はっきりと自覚できるほどの難聴がある日突然起こる
聴力に問題のない人は、「右の耳がよく聴こえる」とか「左の耳の聴こえが悪い」とか、片耳だけの聴力を意識することは少ないと思います。
しかし、突発性難聴は片耳の聴こえが悪いことを自覚できるほど、聴力が低下します。
軽度の難聴では、聴こえが悪くなっていることに気付きにくいのですが、自覚できるほど聴こえが悪くなっているということは、中~重度の難聴である可能性が高いです。
突発性難聴とは、重症度の高い片耳難聴を引き起こしてしまう病気なのです。
また、突発性難聴の3分の1しか治らないとも言われています。
難聴だけでなく、耳鳴りなどの症状も。
耳鳴りやめまい、吐き気、嘔吐などの症状を伴う場合もあります。
めまいや難聴が起こる病気に、メニエール病がありますが、メニエール病は耳鳴りが繰り返し起こりますが、突発性難聴はめまいの症状は繰り返さないとされています。
突発性難聴の原因は明らかになっていない
現代は医療が進歩し、さまざまな病気の早期発見・早期治療が可能になっている時代ですが、突発性難聴の原因は現在明らかになっていません。
ストレスや疲れなどが引き金となっているケースが多いのは確かですが、原因不明であり、特定疾患に指定されている難病です。
突発性難聴の診断
突発性難聴は、次のような場合に診断されます。
また、難聴の原因が不明であるということも突発性難聴の診断基準の一つです。
外耳・鼓膜の異常がない
外耳や鼓膜に異常がある場合には、突発性難聴と診断されません。
突発性難聴は、内耳や神経系の異常で生じる病気であるため、突発性難聴の疑いがある場合には外耳や鼓膜の異常の有無を確認します。
内耳や神経系の異常で生じる難聴を「感音難聴」と言いますが、感音難聴であるかどうかを調べる検査も行い、どこの異常で生じた難聴なのかを確認します。
症状が現れた日が明確である
先にも紹介したように、突発性難聴は自覚できるほどの聴力低下を招くため、多くの場合症状が出た日を覚えています。「いつの間にか聴こえがわるくなっていた…」という場合は、突発性難聴の可能性は低いと言えるでしょう。
片方の耳だけに聴力の低下が認められる
突発性難聴の場合、一度に両耳の聴力低下が起こることは稀と考えられています。
突発性難聴の治療
突発性難聴は早期治療が重要であり、発症から1週間以内に治療を始めた場合には、治る可能性が高いとされています。そして、発症からの期間が長くなるほど、治る可能性は低くなっていきます。
治療は、主にステロイドを使用した薬物療法が選択されます。また、高気圧酸素療法などを併用する場合もあります。
重症度の高い場合は入院治療が必要となりますが、そうでない場合は自宅療養となります。安静にすることが大切なので、自宅療養の場合もしっかり休養をとり、医師の指示に従って治療を進める必要があります。
後遺症が残る場合もある
突発性難聴の3分の1は治るとされていますが、難聴が残ったり、治らなかったりする場合もあります。
また、耳鳴りの症状が後遺症として残る場合もあります。
突発性難聴を予防する方法はあるの?
予防法は未だわかっていません。
しかし、ストレスや疲労が引き金になっているケースも多いことから、疲れを溜めない、ストレスを溜めないといった心がけも大切だと言えるでしょう。
早期治療が大切なので、正しい知識を身に付けて、聴こえに異常があった場合にはすぐに耳鼻咽喉科を受診することが重要です。