パン製造技能士ってどんな資格?
パン製造技能士は、JAVADA(中央職業能力開発協会)が実施している技能検定の一つで、パンの製造に必要な技能を国として証明する国家検定です。 難易度はそれほど高くなく、合格率は50%程度となっています。
そもそも、パン屋さんになるために、特別な資格はありません。独立開業するために、パンの製造に関する資格取得が義務付けられているわけではないのです。 ただし、ホテルやレストランの製パン部門やベーカーリーショップなどでは、技能手当の支給の対象になる場合があることから、持っていると有利だといえます。また、資格取得を奨励している企業があるため、就職後に、働きながらチャレンジする人も多いのです。 キャリアやスキルをアップするためにも、パンの製造に携わる以上は持っていたい資格です。
パン製造技能士の試験とは
パン製造技能士は、技術レベルによって2級・1級・特級に分かれています。 2級では中級者レベル、1級では上級者レベル、特級では管理者レベルの技術力が求められます。
試験内容
2級と1級ではそれぞれ実技試験、また、特級では学科試験のみが行われます。 合格基準は100点満点中、60点以上です。詳細は以下の通り。
2級
支給された2種類の小麦粉(強力粉・中力粉)から強力粉を選び、各材料を秤量。 その後、直捏生地法によるミキシング、発酵・焼成を行い、指定の型を使ってイギリス食パンを3本作る、という作業試験が実施されます。(試験時間6時間)
1級
水の配合割合を決定したうえで、各材料の使用量を算出し、さらに、支給された2種類の小麦粉(強力粉・中力粉)から強力粉を選び、各材料を秤量。 その後、直捏生地法によるミキシング、発酵・焼成を行い、指定の型を使ってイギリス食パンを4本作る、という作業試験が実施されます。(試験時間6時間)
特級
工程管理・作業管理・品質管理・原価管理・安全衛生管理・作業指導・設備管理について、ペーパーテストが実施されます。(試験時間3時間)
受検資格
原則として、技能検定には定められた、以下の通りの実務経験が必要です。 ただし、職業訓練歴や学歴によって、実務経験が免除・短縮されるため、詳細は厚生労働省のホームページで確認して下さい。
- 2級:実務経験2年以上
- 1級:実務経験7年以上
- 特級:1級合格後の実務経験が5年以上
受検の申し込み
技能検定は、実施計画は国(厚生労働省)、試験問題等の作成は中央職業能力開発協会、試験の実施は各都道府県と、管轄が分かれています。 試験日程や申し込み方法などに関しては、受検申請書の受付や試験実施を担当している、最寄りの都道府県職業能力開発協会に問い合わせください。