二つの固定価格買取制度
違いは10kw以上か未満か
二つの違いは太陽光発電装置の出力の規模で決められます。固定買取は10kw以上、余剰買取は10kw未満です。
なお、屋根の大きい大邸宅やカーポートの上などに設置して10kw以上となれば、一般家庭でも全量買取が可能となります。
節電意識を高める余剰電力買取
たくさん発電できても、余剰電力買取では自宅の電力消費量が多いと売れる電力量が少なくなります。
家で使う電力を節約すればするほど買取額が上がりますから、電力を節約しようとの意識が強くなります。
買取額と消費電力額の単価の違い
固定価格買取制度の平成26年度(平成27年3月31日まで適用)の価格は、全量買取で1kw当たり32円、余剰電力買取は1kw当たり37円になっています。
電力会社や契約内容によって消費電力価格が変わりますが、一般的な従量型契約だと1kw当たり26円となり、買取額との差が収入になってきます。
実際にシュミレーションしてみましょう
仮定の太陽光発電装置を設定します
さらに、ソーラーパネルは固定されています。朝夕や昼で太陽の位置が変わるために光の当たる角度が変化するので、一日中晴れた日であってもフルに発電することはできません。
最近、太陽の位置を自動追尾してパネルの角度を変化させる装置もありますが、高価のため家庭用ではなく、メガソーラー事業社向けです。
能力は出力の半分が目安
従って、「5kw」のソーラーパネルの場合、「1時間に発電できる量は2.5kw」と出力の半分が一般的な目安となります。
5kwのパネルを設置した家庭でシュミレーションしてみましょう。
晴れた日は4時間で、時間あたり2.5kwの発電となりますので、
余剰電力買取の場合、
10kw(発電した電力)―4kw(消費した電力)=6kw(余剰電力)
となり、
6kw×37円(余剰買取価格)=222円(売電額)
全量買取の場合、
4kw(消費した電力)×26円(消費電力単価)=104円(支払額)
320円―104円=216円(差し引き利益)
売電までの考え方は以上となります。
場所、平均日射量などで変動
さらに、家のある場所によって平均日射量が変わり、予測できる発電量が変わります。
例えば、京セラのホームページによると、東京駅の位置で5kwのソーラーパネルを設置した場合、平均日射量から年間5000kw以上の発電が可能であるとシュミレーションできます。
普段の自宅の電気料金を入力すると、年間に節約できる電気料金が計算することができます。
注意点
期間や全量買取の見直し
そうなると売電する収入がかなり減るため、発電した電力は自己消費できるように変更する必要があります。
また、昼間発電した電気を夜に使うためには、蓄電池に貯めておくことになります。
ちなみに全量買取の場合は、20年間価格が固定されます。
10kw以上の受付は中断
また、家庭であっても10kw以上の全量買取は、現在電力会社のうち、北海道、東北、四国、九州、沖縄で受け付けが中断されています。
これは、売電を続けた場合、電力会社側の総電網が混乱する怖れがあるためで、再開のめどは立っていません。
10kw未満は受け付け中断はされていません。
売電から自己活用
太陽光発電の買取も現時点での固定買取制度はそのまま保証されますが、平成27年度以降はどうなるかまだ未定です。