1.うつ病とは抑えられるのか?
現代病の代表として、語られることが多いうつ病。では、病気であるからには予防できるものなのでしょうか?
うつ病とは脳の働きが、正常から離れてしまった状態になることであり、遺伝・体質など、先天的な原因もあるのではないかと言われています。
しかし、多くの場合、心の持ち方を意識することで予防ができる病気です。
ここでは、うつ病を防ぐために普段から心がけていただきたい予防法を紹介していきましょう。
2.うつ病を防ぐための考え方
では、例を挙げていきます。貴方は職場でたいへん重要な役職を任せられました。来る日も来る日も残業ばかり。しかも、周りの人は誰も貴方を手伝ってくれません。むしろ、どう見ても仕事量が限界を超えている貴方に対して「要領が悪い」だの「もっと頑張れ」と心ない言葉をかけてきます。
こういう状況がずっと続いたとき、貴方はどう思いますか?
「腹立たしい」、「悔しい」、「辛い」、次々に黒い感情が浮かんでくるのではないでしょうか?
あるいは、「どうして自分はこんなにだめなんだ」とか「他の人ならもっと上手くできるのだろうか」といった、自分を責めるような感情も生まれてくるかもしれません。
これが自己啓発本であれば、もっと前向きに考えるようなコツを教えてくれるかもしれません。
しかし、この記事は貴方の心を救うための記事です。
今、貴方が考えなければならないのは「仕事のできる人間になること」ではなく、「自分の心を大切にすること」です。つまり、貴方は自分の感情を認めてあげること。それだけで楽になれるのです。
別に、同僚に怒ったり、悲しくなったりしたっていいのです。
自分自身に後ろ向きな感情を抱いてしまったっていいのです。
大切なのは、そんな感情を抱いている自分自身に対して、後ろめたさや罪悪感を感じてしまうこと。
もっといけないのは、そんな自分を否定してしまって、心の持ち方を変えようと無理をしてしまうことです。
実は、うつ病とは、感情が放出されずにためこんでしまうことで発症する病気です。
どんなに重い感情でも、それを抱いてしまうこと自体は罪ではありません。
むしろ、それを発散させずに貴方の中だけにためこんでしまうことが罪なのです。
ならば、どうすれば抱いてしまった「黒い感情」を発散させることができるのでしょうか?
3.ポジティヴシンキングなんていらない!
答えは簡単です。それを相手に伝えればいいのです。貴方の感情の原因は、貴方の忙しさにあります。
「忙しすぎてイライラが止まらない」ならば、それを上司や同僚に伝えましょう。
そこで、「もっとできるはずだ」と叱られてしまうかもしれません。
しかし、そこで引き下がらずに「今の自分では無理です」と返しましょう。
それだけなら堂々巡りになってしまうので「もっと上手い方法があれば教えていただけないでしょうか」とか「この仕事にかける人員を増やしていただけないでしょうか」と、具体的な解決策を探っていけばいいのです。
すると、大抵の人ならば相談に応じて一緒に解決策を考えてくれるでしょう。
もしかすると、そこで「おまえがもっと頑張れ」だとか「ならば仕事から外す」というようなきつい言葉が返ってくるかもしれません。
しかし、それは相手がただ自分の感情をぶつけてきているだけであって、何の解決策にもなっていないのであり、貴方が心を動かされる必要はありません。
むしろ、そんな理不尽に晒されるようであれば、貴方の置かれた環境に見切りをつけるいい機会になるのではないでしょうか?
ここでお伝えした方法は、言い換えれば「貴方が自分らしく生きるため」の方法です。
もちろん、組織のためには自分が好む好まざるに関係なく、行わなければならない仕事も出てくるでしょう。
ただし、そんな仕事に対して無理やり「やりがい」や「やる気」を感じる必要はありません。
どうしても目の前の仕事が好きになれないのであれば、好きになれないままでもぜんぜんOKなのです。
そこで感じる不平不満を無理に抑制しようとしたときから、うつ病への入り口が開いてしまいます。
嫌なことを無理やりやらされている、でもかまいません。
その代わり、こう考えてみてはどうでしょうか?
「これだけ嫌なことができるようになったのは自分の経験になる」
よく、自己啓発本なんかでは前向きに生きること、ポジティヴシンキングになることがよしとされていますよね?
ですが、無理をして前向きになろうとしても、心に負荷をかけてしまうだけです。
それならば、後ろ向きな考えを抱いたままでも、事務的かつ効率的に目の前の仕事を片付ける方法を探ったほうが心は楽になります。
だまされたと思って一度試してみてください。