漢方薬を知っていますか?
漢方薬を用いる治療は、鍼灸とともに、東洋医学の治療法のひとつです。漢方薬には、苦い・臭いなどといったネガティブなイメージもありますが、その分、「良薬は口に苦し」との言葉どおり、なんとなく体に良さそうで、西洋医学では治らないものも治ってしまう、というようなイメージもあるのではないでしょうか。
しかし、そんなイメージだけで漢方薬を用いるのはとても危険です。
漢方薬とは何か、どのように用いるべきかについて考えてみましょう。
「民間薬」と「生薬」と「漢方薬」、どれが効く?
そもそも「漢方薬」とは何か、ご存知ですか?たとえば、ドクダミという植物があります。繁殖力が強いため、お庭に生えてくると駆除するのが厄介な雑草として知られていますが、古くから民間では薬として用いられてきた植物です。
焙煎した葉を湿布に、お茶にして飲めば便秘解消に効果があるとして、さかんに用いられてきました。
こうした民間で「○○によい」という言い伝えがあり、利用されてきた薬を「民間薬」といいます。
もちろん、民間薬のなかには単なる迷信の域を出ないようなものもあり、地域によって言い伝えの内容が異なるものもあります。薬効成分が精製されているわけではないので、効果もあまりありません。
これに対して、天然物をそのままの状態、もしくは乾燥させたり、異物を選別したりするといった簡単な加工をすることによって、得られる薬物素材を「生薬」と言います。 民間薬で用いられていたドクダミは、乾燥させて生薬になると「十薬」と名称が変化します。
そして、こうした生薬を、数種類、一定の割合で配合したものを「漢方薬」というのです。
漢方薬は、複数の生薬を組み合わせて効果を高め、一方で副作用を抑えるように配慮したものです。したがって、単独で用いる民間薬や生薬よりも大きな効果が期待されます。つまり、薬効の大きさは、民間薬<生薬<漢方薬となります。 このように、「漢方薬」という薬があるのではなく、「漢方によって処方された薬」の総称が「漢方薬」というわけなのです。
おもな生薬の原材料
漢方薬について理解するために、少し、生薬についても触れておきましょう。生薬には、植物を中心として動物、鉱物などさまざまなものが用いられます。
植物は、花、葉、茎、根、樹皮、果実などのようにさまざまな部位によって、薬効が異なります。こうした植物系の生薬のなかには、ハーブティーや料理のスパイスとして、用いられているものも多いですね。
動物も、鳥獣をはじめ、魚や貝、爬虫類など、その内臓から骨や皮に至るまでさまざまな部位が用いられます。漢方薬のお店を覗くと、ギョッ!!とするものが置いてあることがありますよね。
さらに、石膏などの石や、貝殻などの鉱物も用いられます。
漢方薬は、自然界のあらゆるものを薬として捉える、実に壮大な薬学です。こうした生薬を見てみると、食事として私たちの口に入ることが多いものも少なくありません。これが、「医食同源」などといわれる所以です。
漢方薬が処方されるまで
すでに述べてきたように、東洋医学では、陰陽や五行といった考え方を基本にして人間の健康をとらえています。漢方薬は、そうした診断法によって、患者一人一人の症状や体質などをよく見極めたうえで処方されます。場合によっては、生薬の配合割合なども変わっていくものなのです。同病異治と異病同治
同じ症状でも、必ずしも同じ薬が処方されるとは限りません。たとえば、「陰」の気が強いという症状は同じでも、「陽の気が弱っている」ことが原因なのか、「陰の気が強すぎる」ことが原因なのかによって、診断は異なるわけです(※)。これを「同病異治(どうびょういち)」といいます。同じ症状でも、治療の仕方は違うということですね。これに対して、症状が異なっていても、その原因が同じであれば、同じ薬が処方されます。これが、「異病同治(いびょうどうち)」です。
漢方薬は、このようにまず患者そのものの体をよく観察し、なぜ病気になったのか、その原因を考えたうえで処方されます。まさに、漢方薬はオーダーメイドなのです。逆の言い方をすれば、その薬は処方された本人にしか効きません。
たとえば「葛根湯」は、風邪に効くといわれる最もポピュラーな漢方薬のひとつですが、寒気を感じている人には効き目があっても、のどの痛みや下痢や吐き気の症状のある人の風邪には基本的に効果は期待できません。ですから、「すすめられて漢方薬を飲んでみたけど、全く効かなかった」という人がいるのも当然なのです。すすめたその人には効いたかもしれませんが、すすめられた人が別の体質、原因をもっているのなら、効果があるわけはないからです。漢方薬は、画一的な薬ではないのです。
いろいろな漢方薬
漢方薬には様々な種類がありますが、形も様々なものがあります。漢方薬と言えば、何となく茶色くて苦そうな液体をイメージされる方も多いかと思いますが、これが基本で「煎じ薬」といわれるものです。他にも、丸薬(錠剤)、散薬(粉薬)、膏薬(塗り薬)があり、それぞれに、メリットとデメリットがあります。
特に煎じ薬は、患者の体質や病因などによって、生薬の種類や量を加減することもできるので漢方薬の基本なのですが、煮だす手間がかかるのと、独特の臭いがあるために敬遠されがちです。
最近は、煎じ薬のエキスを抽出した顆粒や錠剤になったエキス剤なども増えていますが、これらは煎じ薬のように量や種類を加減することができないため、煎じ薬よりは薬効が劣ります(なお、医療用のエキス剤と煎じ薬は健康保険が適用されます)。
このように一口に漢方薬といっても、さまざまな物があり、しかもそれは人によって処方されるものも量も異なるのだということは理解しておきましょう。
漢方薬も専門家に相談してから利用しましょう
漢方薬は、オーダーメイドの薬であり、治療法です。私たちは、誰かが不調を感じていたり、病気やけがに苦しんでいたりすると、なんとかしてあげたいという気持ちから、自分に効果があった治療法や薬を勧めてしまうことがあります。優しい思いやりの気持ちから発するこうした行為は、美徳とされるものではありますが、「漢方薬」は、残念ながらその思いやりが仇になることもあります。
あなたに効き目のあったものが、その人にも効果があるとは限りませんし、最悪の場合症状を悪化させかねません。あくまでも「漢方」という「治療法」を勧めることに、とどめるようにしましょう。
また、漢方薬も薬である以上、服用に関しては専門家の指導のもとに正しく服用すべきものです。善意で勧めてくれる人があっても、安易に服用せず、専門家に相談するところからスタートしましょう。
心理カウンセラーのお仕事で、30代のママから相談を受けました。
そんな彼女の悩みは、お姑さんとの関係でした。彼女の嫁ぎ先は、自営業をしています。
そのために、結婚当初からおっとりした彼女には、自営業の嫁は務まらないと反対していたそうです。それでも彼女は、お義母さんに気に入ってもらえるようにがんばって来たそうですが、最近はストレスで夜眠れなくなってしまったとのご相談でした。
お話しを聞いていて、彼女の考え方の方向性を変えるようアドバイスをしました。世の中同じような悩みを持っている方は多いでしょうから、参考までにご紹介しましょう。
姑が嫌味を言ってきたら、「夫」という印籠をかざす
姑が嫌味を言ってきたら、深刻にならずに聞き流しましょう。母親というものは、息子の嫁に対してある程度夢を抱いているものです。
相談者さんの場合、お義母さんの夢描いていたお嫁さんのイメージと少し違っていたのだと割り切りましょう。
相談者さんのご主人は、相談者さんのおっとりした雰囲気を好きになったのですから、もっと自信を持った方が良いですよ。
でも、「自営業の嫁となるのだから、バリバリ仕事の出来そうな女性が良い」と思うお義母さんの気持ちも一般的でしょう。
ただそんな理由で、相談者さんの外見から判断して初めは反対されたのでしょう。
でも、一応結婚を許されているのですし、将来家業を継ぐのは相談者さんのご主人なのですから、相談者さんも社長の奥様として相応しい技量を身につけなければなりません。
それに相談者さんは外資商社の秘書室でお仕事をされていたのですから、おっとりしていても仕事の能力はあるのです。自信を持って下さい。
お義母さんの言葉に、いちいち深刻にならずに聞き流しましょう。家事のこと、仕事のこと、子育てのこと、さまざま口を出してこられるのでしょうが、
「お義母さん、ご心配して下さってありがとうございます。主人に相談してみますね!」
と答えておくのです。
ところが、愛する息子から反論されても腹が立たないのが母親の不思議なところです。「嫁に言わされてるんだろうな」とは思っても、息子と喧嘩になりたくなければ引きさがってくれます。
多くの場合、その時の不満は、嫁のところにやってくるでしょう。でも、それは、知らぬ存ぜぬで貫き通すのです。
「うちのだいたいのことは、○○さん(夫)の意見に従うようにしています、○○さんとお話して下さい。お義母さんのご意見は伝えておきますね」
といった感じです。
こういうと、暖簾に腕押しですし、嫁にねじこんだことが息子にばれて、息子から文句をいわれる結果となる、ということをお義母さんにも学習してもらえます。
相談者さんの「栗ごはん事件」
相談者さんの場合、敬老の日に赤飯の栗ご飯を作ってお皿に入れておすそわけしたら、毎年、お義母さんはなんの感想も言わず、もち米栗ご飯を入れてお皿を返してくるそうです。
お義父さんからは「赤飯の栗ごはん、美味しかったよ」と言われたそうですから、好評だったわけですし、お義母さんも食べているということですよね。
残さず美味しく食べてくれたのなら、こちらも残さず美味しく食べて、毎年食べ比べで良いではありませんか?
けどお礼を言うときに困るということでした。
お義母さんの意図なんて考えずに、素直に「白い栗ごはんも美味しいですね。
お義母さん、ありがとうございます。私のお赤飯の栗ごはんはいかがでしたか?」と聞いてみましょう。
とお義母さんは答えるでしょう。
「これがうちの味よ」と言わんばかりに!
「だったら、お赤飯の栗ごはんはどうですか?」
と悪びれずに聞いてみましょう。
そのときは、「ありがとうございます。また作りますね」と明るく答えれば、喧嘩になりようがありません。
反対に意地悪く「お赤飯は嫌いなの」と言われたときは、「そうでしたか。知らずにすいません。この次は白い栗ご飯にしますね。」と言って、
次回はお義母さんの言うとおりにしてあげましょう。
その代わり「うちの嫁は鈍くて、何考えているのかわからないわ」位は言われるかもしれませんが、少なくとも戦いにはなりません。
アドバイスのまとめ
相談者さんには、言葉の裏読みをしないようにアドバイスしました。相談者さんにも、お義母さんに対して「お姑さんは自分のことを嫁として認めていない」という被害妄想から色眼鏡で見ている所もあります。
相談者さんに会社の仕事を任されているのですから、お義母さんのお小言を、会社の先輩の言葉だと思えば、ただの注意で嫌みでも何でもなく思えるかもしれませんよ。
それに多少の嫌みが含まれていても、もう結婚して7年にもなるなら、お義母さんの性格を見極め、理解して、上手に振舞いましょう。あなたをお義母さんも認めていますよ。
******これが相談者さんへのアドバイスでした**********
姑とは争わないのがコツ!
愛する息子と仲良くしていたい親ほど、嫁と敵対しがちですが、それは寂しいからです。
だったら、そのお義母さんの寂しい気持ちをくみ取って譲歩してあげればよいのです。
嫁と姑は、本妻と愛人の戦いに似ていると思います。
だったら、お義母さんに形式上本妻の座を譲ってあげて、相談者さんは、一歩引いて愛人の座に収まっていればいいのです。だって、戸籍上は、相談者さんが本妻ですし、愛情も相談者さんにあるのですから。
息子にとって、母親は絶対です。妻が母親に優しくしてくれたら、妻の親にも優しくしてくれるものです。
「お義母さん」は夫の母親なのです。血の繋がりはどうにもなりません。
それに、自分の母親を無視して妻の言いなりになるような男性は、自分が一番大切な人です。今の自分さえ幸せだったら、母親の気持ちも関係ないということです。
自分を生んで育ててくれた母親を平気で裏切れるのですから、自分の妻なんて他人ですから、もっと平気で裏切りますよ。
そう考えれば、お義母さんとの争いは不毛です。だから「暖簾に腕押し」作戦が一番なのです。
嫌みを言われても、深く追求せずに、鈍くて気付いていないふりをするのです。
いつもニコニコ受け流して、何でも自分の都合の良いように解釈していたら、姑の方がアホらしくなってしまうでしょう。
「うちの味はこうだから」と言われたら、「美味しいですね。がんばります。」と答えましょう。
おふくろの味を嫌いな息子はいません。だから、夫のために素直に教えてもらいましょう。
息子が幸せだとわかると姑は嫁に優しくなるもの?
愛する息子が結婚前と同様に自分に優しければ、姑は嫁に無駄な戦いは挑みません。
また、息子が嫁に大切にされているとわかると、満足するものです。
さらに、嫁の実家よりも優先してくれているとわかると、却って気遣ってくれたりもすることもあります。
「北風と太陽」というお話があるように、太陽でお義母さんの心を適度に満足させるように振舞っておくことも必要です。
姑は嫁に不満を持っていて当たり前なのです。
それなら、「できの悪い子ほど可愛い」ならぬ、「できの悪い嫁ほど可愛い」と思ってもらえるように努力してみるのも一つの方法かもしれません。
そうなれば嫁に余計な期待をしなくなり、争いになりようもないので、嫁の悪口も言いようがありません。
そのうち「息子を大切にしてくれるならいいや!」と思うようになるでしょう。
「嫁と仲良くしていたら、もれなく息子が付いてくる」と姑に思わせればこちらのものです。
母親も妻も、いわば、同じ男性を愛している女性です。
夫に「妻と母親のどちらを愛しているか」なんて選択できるものではありません。
夫を愛しているなら、「できの悪い嫁」に徹して、どうせ形だけなのですから、お姑さんには本妻の座だって譲ってあげましょう。
それに、これは初めのうちだけです。そのうち、お姑さんにも平気で言い返せるくらい仲良くなれます。
息子の嫁の性格が良いことが分かれば、母親は息子を託してくれるものです。
それまでの嫁いびりは、息子を託せる女性かどうか試されているのだと思って信じて待っていましょう。
但し、夫が完全なマザコンで、妻を一切かばってくれずに、ストレスでどうにかなってしまいそうなら、自分が壊れる前に離婚をしましょう。
人によっては離婚した方が良い場合もあるので、それは、あなたの判断次第です。幸せになるために、敢えて離婚を選択した方が良い場合だってあります。
でも、早まった選択はしないでくださいね。