九州の歴史が始まった地『八女』
今からおよそ1800年前、中国が三国にわかれて争っていた時代、日本にも海を渡り外国と交渉を持つ、倭国と呼ばれる国がありました。
それこそが邪馬台国とその女王卑弥呼。
日本の歴史ミステリー最大の謎として今も決着がついていない邪馬台国論争。
その有力な候補地の1つとされているのが福岡県。
その北側には300基もの古墳が発見され、北九州最大の前方後円墳『岩戸山古墳』が見つかった場所こそ、八女の土地なのです。
『八女』の由来は日本書紀の『八女津媛(ヤメツヒメ)』
『八女』という地名は珍しく、全国を見てもこの一ヵ所しか存在しせん。
この名前の由来となったのが、日本最古の歴史書『日本書紀』に見ることが出来ます。
日本書紀の英雄「ヤマトタケルノミコト」の父親でもある「景行天皇」が九州を訪れた際、
「この美しい山にはだれか住んでいるのか」という問いに対して、
「八女津媛という名の女神が、常に山中におります」と返した一節から、この土地を『八女』と呼ぶようになったという事です。
江戸時代以前から続く職人の集まる地
八女は平成の現代でも、伝統工芸品の総生産額は九州のトップクラス。
おおよそ鎌倉時代から技術者が集まりだし、江戸時代には産業の基盤として発展していました。
その伝統は今も失われておらず、八女の手すき和紙は今も作り続けられています。
他にも江戸時代から続く『石灯籠』『提灯』、八女で取れる良質な為を使用した『竹細工』に弓道家より注文を受ける『八女矢』などなど、伝統工芸の宝庫と言っても過言ではありません。
日本のお茶は八女から始まった
八女を語るうえで欠かす事ができないのがお茶。
お茶と言えば京都や静岡と思われがちですが、日本で生産される玉露の約50%は八女で生産された物です。
日本に初めてお茶を持ち込んだのは、鎌倉時代に日本で初めて禅寺を開いた臨済宗の開祖『栄西』。
彼が中国から持ち帰ったお茶を脊振山(せぶりさん)に撒いたのが始まり。
その後、お茶は栄西禅師から明恵上人の手を渡り、ようやく京都へと至る事になります。
八女の見どころを紹介するホームページ
九州においても飛びぬけて歴史の古い八女ですので、見どころは悠久の歴史を感じる場所が良いでしょう。
そんな八女を詳しく紹介しているホームページをピックアップしてみました。
岩戸山古墳と岩戸山歴史資料館
八女丘陵上に広がる古墳群と、その中心であり北九州で最も巨大な古墳『岩戸山古墳』。
そこから発掘された様々な出土品を見るには『岩戸山歴史資料館』を訪れると良いでしょう。
開館時間は9時から17時まで。
月曜日は休館となっています。
八女津媛神社
地名の由来となった八女津媛を祀る神社。
この神社が建てられたのは養老三年。約1300年も昔という事になります。
「常に山中にいる」の言葉通り、ちょっと足を伸ばしてというには少し遠いかもしれません。
また5年に1度行われる「浮立」は福岡県の無形民俗文化財に指定されています。
八女伝統工芸館
八女の誇る伝統工芸に触れるのなら八女伝統工芸館が良いでしょう。
様々な工芸品を購入する事も出来ますし、匠の物作りの技を目の前で見る事もできます。
また予約制ですが、手すき和紙の手作り体験も可能です。
茶の文化館
八女の名産であるお茶をとことん楽しめるのが、この茶の文化館。
特産品のしずく茶はもちろん、抹茶をいただくこともできます。
体験コーナーやお茶の楽しみ方なども紹介しています。
石臼での抹茶挽きや和菓子作りも体感でき、お茶好きにはぜひ訪れてほしい場所です。
黒木の大藤
素戔嗚(スサノオ)神社の境内にあるのが、樹齢600年の天然記念物「黒木の大藤」。
ここでは毎年4月の中旬ごろから、1メートルを超える見事な藤棚を形作ります。
藤の開花時期に合せて「八女黒木 大藤まつり」が行われています。
毎年20万人もの人出でにぎわう大きなお祭りがありますので、参加してみるのも良いでしょう。