パソコン整備士とは?
NPO法人パソコン整備士協会が認定する民間資格。
『パソコンの動作不良やインターネットに接続ができない等の、ソフト・ハード両面のトラブルに対処する知識と技術を得る資格』です。
IT系の資格では、「ワードやエクセルといったソフトウェアをどれだけ使いこなせるか」が主流の中、セキュリティやメンテナンスの資格は、それほど多くありません。
また、ネットワーク網の充実から問題となっている、「個人情報や機密情報の流出を防ぐ方法」や、情報を取り扱う上での「倫理的な知識の深さ」も問われます。
そして最終的には、数台のパソコンをつなぐネットワークから、拠点間をつなぐ大規模ネットワークの構築までを行う技術も必要とされます。
ITパスポートとの違い
同じようなIT系の資格としては、『ITパスポート』があります。
この二つの大きな違いは、ITパスポートが国家資格であるという事。
知名度という点では、ITパスポートの方が上と言えるでしょう。
メンテナンスとセキュリティ
また、試験範囲で重複する場所もありますが、
- パソコン整備士=メンテナンス
- ITパスポート=セキュリティ
と、分ける事も出来ます。
他にも、ITパスポートにはパソコン以外の経営戦略(マネジメント)や、ビジネスインダストリなどのパソコンとは直接かかわりのない幅広い知識が要求されるという違いもあります。
資格のランク
2013年の段階では、パソコン整備士は1級から3級までの3つにランク分けされています。
厳密には、「パソコン整備士」と名乗れるのは1級資格者のみとなっており、2級「パソコン整備副士」、「3級「パソコン診断士」と呼ばれています。
情報倫理の試験
他では珍しいパソコン整備士の特徴として、「情報倫理」の試験があります。
パソコンの中には、プライベートなメールや写真。仕事用のPCには社内機密が残されている事もあり、それらデータの復旧、もしくは完全な消去もパソコン整備士の仕事と言えるでしょう。
整備士が情報を抜き取り、ネット上に流すという事があってはなりません。
そういった秘匿性の高いデータを取扱う際のモラル。
そして個人情報保護や知的所有権、著作権などの法律問題などに関わる知識も問われます。
就職・転職に有利なのか?
医師免許の様に、「持っていないと仕事ができない資格」ではありません。
また、一般的な知名度も低い事から、就職や転職に有利に働くとも言い切れません。
しかし1台もPCを使用していない企業はなく、1人で複数のパソコンを使用する人も少なくないでしょう。
数が増えれば、トラブルも比例して増えていきます。
潜在的な需要は決して少なくありません。
主な仕事先
パソコン整備士協会のサイトによれば、企業のメンテナンス・ユーザーサポート。パソコンスクールの講師。
教育機関での情報教育担当者などが上げられています。
中でも、パソコンの修理ショップやパーツ販売のショップでは会社として取得させるケースもあるようです。
パソコン整備士は取るべきか?
一見、難しい試験に思えるパソコン整備士ですが、パソコンに興味がある人にとっては、3級はそれほど難しい試験ではありません。
それでも、パソコンが動く基本的な仕組みを知ることができ、パソコンが壊れた際の原因を特定する事もできるでしょう。
問題があるとすれば、資格を保有し続けるためには、パソコン整備士協会に加盟し入会金と加盟費が必要になるという事。
しかし、この資格だけで仕事ができる訳ではありませんので、無理に加盟し続ける必要性はうすいかもしれません。
さらに進むネットワーク化と情報漏洩
デジタル化したテレビは、『観る』ものから『参加』するようになりました。
外出先から、エアコンを操作したり、家の中の様子を確認する事も出来ます。
スマート家電の普及により、ネットワークはパソコンだけのものではなく、身の回りのあらゆるものがつながるようになりました。
今後、パソコンもネットワークもさらに身近なものになり、それだけトラブルが増える事は簡単に予想できます。
自分の身近なものだからこそ、自分でメンテと修理が行える「パソコン整備士」の資格を取る事は決して無駄ではありません。