「気」って何? 漢方の神秘的なエネルギー「気」の謎 を解く
人が生きていくために必要なもの「気・血・津液(き・けつ・しんえき)」
漢方では、人それぞれの状況に応じて治療方針が決まります。それが決まると、陰陽五行の理論に基づき、五臓六腑、そして「気・血・津液(き・けつ・しんえき)」の調和を図るための治療が開始されます。
しかし、あくまでも、「人」を診るので、同じ症状でもその人の体質や状況によって、処方は異なってきます。
では「気・血・津液(き・けつ・しんえき)」とは何でしょうか?
まず、「血(けつ)」はご承知のとおり血液のことです。
西洋医学的にいえば、酸素や二酸化炭素、栄養素や老廃物、ホルモンの運搬を行い、さらに止血や免疫機能を持つわけですが、この点は漢方(中医学)も考え方に大差はありません。
「津液(しんえき)」とは、簡単にいえば血液以外の体液のことです。
では、「気」とはどのようなものなのでしょうか?
目に見えないエネルギー「気」の正体
一時期、「気合だっ! 気合だっ! 気合だっ!」と連呼する激励法が流行したことがありましたよね。あの「気」ってそもそも何でしょう?「元気を出して」、「気にするな」「気を遣う」等々、とかく日本語の中には「気」を使う言葉が多くあります。
なんとなくわかったようなつもりで特に意識することもなく使っている「気」という言葉ですが、実は健康と深く関わる大切なモノなのなのです。
もちろん、「気」は目には見えません。しかし、私たちの体に必要なエネルギーであり、特に体温を保ち、血液を体中にめぐらせるための重要なはたらきを持つモノなのです。
「気」が体の中を滞ることなく巡っていれば、心身ともにリラックスした状態で健康的に過ごすことができます。
もちろん、物理的に存在するものではないので、理解に苦しむ概念であることは確かです。なんとなくわかったようなつもりになってしまうのも無理はありません。
しかし、この「気」について詳しく知っていると「自分の不調の原因は何か」を知る手がかりとなります。
「気」の作用を知ろう
「元気」だけではなかった! 「気」にもいろいろな種類がある
一口に「気」といっても、「気」にはいくつか種類があり、その働きも異なります。例をあげてみてみましょう。
元気(げんき)
生まれながらに持っている生命の源となるエネルギーと、栄養物質が結びついてつくられるものです。宗気(そうき)
自然界から吸い込んだ澄んだ気と、栄養物質が結びついてつくられます。営気(えいき)
栄養物質からつくられるもので、血液の中を流れている「気」です。全身に栄養と潤いを与えてくれます。衛気(えいき)
邪気(病気の原因となるモノなど)が、体内に侵入するのを防ぎます。また体温調節も行います。以上を西洋医学的に、大雑把にまとめると、「元気」は生まれながらに持つ体質や体力、「宗気」は呼吸や循環に関わる機能、「営気」は消化と代謝、「衛気」は免疫となります。
このほかにも、まだいくつかの「気」があり、体内を巡ってそれぞれの役目を果たしているのです。
体を動かす「気」の作用
推動(すいどう)作用
「気」に対して、「血」や「津液」は物理的にも存在を認識できる「物質」です。あくまでも「物質」ですから、それ自体では動くことはできません。
何らかの「動力」が必要になります。この動力こそが「気」です。
つまり、血液が循環し、臓器が正常に動くためには「気」のこの作用が不可欠なのです。
ですから、この機能は、すべての「気」に備わっています。
温煦(おんく)作用
温煦とは文字通り、体を温める作用のことです。この機能が衰えると、血や津液の流れは滞ってしまいます。
手足が冷えるなどという症状は、この作用が衰えていると考えられます。
特に、「元気」や「衛気」などと関係が深い作用です。
防御作用
防御作用とは、外からの邪気(病気の原因となるモノなど)の侵入から、体を防衛する働きです。この作用が正常に働いていれば、抵抗力があるので病気にもかかりにくくなります。
これは、「衛気」の働きの一部です。
固摂(こせつ)作用
固摂作用とは、「血」や「津液」が、体外に漏れ出すことのないようにするための働きです。血が血管の外に出ないようにするのはもちろんのこと、汗や尿、精液やおりものなどが出過ぎないようにします。
出ないのも問題ですが、出すぎるのも問題というわけです。
「営気」「衛気」などが関係する作用です。
気化作用
「気化」とは、一般には物質が気体に変化するという現象をいいます。しかし、「気」の作用という点からいうと、違う意味になります。
簡単にいうと漢方で用いられる「気化」とは、消化・吸収や、代謝、排泄を促す作用のことです。
「気」によって、栄養物質から血や津液などが作られたり、不要なものが老廃物に変化して体外に排泄されたりすることを意味します。
「営気」「衛気」などが関わります。
営養(えいよう)作用
営養は漢字の変換ミスではありません。飲食物を消化・吸収し、栄養素として全身に送る「気」の働きを「営養作用」といいます。
これは主に「営気」の働きです。この働きが低下すると、疲れやすくなったり、やせたりしてきます。
「気」のバランスが崩れると・・・
「気」とは簡単にいえば、体を動かす「動力」のようなものです。この流れが滞れば当然さまざまな不調が現れます。
たとえば、「気」が不足すると「気虚(ききょ)」、巡りが悪い状態は「気滞」、といった具合です。
「気」は、上下内外、自由自在に滞りなく巡っている状態こそがベストな状態なのです。
まとめ
いかがでしたか。西洋医学の概念が定着している現代の私たちには、摩訶不思議でファンタジックにすら感じられる「気」ですが、漢方では非常に重要な概念です。
「気合だ!」の「気」は、漢方的に解釈すれば、「全身の“気”を、より力強く巡らせろ」とでもいうことになりますね。
「元気を出して」は、「あなたには生まれながらに力強く生きていく力が備わっている。それを思い出して」ということになるでしょうか。
もし、今何らかの不調を抱えているのなら、その原因は「気」の巡りが原因かもしれません。
「気」は、目に見えないものではありますが、私たちの体を支配するとても大切なものです。
これからは、ちょっと「気」にしてみませんか?
心理カウンセラーのお仕事で、30代のママから相談を受けました。
そんな彼女の悩みは、お姑さんとの関係でした。彼女の嫁ぎ先は、自営業をしています。
そのために、結婚当初からおっとりした彼女には、自営業の嫁は務まらないと反対していたそうです。それでも彼女は、お義母さんに気に入ってもらえるようにがんばって来たそうですが、最近はストレスで夜眠れなくなってしまったとのご相談でした。
お話しを聞いていて、彼女の考え方の方向性を変えるようアドバイスをしました。世の中同じような悩みを持っている方は多いでしょうから、参考までにご紹介しましょう。
姑が嫌味を言ってきたら、「夫」という印籠をかざす
姑が嫌味を言ってきたら、深刻にならずに聞き流しましょう。母親というものは、息子の嫁に対してある程度夢を抱いているものです。
相談者さんの場合、お義母さんの夢描いていたお嫁さんのイメージと少し違っていたのだと割り切りましょう。
相談者さんのご主人は、相談者さんのおっとりした雰囲気を好きになったのですから、もっと自信を持った方が良いですよ。
でも、「自営業の嫁となるのだから、バリバリ仕事の出来そうな女性が良い」と思うお義母さんの気持ちも一般的でしょう。
ただそんな理由で、相談者さんの外見から判断して初めは反対されたのでしょう。
でも、一応結婚を許されているのですし、将来家業を継ぐのは相談者さんのご主人なのですから、相談者さんも社長の奥様として相応しい技量を身につけなければなりません。
それに相談者さんは外資商社の秘書室でお仕事をされていたのですから、おっとりしていても仕事の能力はあるのです。自信を持って下さい。
お義母さんの言葉に、いちいち深刻にならずに聞き流しましょう。家事のこと、仕事のこと、子育てのこと、さまざま口を出してこられるのでしょうが、
「お義母さん、ご心配して下さってありがとうございます。主人に相談してみますね!」
と答えておくのです。
ところが、愛する息子から反論されても腹が立たないのが母親の不思議なところです。「嫁に言わされてるんだろうな」とは思っても、息子と喧嘩になりたくなければ引きさがってくれます。
多くの場合、その時の不満は、嫁のところにやってくるでしょう。でも、それは、知らぬ存ぜぬで貫き通すのです。
「うちのだいたいのことは、○○さん(夫)の意見に従うようにしています、○○さんとお話して下さい。お義母さんのご意見は伝えておきますね」
といった感じです。
こういうと、暖簾に腕押しですし、嫁にねじこんだことが息子にばれて、息子から文句をいわれる結果となる、ということをお義母さんにも学習してもらえます。
相談者さんの「栗ごはん事件」
相談者さんの場合、敬老の日に赤飯の栗ご飯を作ってお皿に入れておすそわけしたら、毎年、お義母さんはなんの感想も言わず、もち米栗ご飯を入れてお皿を返してくるそうです。
お義父さんからは「赤飯の栗ごはん、美味しかったよ」と言われたそうですから、好評だったわけですし、お義母さんも食べているということですよね。
残さず美味しく食べてくれたのなら、こちらも残さず美味しく食べて、毎年食べ比べで良いではありませんか?
けどお礼を言うときに困るということでした。
お義母さんの意図なんて考えずに、素直に「白い栗ごはんも美味しいですね。
お義母さん、ありがとうございます。私のお赤飯の栗ごはんはいかがでしたか?」と聞いてみましょう。
とお義母さんは答えるでしょう。
「これがうちの味よ」と言わんばかりに!
「だったら、お赤飯の栗ごはんはどうですか?」
と悪びれずに聞いてみましょう。
そのときは、「ありがとうございます。また作りますね」と明るく答えれば、喧嘩になりようがありません。
反対に意地悪く「お赤飯は嫌いなの」と言われたときは、「そうでしたか。知らずにすいません。この次は白い栗ご飯にしますね。」と言って、
次回はお義母さんの言うとおりにしてあげましょう。
その代わり「うちの嫁は鈍くて、何考えているのかわからないわ」位は言われるかもしれませんが、少なくとも戦いにはなりません。
アドバイスのまとめ
相談者さんには、言葉の裏読みをしないようにアドバイスしました。相談者さんにも、お義母さんに対して「お姑さんは自分のことを嫁として認めていない」という被害妄想から色眼鏡で見ている所もあります。
相談者さんに会社の仕事を任されているのですから、お義母さんのお小言を、会社の先輩の言葉だと思えば、ただの注意で嫌みでも何でもなく思えるかもしれませんよ。
それに多少の嫌みが含まれていても、もう結婚して7年にもなるなら、お義母さんの性格を見極め、理解して、上手に振舞いましょう。あなたをお義母さんも認めていますよ。
******これが相談者さんへのアドバイスでした**********
姑とは争わないのがコツ!
愛する息子と仲良くしていたい親ほど、嫁と敵対しがちですが、それは寂しいからです。
だったら、そのお義母さんの寂しい気持ちをくみ取って譲歩してあげればよいのです。
嫁と姑は、本妻と愛人の戦いに似ていると思います。
だったら、お義母さんに形式上本妻の座を譲ってあげて、相談者さんは、一歩引いて愛人の座に収まっていればいいのです。だって、戸籍上は、相談者さんが本妻ですし、愛情も相談者さんにあるのですから。
息子にとって、母親は絶対です。妻が母親に優しくしてくれたら、妻の親にも優しくしてくれるものです。
「お義母さん」は夫の母親なのです。血の繋がりはどうにもなりません。
それに、自分の母親を無視して妻の言いなりになるような男性は、自分が一番大切な人です。今の自分さえ幸せだったら、母親の気持ちも関係ないということです。
自分を生んで育ててくれた母親を平気で裏切れるのですから、自分の妻なんて他人ですから、もっと平気で裏切りますよ。
そう考えれば、お義母さんとの争いは不毛です。だから「暖簾に腕押し」作戦が一番なのです。
嫌みを言われても、深く追求せずに、鈍くて気付いていないふりをするのです。
いつもニコニコ受け流して、何でも自分の都合の良いように解釈していたら、姑の方がアホらしくなってしまうでしょう。
「うちの味はこうだから」と言われたら、「美味しいですね。がんばります。」と答えましょう。
おふくろの味を嫌いな息子はいません。だから、夫のために素直に教えてもらいましょう。
息子が幸せだとわかると姑は嫁に優しくなるもの?
愛する息子が結婚前と同様に自分に優しければ、姑は嫁に無駄な戦いは挑みません。
また、息子が嫁に大切にされているとわかると、満足するものです。
さらに、嫁の実家よりも優先してくれているとわかると、却って気遣ってくれたりもすることもあります。
「北風と太陽」というお話があるように、太陽でお義母さんの心を適度に満足させるように振舞っておくことも必要です。
姑は嫁に不満を持っていて当たり前なのです。
それなら、「できの悪い子ほど可愛い」ならぬ、「できの悪い嫁ほど可愛い」と思ってもらえるように努力してみるのも一つの方法かもしれません。
そうなれば嫁に余計な期待をしなくなり、争いになりようもないので、嫁の悪口も言いようがありません。
そのうち「息子を大切にしてくれるならいいや!」と思うようになるでしょう。
「嫁と仲良くしていたら、もれなく息子が付いてくる」と姑に思わせればこちらのものです。
母親も妻も、いわば、同じ男性を愛している女性です。
夫に「妻と母親のどちらを愛しているか」なんて選択できるものではありません。
夫を愛しているなら、「できの悪い嫁」に徹して、どうせ形だけなのですから、お姑さんには本妻の座だって譲ってあげましょう。
それに、これは初めのうちだけです。そのうち、お姑さんにも平気で言い返せるくらい仲良くなれます。
息子の嫁の性格が良いことが分かれば、母親は息子を託してくれるものです。
それまでの嫁いびりは、息子を託せる女性かどうか試されているのだと思って信じて待っていましょう。
但し、夫が完全なマザコンで、妻を一切かばってくれずに、ストレスでどうにかなってしまいそうなら、自分が壊れる前に離婚をしましょう。
人によっては離婚した方が良い場合もあるので、それは、あなたの判断次第です。幸せになるために、敢えて離婚を選択した方が良い場合だってあります。
でも、早まった選択はしないでくださいね。