たに違いない。

map ⇒ 天売島・焼尻島

海の幸豊富な奥尻島

奥尻島の名物に「なべつるカレー」がある。アワビ1個をまるごとと、島の旬の食材を2種類以上使った、贅沢なカレーだ。

ところが、そもそもの発祥は、贅沢とは真逆の意味があった。奥尻島では昔、肉が手に入らないため、仕方なく身近にあったアワビを使ったのだという。肉が流通し始めて、一時は作られなくなったが、近年名物として再現された。

青苗港内では、ライフジャケットと長靴を着用した「アワビ狩り体験」ができる。もちろん、その場で殻を外して、生のコリコリしたアワビを堪能できる。もう一つの名物が、大盛りのウニ丼だ。お手頃の価格で新鮮な味わい。民宿の中には、朝食から生ウニが提供されるところもある。

うに丼

他にも、マイカ、ヤリイカや、カレイ、ホッケ、ソイなどの鮮魚や、キノコ、山菜など季節によって旬の素材が味わえる。

奥尻島の西側に、日本海を望む「神威脇温泉」がある。町営の保養所は、源泉かけ流しの、茶色がかった、しっとりした湯が特徴。リゾートホテルもあり、いずれも日本海に沈む夕日が圧巻だ。

釣り人の間では、「奥尻の海底には、魚が敷き詰めてある」と言われている。

磯釣り、投げ釣り、船釣り、防波堤釣りから、カレイ、ホッケ、アブラコ、ソイ、カジカと、五目釣りも可能だ。

奥尻で釣りをする場合は、釣果を持ち帰るにはクーラーの大きさが通常の倍必要と言われている。北海道の離島には、いろいろな楽しみがある。

map ⇒ 奥尻

著者:メイフライ

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スポーツ関連や、バイオマス、太陽光などのエネルギー関連で取材、ベンチャー企業の企画室での職務経験があります。