芸能人にも多いうつ病、症状を自覚することから予防へつながる|トピックスファロー

  • 未経験から歓迎のライター募集
2014年11月20日
芸能人にも多いうつ病、症状を自覚することから予防へつながる

うつ病はまじめな人ほどかかりやすい病気なため、症状が起こってもそれを認めなかったり、治療を拒否したりする傾向があるとされています。そこで、タレントの岡村隆史さんの例を挙げ、認知した上で専門家による治療を受けなければ治らない病気なのだと解説します。

フリーライター
  

1.まじめな人ほど「うつ」になる!

00018 今や、芸能人や有名人の方々でも「うつ病」の経験を告白するようになり、うつ病の認知は広まってきました。
つい最近も、米国の俳優、ロビン・ウィリアムズさんが自殺し、うつ病が原因の可能性が高かったとして話題になっています。
その一方で、やはり、うつ病患者の方々、もしくはその予備軍の方々の大半が、世間に対してカミングアウトできない状況がまだまだ存在しているのではないでしょうか。

理由としては、病気になってしまった自分を恥ずべきもののように考えてしまう傾向があるからでしょう。うつ病になってしまった自分は心が弱いのではないか?自分は怠け者で他人から馬鹿にされているのではないか?そう考えてしまい、病気を告白できずにいるのです。

しかし、そんな人は考えを改めてください。
うつ病とはむしろ、まじめで責任感が強い人ほどかかりやすい病気です。
そして、うつ病とは「なんだか気持ちが優れないな」とか、『なんだかやる気が出ないな」とか、
そんなレベルの症状ではありません。最悪、ロビン・ウィリアムズさんのように命に関わってしまうケースすらある思い病気です。

だから、正しく症状を認知し、つきあっていくことが大切なのです。

2.ナイナイ岡村さんの例

にもかかわらず、世間ではうつ病の人たちに対し、「怠け者」だとか「努力が足りない」だとかいう心ない言葉を発してしまう人が数多くいます。
その裏側には、うつ病に対する認識不足があるように思えます。

「うつ病」とは心の病ですが、心とはつまり、脳です。
うつ病とは、脳の働きが通常の状態よりも乱れ、正常な思考ができにくくなっている状態です。
ですから、努力でどうにかなるような問題ではありません。
必要なのは、休養と治療であり、むしろ、体と心を休ませることが大切なのです。

ナインティナインの岡村隆史さんは心の病で芸能活動を休養していた時期がありました。
その間、岡村さんはテレビでバラエティー番組を視聴することを禁止されていたそうです。
岡村さんはまじめな性格なので、バラエティー番組を見てしまうと「どうして俺はあそこにいないんだろう」、「休んでいる自分はなんてだめなんだろう」と思い悩んでしまっていたかもしれません。
ですから、あえて、岡村さんが活躍していたお笑いの世界と数ヶ月間にわたって関係を絶ったのです。

こういった支持は全て、病院から出されたものでした。
自分一人では、岡村さんは十分に休養を取ることができなくて、病気を抱えたまま仕事に戻ってしまうか、もしくはより症状を悪化させていたかもしれません。

今では元気になった岡村さんをテレビで見ることができますよね。
もちろん、うつ病とは完治するとは限らない病気なのですが、それでも、「治った」という経験を手にしたことは岡村さんの自信になっているはずです。
そして、うつ病とは自分ひとりで治すことは困難な病気だといういい例になっていると思います。

3.うつ病のサインを見逃さない

ここまでを整理しておきましょう。
(1)うつ病とは気持ちの問題ではなくれっきとした「病気」なのだという自覚を持つこと。
(2)個人の力でどうにかなるものではないのだという認識を持つこと。

うつ病の症状が出たら、「必ず」専門家の治療を受けてください。
では、うつ病のサインについてお教えしましょう。

まず、睡眠不足。そして、食欲の減退です。
常に脳が不安で興奮状態にあるため、生理的な欲求が侵害され、睡眠や食事に支障が出てきます。
そして、とまらない不安感やイライラ。趣味や娯楽に当たっていても、気分が晴れることはありません。時には、理由も無く怒りがこみ上げてきたり、悲しみがわき上がってきたりします。
こういうときも、決してその原因を探ろうとしないでください。
脳がトラブルを起こし、感情のコントロールが上手くいっていない状態です。
ここで原因を探ろうとすると、より思考と感情のどつぼに陥ってしまい、抜け出せるものも抜け出せなくなってしまいます。 また、倦怠感や虚無感が続き、何かをやろうとすると頭痛や吐き気がするようになります。

以上、人によって症状に微妙な差はありますが、これらの症状のどれか一つにでも当てはまったら、「うつ病」か、もしくはその前段階にあると思っておいていいでしょう。
繰り返しますが、こういった症状と向き合うときの基本は「自覚を持つ」ことです。
自分の状況を否定せず、病気や、それに伴うあらゆる症状を受け入れてあげてください。
そして、しかるべき方法で治療に臨んでください。
一人で悩むのではなく、専門家の声を聞けば、希望が見えてくることでしょう。

著者:石塚就一

フリーライター
アイコン
映画ライターとして執筆や配給に関わってきました。