【まとめ】どうして苦労して創業した会社が失敗してしまうのか?|トピックスファロー

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2012年9月13日
【まとめ】どうして苦労して創業した会社が失敗してしまうのか?

大きな夢を抱いて会社勤めから独立する人は少なくないものですが、独立したものの成功を収めることなく勤め人に舞い戻っていった人もまた少なくありません。なぜ彼らは独立をあきらめなければならなかったのでしょうか。創業が失敗する理由について解説していきます。

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多くの独立開業者が失敗してしまうのはなぜ?

独立開業は勤め人にとって、実現できる可能性があるささやかで大きな夢です。
一国一城の主となる大きなチャンスをつかみ取りたいと考え、独立に踏み切る人は毎年何千人と現れるのですが、その裏側には独立した人と同じ数だけ独立して作った会社や店を畳む人がいるのです。

なぜ、せっかく開業まで漕ぎつけた自分の会社を畳まざるを得なくなってしまったのでしょうか?創業失敗の原因についてまとめてみました。

優秀な専門家は優秀な経営者にあらず

独立開業したものの数年で廃業に追い込まれてしまう人のすべてが無能というわけではありません。少なくとも「自分の実力と技術なら独立してもやっていける」という見込みが自他ともにあったからこそ独立に踏み切ったのです。

しかし、どんなに専門分野での技術力や実力があっても独立して会社を切り盛りしていくためには経営センスが不可欠になります。
つまり、独立に失敗した人の多くは会社経営者としての才覚に乏しかったということなのです。

技術者・専門家に求められるのは、「得意分野での豊富な知識と技術力」であるといえます。
しかし、経営者の場合は「経理能力」「人材運用」「世間の動きを読む判断力」「冷徹なまで決断力」など、会社を経営していくために欠かせない複数の分野での能力が求められています。

つまり、優秀な専門家や技術者であるからと言って、その能力だけを頼りにして独立開業するのは無謀なことなのです。

雇われ人感覚が独立開業を失敗させる

技術者や専門家でなくても、自分で作った人脈などをフル活用して会社から独立する人もいますがその多くは開業数年で廃業に追い込まれてしまっています。

これは、会社勤め時代に身に染みついた「雇われ人感覚」が邪魔をしている物といえます。
会社に勤めていた頃に関わった仕事の多くは、会社から割り振られたもので自分が企画に一から関わっていないものばかりです。
一方、独立開業後に行う仕事は一から十まで自分の責任で企画・営業・進行していかなければならないものばかりです。

会社勤めの感覚で仕事をこなしていると仕事の質が下がり、取引先の信用を失う結果に繋がってしまうというわけなのです。

経営資金の調達が廃業原因に

法律の改正によって、会社を作るときに必要な資本金は1円でも大丈夫になりましたが、会社を経営していくためのお金も1円だけでいいというわけにはいきません。
自宅を住居兼事務所にして家賃を抑えたとしても、電話回線やパソコンなどの機材やら光熱費などの会社を運営していくための必要経費の数々や人件費などは必ず発生します。
おかしな話かもしれませんが、会社を経営してお金を稼ぐためにはまとまったお金が必要になるのです。

独立開業した人が用意する経営資金の元は、会社勤め時代の蓄えであったり家族・友人からの出資であったり、借金であったりするものですが資金調達の仕方によっては、廃業の原因になることもあるのです。

例えば、友人たちと資金を持ち寄って会社を設立した場合、自分と友人は経営者であると同時に出資者になるのですが、出資額の度合いがそのまま会社での発言力に繋がることになり一度でも意見が食い違えば喧々諤々の大ゲンカに発展して会社解散に行きついてしまうことも珍しくありません。

また、借金で経営資金を賄っていた場合だと利益を事業にではなく借金返済に回す必要が出てきて、外からは経営が順調のように見えても内情は火の車の自転車操業で借金を返しきらないと万一の時の蓄えも作れない…、という指で押したら社屋ごと倒れそうな状態になっている会社も少なくありません。

不充分なマーケティングが会社を閉塞させる

これは新規開業した会社にも老舗の会社にも言えることなのですが、勝負先となる市場が何を求めていてどう動こうとしているのかを知ることが出来ていないと利益は上がりません。
市場の声に耳を傾けて市場の動きを察知する手段がマーケティングなのですが、マーケティングが充分にできていないまま新規事業の立ち上げや事業拡大を図る会社は意外と多いのです。

マーケティングが不十分なまま事業を進めることは、「地図も磁石もない上に普段着とサンダル履きで登山する」くらいに無謀な話です。

新規参入した分野が市場縮小中で予測していた利益を出せなかったり、流行の兆しがある市場に参入するのが遅れてシェアを獲得できなかったりというように、マーケティング不足は会社の業績を大きく左右することに繋がるのです。

成功経験に拘りすぎて失敗する

「賢者は歴史から学び、愚者は経験から学ぶ」という言葉があります。自分で経験したことから何かを学び取ることは大事なことですが、自分の経験だけからしか学ばないのがダメなのです。
経営者という人種はある程度の頑固さがないと大成できないものですが、その頑固さと自己経験重視主義が結び付くと部下や周囲の人の話を聞かず、自分の成功経験だけが判断基準の経営者が誕生してしまうのです。

このタイプの経営者は、自分の感覚が何よりも正しいと考えているため綿密なマーケティングをしても信用しないし、明らかに縮小し続けている分野に多額の投資を行ってしまい会社を傾ける結果を連発してしまうのです。

マニア型企業は経営への情熱不足になりがち

自分の趣味や好きなことを仕事に出来ることが理想的と言われていますが、趣味の延長線上で独立開業すると早期の内に廃業してしまうことに繋がりかねません。
なぜなら、趣味や好きなことは「採算度外視で楽しむもの」であるのに対し仕事は「会社存続のためにも利益が出るようにしなければならないもの」だからです。

趣味を仕事にして開業したマニア型企業は、どうしても研究開発に全力を注ぎこんでしまい利益を出す営業部門が充分に働かなくなってしまいがちです。こうなると、どんなに優れた製品を開発していても世間には周知されず市場に埋もれてしまうだけです。

同好の士同志で集まって趣味に没頭するのであればサークルを作ればいいだけの話で、大きな社会的責任を伴う会社を設立する必要はないのです。

著者:塩屋 謙

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職業は編集・校正、そしてWEBライターでもあります。興味の範囲を広げつつ、様々な記事を書いています。