子供がインプラント治療を受けられない理由
子供の顎は、日々成長を続けており、顎の成長に合わせ歯も動いています。
歯根膜に覆われている歯は、顎の成長に合わせて動く事ができますが、インプラントで埋め込まれた部分は容易には動きません。
その為、正常に成長している歯とぶつかってしまったり、逆にインプラントで埋め込んだ義歯の方がずれてしまう事が考えられます。
当然、乳歯が抜けた後で永久歯が生えてくる可能性がある時もインプラントを行う事は出来ません。
また、場合によってはこれから生えてくる、別な永久歯にも影響が考えられます。
インプラントは何歳から受けられるのか
ではインプラントは何歳から受ける事ができるのでしょうか?
これは歯科医でも、意見が分かれています。
15歳から16歳
この年代になると、ほぼ永久歯は生えそろってきます。
その為、『歯の状態が大きく変わる事はなく、影響が少ない』という考えです。
18歳以上
『16歳で永久歯が揃っても、顎の成長が止まっていないので、成長が止まる18歳までは行なうべきではない』という考えもあります。
20歳以上
頭部の成長は、部位ごとによって成長速度が異なり、その中で最も遅くまで成長するのが下顎。
個人差があるものの、『下顎は20歳まで成長する事がある』というのが矯正歯科ではよく知られています。
安全を優先するなら20歳から
早いうちにインプラント治療を施して、状態を悪化させてしまう事を考えると、治療は20歳まで待った方がいいでしょう。
またスウェーデンでは、身長が3年間で5mm以下の成長の場合は、治療を行う事ができると決められています。
子供の歯が『折れた』『抜けた』場合の対処法
転んだり、ボールが当たったりした場合、歯が欠けたり抜けてしまう事があります。
しかし、初期対応を間違わなければ、綺麗に直すことも不可能ではありません。
歯が欠けた場合
すぐに欠けた歯を持って歯医者へ相談してください。
神経が傷ついていないのであれば、接着剤を使用して再度くっつけることが出来ます。
しかし大きくかけている場合は、神経の処置や被せ物をする事で対応します。
歯が完全に抜けた場合
歯がすっぽりと抜け落ちる事を『完全脱臼』と言います。
この場合でも、30分以内に歯科医の治療を受ければ元通りになる可能性があります。
この時に重要なのは歯の保存方法です。
歯の根元の部分には『歯根膜』という組織があり、治すにはこの膜が残っている事が絶対に必要です。
- 歯の根元(歯根膜のある部分)は触らない。
- 汚れていてもあまり洗わない(歯根膜を流してしまういから)
- 乾燥させない為に、『牛乳に付けるか』、『口の中に入れて』運ぶ。
- 30分以内に処置をする。
歯がぐらぐらする場合
歯が完全に抜けていない場合は『亜脱臼』と呼ばれます。
この場合は『歯を固定する』事で、治すことが出来ます。
状況にもよりますが、数週間でぐらついていた歯も固定される事が多いようです。
しかし、強い衝撃を受けていた場合、歯が抜けなくても神経が傷ついている場合もありますので、定期的な健診を続ける必要があります。
永久歯が抜けた場合の対処法
子供の時に永久歯が抜けてしまった場合、そのままにしておくと抜けた左右の歯が動き、噛み合わせが悪くなる事が予想されます。
また、生えていない永久歯がある場合には、何もせず綺麗な歯並びにならない可能性があります。
まだインプラントができない年齢であれば、義歯を周囲の歯で固定する『ブリッジ』か、入れ歯にするのが一般的です。
しかしブリッジは固定する際に周辺の歯を削る必要がありますので、顎の成長を待ってインプラントを考えているのなら、入れ歯の方が良いでしょう。
ただし、小さな子が入れ歯を入れ続ける事を嫌う場合があります。