私たちの身近なところにある「陰陽五行説」
「陰陽説」と「五行説」
古代中国の世界観に「陰陽五行説」という考え方があります。簡単にいうと、“この世のものは「陰」と「陽」とに分けることができる。また、5つの要素「木」「火」「土」「金」「水」に分類することもできる”というものです。
「陰」と「陽」とは、早い話がプラスとマイナスです。
人間でいえば女が「陰」で、男が「陽」。これが「陰陽説」です。
5つの要素に分類することができるというのは、その性質を帯びているという考え方をするとわかりやすいでしょう。
たとえば、人間の主要な臓器を「五臓六腑」といいます。
この「五臓」とは「肝臓」「心臓」「脾臓」「肺」「腎臓」のことです。
これらの臓器はそれぞれ「肝臓=木」「心臓=火」「脾臓=土」「肺=金」「腎臓=水」の性質を持つといわれます。
このように、世の中のさまざまな事象は5つの要素(性質)に分けられるとする考え方が「五行説」です。
そして、この2つの思想が結びついて「陰陽五行説」となります。
たとえば、「木」にも「陰」と「陽」の2つのタイプがある、というように考えます。
あなたの身近に「陰陽五行説」
中国からの影響を大きく受けてきた日本にとって、この考え方はとても慣れ親しんだものだといえます。実は、現在でも身近なところに残る思想なのです。
たとえば、毎年の「干支(十干と十二支)」は、ずばりこの考え方で定められたものです。
60歳の還暦のお祝いも、この思想が根幹にあります。
「青春」という言葉は、人生でも若々しく伸びやかな時期を指し示す言葉ですが、これは「青」という色と「春」という季節が、ともに(空に向かって枝を広げるような)「木」の性質をもつという考え方から生まれた言葉です。
このように、現代の生活で私たちが何気なく使っている言葉や、行っている習慣の中には「陰陽五行説」の思想に基づくものが少なくありません。
陰陽も五行もバランスが大切
ちょっと難しい「五行相生説」と「五行相克説」
陰陽の、バランスが大切、というのは男女の関係をイメージすれば、なんとなく理解はできるのではないでしょうか。女と男。「陰」と「陽」のバランスが悪くなると喧嘩ばかりになります。ここでは、五行のバランスについて少し詳しくお話しましょう。
ちょっと難しい言葉になりますが、五行には「相生(そうせい)」と「相克(そうこく)」という関係があります。
●相生
「相生」とは、「おたがいに生み出す」という意味です。「木」は「火」を生みます。木はよく燃えますから、イメージすることは難しくないでしょう。
そして木が燃えた後には、灰が残ります。
ということで、「火」は「土」を生むのです。
以下、「土」は「金」を、「金」は「水」を、「水」は「木」を・・・というようにぐるぐる回っているわけです。
ですから、どこかがバランスを崩してしまうと、すべてのサイクルがおかしなことになってしまいます。
●相克
次にもう一つの「相克」です。こちらは「お互いに相手を抑える」という意味になります。火を消すときには、水を使います。つまり、「火」は「水」によって抑えられます。
しかし金属は、「火」によって溶けてしまいます。
ということで「火」は、「金」を抑えるのです。
以下、「金」は「木」を、「木」は「土」を、「土」は「水」を抑える・・・という関係が成立します。
同様に、こちらもほどよくバランスが保たれていないと、一箇所が暴走することとなり、すべてが狂ってしまうわけです。
「人体」もほどよくバランスを保つことが第一
さて、バランスが大切なことは人体も例外ではありません。人体の主要な臓器は、それぞれ「肝臓(木)」「心臓(火)」「脾臓(土)」「肺(金)」「腎臓(水)」という性質を持っています。
ですから、これらの臓器がお互い、ほどよい状態で活動しているとき、人体はまさにベストバランスの状態、つまり「健康」であるということになります。
人体の場合、「相生」とは「相手の臓器の力を補ったり、強めたりするはたらき」であり、「相克」とは逆に「相手の臓器の力を抑え弱めるはたらき」である、と考えるとわかりやすいでしょう。
そうすると人体のバランスが崩れるとはどのようなことをさすのか、なんとなくわかってきますよね。
たとえば「肝臓(木)」は、人体に取り込まれた栄養素などの物質を分解したり、合成したりする臓器ですが、漢方では血液の流れをコントロールする臓器で、精神的なストレスを受け止めてくれる働きがあると考えられています。
その肝臓と「相克」の関係にある「脾臓(土)」は、血液を作り出す臓器です。
本来両方は、お互いに協力し合って体中に血液をめぐらせるという働きを持っています。
ところが、ストレスなどによって「肝臓(木)」の力が強くなりすぎてしまうと、「脾臓(土)」や「胃(胃は「六腑」の一つで、「土」の性質をもちます)」を激しく攻撃することとなるので、胃腸や血の巡りに影響してきます。
つまり、胃痛や胸焼け、食欲不振、月経不順といった症状がみられることになるのです。
このように、「陰陽五行説」を基本にして人体のメカニズムをとらえ、病や健康について対処していくのが「漢方」です。
もちろん、近代医学においては不合理な点も多くあります。
しかし、人体の相対的なバランスが大切であること、それをうまく活用することを基本とする考え方は、現代にも通じるものといえるでしょう。
体の免疫力を高めて病気にならないように「養生」する
以上のように、「漢方」とは陰陽五行説に基づいたバランスを大切にします。ですから、このバランスを維持すること、つまり日ごろから病気にならないように心がけて生活することが、もっとも大切なことなのです。
また、病気になったときにも、力を失って弱っている臓器に力を補う、暴走している臓器の力を弱める、といった処置を行うのが基本です。
患部や病巣に直接対処する西洋医学とは、その点で大きく異なります。
もちろん、どちらが良い悪いという問題ではありません。それぞれにメリットもデメリットもあります。
鍼灸や漢方薬の処方などを含めて「漢方※」といいます。この効果を上げるためには、患者自身が体のバランスを維持することを意識した生活を送らなければならないのです。
ただ「からだにいい」「効果がある」という一点にのみ、気をとられてはならないということですね。
漢方の利用を考えるときには、こうした基本的な考え方を理解して実践するようにしましょう。
※中国では「漢方」とはいいません。一般に私たちが「漢方」と呼ぶ分野の医学を、中国では「中医」と呼んでいます。
心理カウンセラーのお仕事で、30代のママから相談を受けました。
そんな彼女の悩みは、お姑さんとの関係でした。彼女の嫁ぎ先は、自営業をしています。
そのために、結婚当初からおっとりした彼女には、自営業の嫁は務まらないと反対していたそうです。それでも彼女は、お義母さんに気に入ってもらえるようにがんばって来たそうですが、最近はストレスで夜眠れなくなってしまったとのご相談でした。
お話しを聞いていて、彼女の考え方の方向性を変えるようアドバイスをしました。世の中同じような悩みを持っている方は多いでしょうから、参考までにご紹介しましょう。
姑が嫌味を言ってきたら、「夫」という印籠をかざす
姑が嫌味を言ってきたら、深刻にならずに聞き流しましょう。母親というものは、息子の嫁に対してある程度夢を抱いているものです。
相談者さんの場合、お義母さんの夢描いていたお嫁さんのイメージと少し違っていたのだと割り切りましょう。
相談者さんのご主人は、相談者さんのおっとりした雰囲気を好きになったのですから、もっと自信を持った方が良いですよ。
でも、「自営業の嫁となるのだから、バリバリ仕事の出来そうな女性が良い」と思うお義母さんの気持ちも一般的でしょう。
ただそんな理由で、相談者さんの外見から判断して初めは反対されたのでしょう。
でも、一応結婚を許されているのですし、将来家業を継ぐのは相談者さんのご主人なのですから、相談者さんも社長の奥様として相応しい技量を身につけなければなりません。
それに相談者さんは外資商社の秘書室でお仕事をされていたのですから、おっとりしていても仕事の能力はあるのです。自信を持って下さい。
お義母さんの言葉に、いちいち深刻にならずに聞き流しましょう。家事のこと、仕事のこと、子育てのこと、さまざま口を出してこられるのでしょうが、
「お義母さん、ご心配して下さってありがとうございます。主人に相談してみますね!」
と答えておくのです。
ところが、愛する息子から反論されても腹が立たないのが母親の不思議なところです。「嫁に言わされてるんだろうな」とは思っても、息子と喧嘩になりたくなければ引きさがってくれます。
多くの場合、その時の不満は、嫁のところにやってくるでしょう。でも、それは、知らぬ存ぜぬで貫き通すのです。
「うちのだいたいのことは、○○さん(夫)の意見に従うようにしています、○○さんとお話して下さい。お義母さんのご意見は伝えておきますね」
といった感じです。
こういうと、暖簾に腕押しですし、嫁にねじこんだことが息子にばれて、息子から文句をいわれる結果となる、ということをお義母さんにも学習してもらえます。
相談者さんの「栗ごはん事件」
相談者さんの場合、敬老の日に赤飯の栗ご飯を作ってお皿に入れておすそわけしたら、毎年、お義母さんはなんの感想も言わず、もち米栗ご飯を入れてお皿を返してくるそうです。
お義父さんからは「赤飯の栗ごはん、美味しかったよ」と言われたそうですから、好評だったわけですし、お義母さんも食べているということですよね。
残さず美味しく食べてくれたのなら、こちらも残さず美味しく食べて、毎年食べ比べで良いではありませんか?
けどお礼を言うときに困るということでした。
お義母さんの意図なんて考えずに、素直に「白い栗ごはんも美味しいですね。
お義母さん、ありがとうございます。私のお赤飯の栗ごはんはいかがでしたか?」と聞いてみましょう。
とお義母さんは答えるでしょう。
「これがうちの味よ」と言わんばかりに!
「だったら、お赤飯の栗ごはんはどうですか?」
と悪びれずに聞いてみましょう。
そのときは、「ありがとうございます。また作りますね」と明るく答えれば、喧嘩になりようがありません。
反対に意地悪く「お赤飯は嫌いなの」と言われたときは、「そうでしたか。知らずにすいません。この次は白い栗ご飯にしますね。」と言って、
次回はお義母さんの言うとおりにしてあげましょう。
その代わり「うちの嫁は鈍くて、何考えているのかわからないわ」位は言われるかもしれませんが、少なくとも戦いにはなりません。
アドバイスのまとめ
相談者さんには、言葉の裏読みをしないようにアドバイスしました。相談者さんにも、お義母さんに対して「お姑さんは自分のことを嫁として認めていない」という被害妄想から色眼鏡で見ている所もあります。
相談者さんに会社の仕事を任されているのですから、お義母さんのお小言を、会社の先輩の言葉だと思えば、ただの注意で嫌みでも何でもなく思えるかもしれませんよ。
それに多少の嫌みが含まれていても、もう結婚して7年にもなるなら、お義母さんの性格を見極め、理解して、上手に振舞いましょう。あなたをお義母さんも認めていますよ。
******これが相談者さんへのアドバイスでした**********
姑とは争わないのがコツ!
愛する息子と仲良くしていたい親ほど、嫁と敵対しがちですが、それは寂しいからです。
だったら、そのお義母さんの寂しい気持ちをくみ取って譲歩してあげればよいのです。
嫁と姑は、本妻と愛人の戦いに似ていると思います。
だったら、お義母さんに形式上本妻の座を譲ってあげて、相談者さんは、一歩引いて愛人の座に収まっていればいいのです。だって、戸籍上は、相談者さんが本妻ですし、愛情も相談者さんにあるのですから。
息子にとって、母親は絶対です。妻が母親に優しくしてくれたら、妻の親にも優しくしてくれるものです。
「お義母さん」は夫の母親なのです。血の繋がりはどうにもなりません。
それに、自分の母親を無視して妻の言いなりになるような男性は、自分が一番大切な人です。今の自分さえ幸せだったら、母親の気持ちも関係ないということです。
自分を生んで育ててくれた母親を平気で裏切れるのですから、自分の妻なんて他人ですから、もっと平気で裏切りますよ。
そう考えれば、お義母さんとの争いは不毛です。だから「暖簾に腕押し」作戦が一番なのです。
嫌みを言われても、深く追求せずに、鈍くて気付いていないふりをするのです。
いつもニコニコ受け流して、何でも自分の都合の良いように解釈していたら、姑の方がアホらしくなってしまうでしょう。
「うちの味はこうだから」と言われたら、「美味しいですね。がんばります。」と答えましょう。
おふくろの味を嫌いな息子はいません。だから、夫のために素直に教えてもらいましょう。
息子が幸せだとわかると姑は嫁に優しくなるもの?
愛する息子が結婚前と同様に自分に優しければ、姑は嫁に無駄な戦いは挑みません。
また、息子が嫁に大切にされているとわかると、満足するものです。
さらに、嫁の実家よりも優先してくれているとわかると、却って気遣ってくれたりもすることもあります。
「北風と太陽」というお話があるように、太陽でお義母さんの心を適度に満足させるように振舞っておくことも必要です。
姑は嫁に不満を持っていて当たり前なのです。
それなら、「できの悪い子ほど可愛い」ならぬ、「できの悪い嫁ほど可愛い」と思ってもらえるように努力してみるのも一つの方法かもしれません。
そうなれば嫁に余計な期待をしなくなり、争いになりようもないので、嫁の悪口も言いようがありません。
そのうち「息子を大切にしてくれるならいいや!」と思うようになるでしょう。
「嫁と仲良くしていたら、もれなく息子が付いてくる」と姑に思わせればこちらのものです。
母親も妻も、いわば、同じ男性を愛している女性です。
夫に「妻と母親のどちらを愛しているか」なんて選択できるものではありません。
夫を愛しているなら、「できの悪い嫁」に徹して、どうせ形だけなのですから、お姑さんには本妻の座だって譲ってあげましょう。
それに、これは初めのうちだけです。そのうち、お姑さんにも平気で言い返せるくらい仲良くなれます。
息子の嫁の性格が良いことが分かれば、母親は息子を託してくれるものです。
それまでの嫁いびりは、息子を託せる女性かどうか試されているのだと思って信じて待っていましょう。
但し、夫が完全なマザコンで、妻を一切かばってくれずに、ストレスでどうにかなってしまいそうなら、自分が壊れる前に離婚をしましょう。
人によっては離婚した方が良い場合もあるので、それは、あなたの判断次第です。幸せになるために、敢えて離婚を選択した方が良い場合だってあります。
でも、早まった選択はしないでくださいね。