人生を無駄にしないためのブラック企業の判別法
本来、会社とは社会貢献のために存在する物ですが、経営者の栄華に貢献することだけを目的とした経営内容の会社も少なくないものです。
そういった経営者が従業員から搾取しきる構造で運営されている、いわゆる「ブラック企業」の跋扈は大きな社会問題となっています。
コンプライアンス重視の風潮からすれば最善はブラック企業が自然淘汰されることなのですが、法令違反を重ねて搾取しているブラック企業の方が法令遵守するホワイト企業よりも勢いがあるため、簡単に淘汰されないのが悩みの種といえます。
間違ってブラック企業に入らないようにするためには、どのようなことに気を配ればいいのでしょうか?
求人広告で見分ける
ブラック企業がどうかを見分けるためには、その企業が求人雑誌や新聞に出している広告を調べることが一番です。
例えば、数か月分の求人雑誌のバックナンバーを見ても毎月新人募集の広告が出ている会社があるとします。一見すると「急成長を遂げているから人材不足なのだな」と思うかもしれませんが、「毎月人を集めないと会社が運営出来ない=人が居付かない」という意味でもあります。
また「アットホームな職場です!」と社員の集合写真を載せているような場合も要注意です。必要以上にアピールするということは悪いところを隠すカモフラージュである可能性が濃厚なのです。また、アットホームという言い回しは、逆に言えば「社員にプライベートがない」ということでもあるのです。社員の服装がチャラかったり、「バーベキューパーティー」と書いてある場合はさらに倍率ドン、です。
「未経験者OK」というような表現も要注意です。新卒・転職を問わず、企業の求人に対する本音とは率直に言えば「即戦力の経験者、顧客・人脈込み」です。正直、未経験者に来られても邪魔なだけなのです。
なのに未経験者を受け入れる文言を書くのかというと、「別に使い道がある」からなのです。たとえば人材の出入りが激しい営業職に回すとか、グループ企業に出向させるという体で派遣社員にするというような、使えそうな経験者と使えない未経験者を囲い込んで人材の有効活用を行おうとしているのです。
精神論で見分ける
ブラック企業の経営者は例外なく精神論を振りかざしてくるものです。「気合が足りないから客が取れないんだ」とか「無理だと思っているから無理になるんだ」とか「根性があれば病気になんかならない」とか、自分でも信じてないようなことを従業員に強いてくることが常態です。
物質的に満たされた状態で精神論を持ち込むのであれば話は別なのですが、給与も休暇も法定分もらえていないのに精神論で何とかさせようというのはブラック丸出しのやり方です。
この手の精神論を振りかざす会社は、大抵の場合法令に違反したサービス残業や労働時間を強いていることがほとんどで、悪評が広まっています。
精神論的な発言に引っかかるものを覚えた時は、ネットの口コミ情報を精査してブラック企業かどうかを判別しましょう。
面接で見分ける
最近のブラック企業は巧妙化していて、求人広告を精査していても見分けられないという会社も少なくないのです。そのため、面接をクリアして入社日になって初めてブラック企業だったことに気付いたというケースも良くある話なのです。
そうならないためにも面接でブラック企業かどうかを見分ける努力をしなければなりません。
面接でブラック企業かどうかを見分けるコツの一つは「面接官が自分の名前を名乗ったかどうか」です。面接官が面接慣れしすぎていて、会社を志望してきた人に対する礼儀がおざなりになってしまっていると名乗らないまま面接が進行してしまうのです。
また、「労働条件や待遇についての説明を聞かれるまでしない」というのもブラック企業の条件の一つです。「積極的に聞かないということは認諾したということ」という詭弁を使って、訴訟を起こされた時に「労働条件に納得していたから自己責任」と主張するための予防線なのです。
それに「履歴書・職務経歴書もろくに見ないうちに採用が決まる」という場合もブラック企業であると疑った方が良いでしょう。なぜかというと、企業は一人でも多くの予備人材をキープしておきたいので出来れば面接なしで受け入れてしまいたいと思っているのです。
入社してから見分ける
入ろうとしている会社がブラック企業かどうかを入念に調べている人がいる横で、「そんなに気にしても無駄」とあっさり入社を決めてからブラック企業であることに気が付いた…という人も中にはいます。
そうならないためにも、ダメージが少ないうちにそっと身を引けるよう見分けることが大事です。
内部からブラック企業を見分けるポイントは「怒号・罵声が飛び交っている」「親族経営と情実人事が横行している」「昨日までいた社員が今日からいなくなった」「入社歴が短い社員が多い」「終業時間にタイムカードを押したら仕事続行」「労働組合や休暇取得など法令で定められた労働者の権利を守らない」…などが上げられます。
要するに、仕事の過酷さの割には稼げないし休めない、さらには経営者が搾取して労働者を使い捨てにしているのであれば確実にブラック企業であるとみなしてよいのです。