太陽光発電の余剰電力買い取りの計算方法とは?|トピックスファロー

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2015年5月26日
太陽光発電の余剰電力買い取りの計算方法とは?

自宅に太陽光発電装置を設置すると、発電した電気を電力会社に売ることができます。その固定価格買取制度には、余剰電力買取と全量買取の2種類があります。一般的な家庭なら余剰電力買取になります。実際にどれだけ電力が売れるのか計算の考え方を紹介します。

ライター
  

二つの固定価格買取制度

太陽光発電の余剰電力買い取りの計算方法とは?

違いは10kw以上か未満か

全量買取とは、太陽光発電装置で発電した全量を電力会社が買い取るものです。
これに対して、
余剰電力買取は発電した電力量から自宅で使った電力量を差し引き、余った量を買い取る制度です。

二つの違いは太陽光発電装置の出力の規模で決められます。固定買取は10kw以上、余剰買取は10kw未満です。

普通の家庭の屋根であれば、その広さの上に載せられるソーラーパネルの出力は約4~5kwとなるため、一般家庭では余剰電力買取になります。
全量買取は工場や集合住宅、メガソーラー事業社が対象です。
なお、屋根の大きい大邸宅やカーポートの上などに設置して10kw以上となれば、一般家庭でも全量買取が可能となります。

節電意識を高める余剰電力買取

たくさん発電できても、余剰電力買取では自宅の電力消費量が多いと売れる電力量が少なくなります。

発電量より消費量が上回ってしまえば、まったく売れません。

家で使う電力を節約すればするほど買取額が上がりますから、電力を節約しようとの意識が強くなります。

買取額と消費電力額の単価の違い 

固定価格買取制度の平成26年度(平成27年3月31日まで適用)の価格は、全量買取で1kw当たり32円、余剰電力買取は1kw当たり37円になっています。

電力会社や契約内容によって消費電力価格が変わりますが、一般的な従量型契約だと1kw当たり26円となり、買取額との差が収入になってきます。

実際にシュミレーションしてみましょう

仮定の太陽光発電装置を設定します

ソーラーパネルの出力が「5kw」とあるのは、「1時間に発電できる量が5kw」の意味です。
しかし、このデータは地球の赤道上で、最も太陽とパネルの角度を理想的に設置した場合の数字です。
従って、日本の場合は北にあるので出力は落ちます。また、九州と北海道でも違います。
さらに、ソーラーパネルは固定されています。朝夕や昼で太陽の位置が変わるために光の当たる角度が変化するので、一日中晴れた日であってもフルに発電することはできません。

最近、太陽の位置を自動追尾してパネルの角度を変化させる装置もありますが、高価のため家庭用ではなく、メガソーラー事業社向けです。

能力は出力の半分が目安

従って、「5kw」のソーラーパネルの場合、「1時間に発電できる量は2.5kw」と出力の半分が一般的な目安となります。

晴れていて太陽が高い位置にある約4時間程度で発電が盛んになると考えられます。

5kwのパネルを設置した家庭でシュミレーションしてみましょう。
晴れた日は4時間で、時間あたり2.5kwの発電となりますので、

4時間×2.5kw=10kw
の電力が得られます。この4時間の間、家庭では家電等で1時間で1kwを消費したとします。

余剰電力買取の場合、

10kw(発電した電力)―4kw(消費した電力)=6kw(余剰電力)
となり、
6kw×37円(余剰買取価格)=222円(売電額)

全量買取の場合、

10kw(発電した電力)×32円(売電価格)=320円(売電額)
4kw(消費した電力)×26円(消費電力単価)=104円(支払額)
320円―104円=216円(差し引き利益)

売電までの考え方は以上となります。

場所、平均日射量などで変動

さらに、家のある場所によって平均日射量が変わり、予測できる発電量が変わります。

これらはソーラーパネルメーカーのホームページで、予測発電電力量、平均日射量、予測節約電気料金を簡単に計算することができます。

例えば、京セラのホームページによると、東京駅の位置で5kwのソーラーパネルを設置した場合、平均日射量から年間5000kw以上の発電が可能であるとシュミレーションできます。
普段の自宅の電気料金を入力すると、年間に節約できる電気料金が計算することができます。

注意点

期間や全量買取の見直し

余剰電力買取制度の買取価格は10年間固定されています。
この間は計算式で売電できる価格が予測できますが、11年目以降は買取価格が消費電力並まで下がる可能性も噂されています。

そうなると売電する収入がかなり減るため、発電した電力は自己消費できるように変更する必要があります。
また、昼間発電した電気を夜に使うためには、蓄電池に貯めておくことになります。

ちなみに全量買取の場合は、20年間価格が固定されます。

10kw以上の受付は中断

また、家庭であっても10kw以上の全量買取は、現在電力会社のうち、北海道、東北、四国、九州、沖縄で受け付けが中断されています。

これは、売電を続けた場合、電力会社側の総電網が混乱する怖れがあるためで、再開のめどは立っていません。

10kw未満は受け付け中断はされていません。

売電から自己活用

太陽光発電の買取も現時点での固定買取制度はそのまま保証されますが、平成27年度以降はどうなるかまだ未定です。

もし、家庭に導入を考えている場合、平成27年3月31日まで受け付けできれば、現在の制度は保証されます。
太陽光発電の導入を考えている方は、将来の自宅の電力事情をどうするか、よく検討する必要があります。発電した電力を自己消費に回すのか、売電を続けるのか、固定買取制度の行方に注意しておきましょう。

著者:メイフライ

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スポーツ関連や、バイオマス、太陽光などのエネルギー関連で取材、ベンチャー企業の企画室での職務経験があります。