秘書検定だけじゃ足りない!?
私自身は会社勤めをしていたときも経理など一般事務系の仕事をしてきたので、秘書の仕事とは縁がありませんでした。しかし、友人に秘書の仕事をしている人がいるので、ある日、こんな質問をしてみました。
「秘書になるにはどんな資格がいるんですか?やっぱり秘書検定?」
回答はどんなものだったかというと…
「秘書検定だけじゃないよ、パソコンできなきゃいけないし、財務諸表読めないといけないし、なんだかいろいろなことやってるよ」
細かいところまでは明らかにできませんが、彼女のボスはかなり大きな会社のかなりお偉いさん、ということだけ言い添えておきます。
このことが何を物語っているかというと、
「秘書になるには、かなり幅広い知識とそれを吸収しようとする意欲が必要」
ということです。
そこで、秘書として必要とされる資格についていくつかまとめてみました。
秘書検定
「秘書検定だけじゃ足りない」といわれても、やはり、秘書になりたいならその志を自分に言い聞かせるために取りたい資格です。
それでは、どんな資格なのでしょうか。
これは「公益財団法人 実務技能検定協会」というところが実施しています。もとは文部科学省が主催していたことから、現在でも後援を受けています。試験は3級、2級、準1級、1級の4段階に分かれています。
どの級も基本的には理論と実技があり、さらに準1級と1級については面接試験があります。
合格率は3級が約70%、2級が約60%、準1級が約30%、1級が約40%となっています。2級まではテキストでの独学でなんとかなりますが、それ以上となると、面接もあるため、かなり難しくなっています。実務経験とスクールでの講習を受けることが必要になるでしょう。
秘書の仕事をしたことがないなら2級まで取れれば上出来かもしれません。
試験問題では、主に、以下の5領域に分かれた問題が出題されます。
2・職務知識:上司がしている仕事を理解し、それを代わりに行うことができるか。
3・一般知識:社会に関する知識があるかどうか。
4・マナー、接遇:電話、来客応対、上司への報告などにおいて、マナー、エチケット、言葉遣い、話し方などをわきまえているか。
5・技能:事務用品や文房具の管理、会議に関すること、文書、郵便の種類、受発信のルールなど、事務的な仕事の仕方がわかっているかどうか。
どれも秘書として働くにあたっては必要とされる知識なので、偏りなく勉強することを心がけましょう。
日商簿記検定
秘書として就くことになる上司が一定以上の役職についている人なら、財務諸表を見ることがあるかもしれません。そのとき、「何が書いてあるのかわからない」となってしまっては、秘書として仕事をするときに支障がでます。そこで、財務諸表に関する知識を身につける必要があるのです。
そこでオススメしたいのが、日商簿記検定の資格を取ることです。
財務諸表がどのように作られるのか、何が記載されているのかを体系的に学ぶことができることから、秘書として仕事を行う人にも人気があります。
日商簿記検定は文字通り、日本商工会議所が主催して行われています。4級から1級まであり、級の数が少なくなればなるほど試験が難しくなります(このあたりはたいていの試験と一緒ですね)。4級は受験する人が全国で1600人前後というマイナーさなので、以下の話においては省略します。試験の合格率は3級が約40%、2級が約25%、1級が約10%となっています。
秘書として仕事をするなら、最低限3級はとっておきたいところです。
また、つくことになった上司が経理、財務データを扱うことが多い人だった場合は、2級までとっておくと安心かもしれません。
3級は独学で十分取ることが可能なので、興味がある人は書店で参考書を買ってチャレンジしてみましょう。
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
秘書の大事な仕事として、「上司に代わって仕事をする」ということがあります。
当然、その中には、「上司に代わってパソコンで書類を作る」という仕事があるはずです。最近では、「パワーポイントでプレゼン資料を作る」というのも仕事に加わっているはずです。そのため、秘書の仕事にパソコンの知識は不可欠といえるでしょう。
では、このような知識を体系的に身につけるにはどうすればいいのでしょうか。
おすすめなのは、マイクロソフトオフィススペシャリスト、通称MOSです。
これは、ワード、エクセル、パワーポイント、アクセスなど、マイクロソフトの主要なビジネスソフトに関する技能を証明できる試験です。
ワードとエクセルには、「スペシャリストレベル」とさらに上の「エキスパートレベル」があります。
この試験自体は、全国各地のテストセンターとして認定されている施設でほぼ毎日受験することができるので、手軽に受験することができます。
また、勉強方法も書店で売られている参考書を買ってきて、それを何度も繰り返し演習することで、十分合格レベルに達することが可能です。
まとめ
どうも、この文章を読み返し、友人の言葉を考えてみると、「秘書検定を取ったからと言ってそれだけで秘書の仕事をできるわけではない」ということを痛切に感じます。
その友人は、常に向上心を持ってさまざまなことを勉強することを忘れない人です。
実は秘書に必要なのは、資格もさることながら、そういった「向上心」なのかもしれません。
とはいえ、資格を取ることは十分に自分磨きになる、向上心の現れである行為の一つ。
秘書の仕事を目指している人は、できることから一歩一歩、始めていきましょう。