松の実には滋養強壮のパワーが詰まっている!
松というと盆栽など観賞用樹木のイメージですが、その実には優れた滋養強壮のパワーが詰まっていることを知っていますか?松の実は、日本の家庭の食卓では目にする機会が少ないですが、韓国料理やイタリア料理には、お馴染みの食材として古来より使用されています。
松の実は、聖書にも登場するほど古く長い歴史を持つ実です。中国においては、仙人が食する不老不死の霊薬として重宝されてきたのだとか。このような伝説があることからも、高い効能・効果を持つことが窺い知れますが、具体的にはどのような成分を含有しているのでしょうか。
カロリー高めですが、肥満など健康を害するリスクはなし
松の実に含まれている成分のうち、特に注目すべきが豊富な油脂(1.6g/10g)です。
油脂はどちらかというと悪いイメージが強いですが、松の実の油脂成分は不飽和脂肪酸(オレイン酸、リノール酸、ピノレン酸など)ですから、肥満など健康を害するようなリスクはありません。
しかしカロリーは高め(69kcal/10g)ですから、高い滋養強壮の効果を得ることができます。
※不飽和脂肪酸には、コレステロール値や血圧を安定させる効果があります。
※ピノレン酸はさらに、アトピーの痒みを和らげる効果も有しています。
油脂のほかにも、良質なたんぱく質やミネラル類(鉄分、亜鉛、マグネシウムなど)、ビタミンB群やビタミンEなど、生命維持や健康促進に欠かせない栄養素がバランスよく含まれています。
※タンパク質には、筋肉増強、疲労回復の効果があります。
※ミネラル類には、カルシウムなど他の栄養素の働きをサポートする効果があります。
※ビタミンB群には、疲労回復、新陳代謝向上、貧血予防などの効果があります。
※ビタミンEには、老化防止やガン予防の効果があります。
料理の材料になるのは、硬い皮のなかにある胚乳
松の木は、全部で200種類以上あると言われています。
そのうちで食用に利用されているのは、比較的大きな実をつけるイタリアカサマツ、チョウセンゴヨウ、チルゴザマツ、ピニョンマツ、アメリカヒトツバマツ、メキシコマツなどの種類です。
松の実は茶色くて硬い皮で覆われており、その皮を剥くとなかから白い胚乳が姿を表します。
この胚乳と呼ばれる部分が食用部分であり、フライパンや鍋で煎ったり揚げたりすると、クッキーなどのお菓子や韓国風のお粥、ジェノベーゼパスタなど、さまざまな料理の材料になります。
漢方の生薬や薬膳料理にも利用されている
松の実は漢方の生薬や薬膳料理にも使用されており、生薬名を海松子(かいしょうし)や松子仁(しょうしじん)といいます。血行促進、気力回復、咳緩和、便秘解消、頭痛改善、肌荒れ改善といった多様な効果を持つため、体の弱い方やお年寄りに処方されることも多いです。
肌を美しくする効果もありますから、滋養強壮や健康目的だけでなく、美容目的でもぜひ摂取してください。