自覚症状の無い糖尿病が原因にある『口臭』サインを見逃すな!|トピックスファロー

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2013年3月18日
自覚症状の無い糖尿病が原因にある『口臭』サインを見逃すな!

口臭の原因の一つに糖尿病がある事をごぞんじですか?体内の糖代謝をうまく行えなくなる糖尿病。一見、体の中の事で口とは関係が無いように思えますが、この二つには密接な関係があったのです。糖尿病が引き起こす口臭を調べました。

取材ライター
  

糖尿病。その時体の中で何が起きている?

糖尿病とは、すい臓から分泌されるはずの『インスリン』が少ない、あるいは正常な働きができずに、血液中の糖質(血糖)を調整できなくなる病気の事。

合併症の恐怖

糖尿病は自覚する事が難しく、気が付いた時には病気が進行している例もありますが、真に恐ろしいのは合併症を引き起こすという事。

「糖尿病神経障害」「糖尿病網膜症」「糖尿病腎症」の3大合併症を始めとし、「脳卒中」や「心筋梗塞」などの恐ろしい病気の原因ともなります。

糖尿病による体の変化と口臭の関係

この時、体の中では普段ではありえない変化が起きています。
その変化から、口臭に関係あるものだけを抜き出して説明します。

変化1:血液がドロドロ。唾液が減る

糖が大量に溶け込んだ血液はドロドロになり、流れが悪くなります。

血流が悪い状態では、唾液の成分である「水分」を上手に運ぶことが出来ず、結果として「口が乾燥状態」となってしまいます。

乾燥した口からは卵の腐った臭いがする

唾液の少ない乾燥した口内では、嫌気性細菌が繁殖。硫化水素を作り出します
硫化水素は、国が悪臭防止法の中で特定悪臭物質に指定された1つで、事件・犯罪等にも使用されるほど毒性の強い物質。
その成分は、「硫黄」と「水素」からできており、卵の腐敗臭の様な臭いがします。

変化2:歯周病の増加

血液の循環が悪くなると、水分だけでなく、自己免疫機能の「白血球」の動きも鈍くなります。
白血球による免疫機能の低下により、口の中では歯周病菌が増加
唾液の減少とも合わせて、歯周病のリスクは2倍から3倍にまで跳ね上がります。

口臭の大部分は歯周病

歯周病は、最も多くの人が感染している病気としてワールドレコードにも登録されているありふれた病気。
その為、一見健康な人から口臭がする時は、歯周病を疑う程です。
歯周病も嫌気性細菌ですので、口から卵の腐った臭いがしてきます。

変化3:糖尿病の甘ったるい臭いは『ケトン体』のせい

血液中の糖は、インスリンの働きによりエネルギーとして処理されます。
しかし、血糖を処理できない糖尿病では、エネルギーを作り出すことが出来ません

そこで、体は糖に変わるエネルギーとして『脂肪』を使い始めます。
この脂肪がエネルギーに変換されるときに残るのが『ケトン体』という物質

ケトン体は、独特の甘酸っぱい臭いがする物質です。
糖尿病患者の尿から甘い匂いがするのは、このケトン体が混ざっているせいでもあります

血液の臭いは口臭になって現れる

血液中に増えたケトン体は、その流れに乗ったまま、肺にまで運ばれます。
肺では酸素と二酸化炭素の交換が行われていますが、その際に呼気に二酸化炭素と一緒にケトン体が混ざります
その結果、口から甘酸っぱい口臭が出てしまいます

ちなみに、ケトン体は「糖をエネルギーに分解できない時」に生成される物質。
絶食によるダイエットで糖が不足した場合も、同じようにケトン体が作られ、口臭の原因になります

変化4:口からおしっこの臭い

糖尿病腎症が3大合併症に数えられるように、糖尿病は腎臓の働きを悪くします
腎臓の役割とは、尿を作り、アンモニアなどの老廃物を流す事です。

しかし、糖尿病でこの処理が上手くいかないと、血液中に処理しきれないアンモニアが増えてしまいます。
結果、血液中のアンモニアは肺から息となって外へと放出されていきます。

糖尿病は予防できる病気

糖尿病は、生活習慣病とも言われる病気。
つまり、日頃の食生活を見直せば予防するのは難しくない病気です。

中年男性の病気と言われていた糖尿病は、子供の間でも広がり始めています。
口臭は、自覚症状の少ない糖尿病からの警告
最近、口臭が気になり始めた人は、糖尿病を疑う必要があるのかもしれません。

著者:和田ちえみ

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三度の飯より書くこと聞くことが好き。インタビューやプロフィール作成、企業社内報など堅い文章も書けます。人の話を聞き、それをまとめるお仕事が多いです。