全身麻酔にして良かった!親知らずを寝ている間にまとめて抜歯|トピックスファロー

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2012年10月30日
全身麻酔にして良かった!親知らずを寝ている間にまとめて抜歯

恐怖の親知らずの抜歯も普通の歯科治療でさえ辛い歯科恐怖症も全身麻酔という選択肢で解決できるかも。全身麻酔は寝ている間に複数本の歯への処置が可能となります。寝ている間に終わっている為に苦手な人にとっては精神的な負担を大幅に減らすメリットも。

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苦手な歯科治療も寝ている間に終わる全身麻酔

通常、全身麻酔での手術には麻酔科医が必要になりますが、歯科医療を目的とする全身麻酔は歯科医師法が定める歯科医業の一部として歯科医師が行うことが出来ます。

歯科医療における全身麻酔は、歯科治療は痛みや治療に対して強い恐怖感が伴いやすいこともあり、歯科恐怖症を抱える人の治療や子供の治療等の為に入院を要する手術以外でも日帰りの治療などにも外来全身麻酔として広く応用されています。

全身麻酔の方法

歯科・口腔外科領域で用いられている全身麻酔法には次の3つがあります。
また、歯科領域での全身麻酔は気道確保の目的があるためほとんど気管挿管を施します。

  • 吸入麻酔
    もっとも使われている麻酔法で麻酔薬を肺から吸入する方法を用います。吸入濃度を調節することで麻酔の深さを調節しやすい特徴を持っています。
  • 完全静脈麻酔(TIVA)
    点滴を使って静脈から麻酔薬を投与する麻酔法で、静脈麻酔薬が体に入って数十秒で意識は無くなります。 主流となっている静脈麻酔薬プロポフォールは麻酔効果が早く現れる上に覚醒も早い特徴を持っています。
  • 低血圧麻酔
    手術においての出血量の減少や輸血を避けるため、麻酔中に降圧薬を投与して血圧を一定のレベルまで下げる麻酔法で、顎の骨への手術が対象となります。

親知らずの抜歯に全身麻酔が利用されるケースは少なくない

トラブルが多く、その位置や生え方などの状況から虫歯が発生しやすいともいわれる親知らずは痛みや腫れ、虫歯などのトラブルを抱えると抜歯の対象になることが良くあります。

しかし、もともと処置のしづらい場所であるうえに、レントゲン撮影で親知らずがあごの骨に癒着していたり横を向いて埋まっていたりなど抜歯の難易度が高くなることが予想される事も多々あり、加えて患者さんの心身の負担等も考慮して全身麻酔での抜歯を施すことがあります。

局所麻酔では対応できないあごなどを含めた口腔外科手術のみならず、極端なおう吐反射があって歯科治療が困難な人、歯科恐怖症を抱える人の歯科治療・歯科手術も全身麻酔の対象となりますので、全身麻酔を希望する場合は担当の歯科医師に相談するのが良いでしょう。
また親知らずなどの抜歯だけではなく、インプラントなどの審美歯科治療においても全身麻酔は広く使用されています。

虫歯治療における全身麻酔

神経まで進んだ、根の深い虫歯治療のケースで全身麻酔を希望する人もいますが、そういったケースでは少々注意が必要な場合もあります。

通常の虫歯治療では、歯の神経の奥まで進んだ虫歯の治療を一回で終えることはありません。
それは根の消毒や殺菌を繰り返して、ステップごとに数日間症状の改善などの様子を確認していきながら治療を進めて行くからです。

虫歯治療はざっくりと第一段階と第二段階に分けることが出来ます。
まず第一段階としては、虫歯菌が感染した部分をエアタービン等の機械で削り取ったり、抜歯という手段を用いて取り除き、インレーと呼ばれる詰め物を詰めて元の形を再現したり、ブリッジやインプラントで欠損歯を補います。

つまり、治療上余儀なくとはいえ虫歯治療の第一段階は、一度歯と歯肉や骨などの歯の周囲の組織を傷つけるという一面を持つという事ができます。

虫歯治療の第二段階は、歯と歯の周りの傷ついてしまった組織を回復させていきます。
その回復・治癒の経過は第一段階のようにはいかず、時には数週間から数か月かかる事もあり、その途中で化膿したりすると応急処置が必要になることもあります。

全身麻酔下での虫歯治療は例え一度に複数本の歯の治療でも、一日で終わらせることができるので、麻酔から目覚めると外見上は治療が終了しているように見えますが、虫歯治療の第二段階として自然治癒する期間が必要になることを忘れてはいけません。

また日常生活の口腔内のケアや生活リズムや食生活に気を配ると自然治癒力が高まっていき回復が早くなるかも知れません。

著者:天地佑樹

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