違いがわかりますか?ワインの資格あれこれ
●ワインの資格の必要性
11月の中旬になると、ボジョレーヌーボー解禁で盛り上がる国・日本。
そんな国に暮らす私たちにとって、ワインはすっかり身近なものとなりました。
ちょっとしたスーパーやコンビニにはたくさんのワインが置かれ、予算や好みに応じて選ぶことができます。また、洋食のレストランだけでなく、和食の料理店や居酒屋にもワインが置いてあることは決して珍しいことではありません。
このことは何を意味しているのでしょうか?
筋道立てて考えていきましょう。
「ワインを飲む人が増える→ワインの需要が増える→ワインの知識を持った人がたくさん必要になる」ということです。
つまり、今、ワインの資格を持った人がさまざまな場所で必要とされているのです。
でも、ワインの資格って具体的には何があるのでしょうか?そのあたりについて調べてみました。
●ワインの資格の違いって?
たいていの人は「ソムリエ」という名前を聞いたことがあると思うのです。これがワインの資格、ということはお分かりだと思います。
また、ワインを売っているお店に行くと、店員さんの名刺に「ワインアドバイザー」という肩書きが入っていたということはありませんでしたか?これもワインの資格なのです。
さらに混乱するのが、ワインとは何の関係もなさそうな仕事をしている人が「ワインエキスパートの資格を持っています」と言い出したりするとき。
ここまで来ると、何の違いがあるのだ、と思いますよね。
資格ごとの分かれ方
「実務経験の種類の差」によって、ワインの資格は分けられるのです。
これは日本ソムリエ協会というところが認定する資格の話ですが、
・「ワインの販売業に従事していて、一定の実務経験がある人」がなれるのが「ワインアドバイザー」
・「料飲サービス、販売のいずれにも従事していない一般の愛好家等」がなれるのが「ワインエキスパート」
ということになります。
それでは、それぞれの資格について、どのような条件に当てはまる人が試験を受験することができるのか、詳しくご説明しましょう。
●ソムリエとは
以下の条件に当てはまる人が受験できる試験です。
ソムリエは受験資格が最も厳しいです。
「アルコールを提供するレストランで働いている人」であることが基本になります。
例外として認められるのが、「キャビンアテンダント」。国際線のキャビンアテンダントだと、機内食とともにワインをサービスすることがあります。そのため、上で挙げた条件に当てはまるものとして扱われます。
試験に合格すると、金のぶどうのバッジが資格章として協会から交付されます。
●ワインアドバイザーとは
以下の条件に当てはまる人が受験できる試験です。
<業務経験の歌異例>
・酒類製造業および販売業、(コンサルタントなど)流通業に従事する者
・アルコール飲料を含む飲食に関する専門学校や料理教室など教育機関における講師業に従事する者
・列車内(新幹線等の特急列車)でのワゴン販売業に従事する者
主に「販売」や「教育」の仕事に従事している人を対象とした試験です。
「酒屋でアルバイトしていて、今もやっている」という人は、勤務時間次第ですが、こちらの試験を受験するチャンスがあります。
「受験してみたいけど、ワインエキスパートとワインアドバイザー、どちらのチャンスがあるのかわからない」という人は協会に問い合わせましょう。
試験に合格すると、銀のぶどうのバッジが資格章として協会から交付されます。
●ワインエキスパートとは
以下の条件に当てはまる人が受験できます。
・ワインが好きな人
・ワインの品質判定に関して的確な見識を持つの20歳以上の人
・職種、経験は問わない
(そのため、ソムリエ、ワインアドバイザー職種に就かれていて受験に必要な経験年数に満たない人が受験することもある。)
ワインに関する仕事をしているわけではなく、単純に「ワインが好きだからもっと勉強してみたい」という人が目指すことができるのがこの資格です。
試験に合格すると、銅のぶどうのバッジが資格章として協会から交付されます。
●なるにはどうしたらいい?~試験と学習方法~
では、今まで紹介した日本ソムリエ協会の資格を取るには、どうすればいいのでしょうか?
基本的に、ソムリエのみサービス実技の試験がありますが、それ以外はどの資格でも同じ問題で一次試験、二次試験が行われます。試験の合格率はソムリエ、ワインアドバイザー、ワインエキスパートのいずれにおいても大体40%前後となっています。
「受ければ必ず受かる」という試験ではありません。では、どう対策すればいいのでしょうか。
一番確実なのは、やはりスクールに通うことです。
お金はかかりますが、確実な知識を蓄えられますし、スクールで知り合った人とのご縁でワインの仕事への道が開けることもあります。
そこまでお金をかけられない、という人は、二次試験の対策講座だけを受講する、という方法もあります。
また、受験生同士の勉強会ということで、ワインを飲み比べする回もあるので出席するといいでしょう。
●まとめ
少なくとも、日本ソムリエ協会が主催している資格は、実務経験の種類の差によって異なるということがお分かりいただけたでしょうか。
ワインの仕事をしていなくても、ワインが好きなら、ワインエキスパートを目指してみてもいいかもしれません。
ただし、お金はそれなりにかかりますので、どうせならその後の仕事につなげるつもりでやりましょう。
仕事につなげられたら、ワインだけではなく、幅広く「食」に興味を持って、ご自分の世界を広げてください。ワインは食べ物と楽しんでこそ、その魅力が引き立つものです。「このワインに合う食事」と提案できてこそ、ワインのプロといえるでしょう。