不安だらけの抜歯後の生活と患部のケア
親知らずや虫歯の抜歯の後は、麻酔も引くと何となく不安になってしまう人も多いようです。
歯茎の傷は、通常の皮膚と違い常に湿っていることもあって何だか必要以上に心配なもので、患部の出血具合や痛み、加えて腫れなどもあると、食事や食後のブラッシングにも神経質になってしまいがちです。
しかし、神経質になりすぎる必要はありません。
口腔内の衛生状態に気を付け、患部を刺激せずに清潔に保つことが抜歯後のケアで一番重要な事なのです。
抜歯したら2~3日は安静にし、食事も噛む回数や負担を軽減できる柔らかい食べ物や消化に良いものを摂るようにします。
食事に関しては傷口の刺激とならないような味付けも大切なポイントとなります。
半分涙目の抜歯直後
ガーゼはいつまで
抜歯後、指定された時間(病院にもよりますが、およそ30分間)はしっかりとガーゼを噛んでいましょう。
指定された時間が経過したらガーゼを外しますが、出血が見られたら更に20分位噛むと良いです。
生活のさまざまな部分で不安が募る抜歯当日~数日
食事
麻酔が完全に切れるまで食事は摂らないようにしてください。
痛みや温度にも麻酔で鈍感になっている為に唇を噛んだり火傷の恐れがあります。
特に麻酔が効きやすい人や子ども場合は注意が必要です。
中には痛みがない為におもしろがってイタズラをする子もいるので気を付けましょう。
入浴・運動・飲酒
抜歯当日の入浴、激しい運動、飲酒は控えましょう。
入浴・激しい運動・飲酒によって体が温まると再出血が起こりやすくなります。
抜歯の程度や人によっては入浴しても出血が見られないこともあるそうですが、基本的には当日の入浴は避け、シャワー程度にとどめておくべきです。
腫れても氷水などで冷やさない
炎症を起こす可能性のある抜歯の場合、麻酔が引いてから腫れが気になる場合がありますが、基本的には数日から1週間程度かけて自然に腫れは治まっていきます。
炎症が起きると氷水などで患部を冷やしたくなりますが、冷やすことによって血行が悪化し、炎症を長引かせてしまいます。
酷い痛みを伴ったりなど炎症の状態によっては再来院し歯科医師に診てもらうのが良いかも知れません。
しつこくうがいをしない
抜歯後の患部が気になるからと何度も強くうがいをしていると、せっかく血液が固まりかけた患部に余計な負担がかかって出血を繰り返してしまう原因になります。
再出血が気になってまたうがいをしてしまう悪循環となり、患部の治癒に悪影響を与えてしまいます。
抜歯部分に触れない
うがい同様に歯肉の傷口部分の血液の凝固を妨げてしまいます。
それだけではなく、舌などで患部に触れることは細菌などの感染を引き起こす可能性もあるために、無意識に触れていたりしないように数日間は細心の注意を払っておきたいことです。
処方された鎮痛剤・抗菌薬の服用は指示通りに
化のう止めなどの抗菌薬は、頓服薬とは違い、指示通りに服用しないときちんと効いてくれません。
一度に二回分を服用したからと言って治癒が早まったりすることは無く、その薬が有効に作用する血中濃度(有効域)を超えてしまい副作用の危険性が高まります。
それとは反対に『腫れが引いた』などとの自己診断で服用量を減らすことも有効成分の血中濃度が有効域に達しないために期待した効果が得られません。
用法や用量は個々に合わせて薬の有効性を最大に引き出すために決められていると言えます
もちろん痛みがひどい時などの対処療法である鎮痛剤(頓服薬)も、量や服用間隔を守る必要があります。
抗菌薬・鎮痛剤共に共通する注意点として、一回の用量を守ること、服用間隔や食前・食後などの指示された服用のタイミングも守ってください。
また、服用薬などで解らないことがあれば医師や薬剤師に相談するようにしましょう。