歯周病とはそもそもどのような病気なのか?|トピックスファロー

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2012年10月8日
歯周病とはそもそもどのような病気なのか?

一般的には「歯周病=虫歯」と考えられていますが、実際には歯周病と虫歯は別の病気なのです。歯周病とはどのような病気のことを指していて、虫歯とはどのように違うものなのか。歯周病の実態などについて解説していきます。

取材ライター
  

虫歯とは違う!歯周病とはどのような病気なのか?

歯は人間を含む多くの動物が生きていくために欠かすことの出来ない大事な器官の一つです。命を養う食べ物を噛み砕いて飲み込みやすくし、唾液と混ぜ合わせて消化しやすくするのが歯の主な役割です。

歯がなければ美味しい料理は楽しめないし、体も命も維持できないのが自然の摂理というものです。
人間は動物と違って入れ歯などの義歯を使うことによって、自前の歯が無くなっても食事をすることは可能ですが、義歯には多くのデメリットがあるため自前の歯と比べるとどうしても見劣りするものになってしまいます。
そして、自前の歯を残存させるための大きな障害となるのが歯周病なのです。

歯周病とは

歯周病は「歯の周り」である歯根・歯肉・歯槽骨などの歯周組織に発生する疾患のことです。
いわゆる虫歯である齲蝕は、歯そのものに起こる疾患であるため歯周病とは似て非なるものであるといえます。

歯周病を起こすと、歯ぐきから血が出やすくなったり、口臭が酷くなったり、歯ぐきが赤く腫れるようになったり、口の中がねばついたり、歯ぐきから膿が出るといった症状が現れます。

歯周病の原因は何?

歯周病は虫歯と同じく食べ物のカスと唾液が混じって出来る歯垢や歯石を原因として発生します。
歯垢・歯石に含まれる歯周病菌が歯周組織に感染すると、免疫機構が反応して感染部位に炎症を引き起こします。

初期段階で歯周病菌を除去出来れば一時的なもので済むのですが、適切な治療をしないまま放っておくと標準的な歯周病へと発展していくのです。

歯周病が進むとどうなる?

歯周組織への歯周病菌の感染が進んでいくことによって、歯肉炎・歯周炎・歯槽膿漏と発展していきます。

歯肉炎は外側の歯肉だけに歯周病菌の感染と炎症が起こっている状態で、これが進むと歯周組織全体への歯周病菌が感染して炎症が広範囲に広がった歯周炎となります。
良く勘違いされるのですが、歯周炎と歯肉炎はそれぞれ「歯肉を含める歯周組織全体に歯周病菌感染と炎症が起こっている状態」「歯肉だけに歯周病菌感染と炎症が起こっている状態」ですが名称と状態を取り違えられてしまいやすいので注意しましょう。

歯槽膿漏まで進行すると、歯が根元からグラグラしているだけでなく、決壊寸前の堤防のように歯肉自体が崩れてしまっています。こうなってしまうと何かの拍子でボロッと歯が倒れて完全に脱落してしまうのです。

歯周病は自前の歯を失う最大の原因

歯周病は虫歯に比べると緊急性がない歯の病気と考えられがちです。虫歯の場合、歯に穴が開いたり欠けたりというように目に見える痕跡がある上に、症状が進行すれば痛みを伴い食事どころか日常生活もままならないほどです。

しかし、虫歯よりも歯周病の方が歯の健康を損なう病気としては上なのです。まず、日本人の8割は歯周病に感染しているといわれています。そして、自前の歯を失う原因としては虫歯が約三割に対して、歯周病は4割と上回っているのです。

虫歯にならなくても歯周病になる

虫歯の原因となるミュータンス菌は、赤ん坊の頃は口内に存在しておらず食べ物の口移しやキスによって親などから感染するといわれています。そのため口内細菌の環境が出来上がる3~5歳までにミュータンス菌に感染しなければ、一生虫歯とは無縁でいられるといわれています。

しかし、歯周病の原因である歯周病菌は常在細菌と呼ばれ、お母さんから生まれてきた時点ですでに感染している種類の細菌であたるめ、どんなに気を付けていても完全に駆除することが出来ません。
そのため、「ミュータンス菌が存在しないから虫歯にならない」と油断していると歯周病の進行に気づかないということもあるのです。

著者:和田ちえみ

取材ライター
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三度の飯より書くこと聞くことが好き。インタビューやプロフィール作成、企業社内報など堅い文章も書けます。人の話を聞き、それをまとめるお仕事が多いです。