最前線を行くプロフェッショナルの講演で英語を学ぼう
TEDとはどのような組織か?
TEDとは「Technology Entertainment Design」の略で、年に一回講演会を開くグループのことです。講演会では、「Ideas worth spreading(広める価値のあるアイデア)」をスローガンに、様々な分野の著名人や最先端の研究をしている人、優れたアイデアを持つ一般人などを招聘してプレゼンテーションが行われています。
TEDの講演会でプレゼンを行った人には、クリントン元アメリカ大統領、ゴア元アメリカ副大統領、ロックバンド・U2のボーカル・ボノ、DNAの二重らせん構造の発見者であるジェームズ・ワトソン、アップル社の創立者であったスティーブ・ジョブスなどがおり、名前を聞いただけでも興味がわいてくる人も少なくないでしょう。
本来、TEDの講演会に参加するには7500ドル(約58万円)の年会費を払わなければなりませんが、TEDの公式サイト(http://www.ted.com/translate/languages/ja)では、過去の講演会で発表されたプレゼンテーションが動画化されて公開されています。
TEDの動画がなぜ英語勉強に活かせるのか
そして、このTEDのプレゼンテーション動画は講演者がバラエティーに富んでいるだけでなく、英語の勉強にも活用できるのです。どのような理由で、プレゼンテーション動画が英語の勉強に役立っているのでしょうか?
27か国語に対応する字幕
TEDが公開しているプレゼン動画には主要言語の内27か国語での字幕が付けられています。英語をはじめフランス語・イタリア語・ドイツ語・スペイン語・中国語・アラビア語、そして日本語の字幕も付いています。
字幕付きなので、プレゼンテーションの内容が理解しやすく勉強抜きでも楽しめるのです。
プレゼン内容のテキストが読める
プレゼンテーションの動画には字幕だけでなく、プレゼン全体の内容をまとめたテキストが付いています。もちろん、この台本にも27か国語の対訳が付いているので、慣用表現の勉強などにも効果を発揮します。
プレゼンごとの長さが手ごろ
英語の映像・音声教材は、どうしてもドラマ仕立てになるせいか時間が長くなる傾向にあります。学校の授業で見る分にはまだしも、自習のために繰り返して見るとなるとかったるく感じてしまい途中で飽きてしまうこともしばしばです。
TEDのプレゼン動画は、長すぎず短すぎず、3分から5分程度の長さで簡潔にまとめられています。繰り返して見ても飽きにくいし、苦にならない長さといえます。
スマートフォンに専用アプリがある
一昔前は映像ありの教材は持ち運びできず、音声だけの教材を出先でカセットプレイヤーを利用して聞いていたものです。しかし、場所や状況によってはテキストを参照しながら音声を聞くことが出来ず、なかなか内容が頭に入ってこないこともあったのです。
TED動画はスマートフォンに「TED Air」などの動画観賞用アプリがあります。これらのアプリは、動画だけでなく字幕も表示できるため、パソコンで見ているのと同じようにプレゼンを楽しめます。
ライティング・リスニング・スピーキングの勉強に効果を発揮
TEDのプレゼン動画が英語学習教材として使え、なおかつ優れているのは「日本語訳がある」「プレゼン内容のテキストが英語・日本語共にある」「適度な長さで繰り返しやすい」「スマホアプリでどこでも見られる」「内容がバラエティー豊か」ということです。
英字幕を表示すればリスニングの教材、字幕を消せばシャドーイングの教材に使えますし、内容のテキストを書き出せばライティングの教材にと、英語の勉強の大半をカバーできます。そして何より、TED動画は視聴無料ということです。
しかも、プレゼンではさまざまな分野の最先端で活躍する人たちの話を聴けるので英語以外の知識も蓄えられるという、まさに良いこと尽くめの教材です。
しかし、動画によっては日本語訳が終わっていないものもあるので注意しましょう。