風疹って、どんな病気?
風疹は『三日ばしか』とも呼ばれ、子供がよくかかるウイルス性の病気です。一般的には5~15歳で発病することが多く、仮にウイルスに感染しても、発病しない割合が高いことも特徴的と言えるでしょう。その割合は、全体の25~50%となっています。また、一度発病すると免疫ができ、多くは二度とかからないと言われています。
主な症状
風疹の主な症状は、37~38度の発熱と全身に広がる小さな赤い発疹が挙げられます。発疹にかゆみはなく、耳の後ろや首、脇の下などのリンパ節が腫れることも特徴の一つ。そのほか、目の充血や喉の炎症といった症状が見られます。発熱、発疹ともに1~4日くらいで治まっていきます。
また、大人も発病することがあります。大人の場合は熱も比較的高くなるなど、症状も重症化して頭痛や関節炎などの合併症が出るケースも…。
風疹にかかる大人が急増中!?
ここ数年の間に、子供だけではなく、大人の患者が急増していると言われています。国立感染研究所は、今年の風疹患者数の累計が2013年04月14日までで4,068人になったことを発表しました。この数字はなんと、去年1年間の患者数の2倍近くにのぼります!先ほど軽く触れたように、大人の風疹は子供に比べ、重症化することが多いとか。中には39度以上の高熱が出て、入院したというケースも報告されています。
患者増加の理由は?
過去最悪のハイペースで感染が拡大している風疹。なぜ患者数が増えているのでしょうか?患者の大半は、20~40代の男性です。それは子供の頃、風疹の予防接種の対象外だったり、対象だったにもかかわらず受けていなくて抗体がない人が、この年代に多いため。患者数を減らすため、一人でも多く予防接種を受けることが望まれます。
特にマタニティの人は要注意!
風疹は男性によく見られる病気ですが、女性は発病しないわけではありません。特にマタニティの人は、十分に注意しましょう。というのも、妊娠20週頃までの女性が風疹ウイルスに感染すると、お腹の赤ちゃんが目や耳、心臓に障害が出る『先天性風疹症候群』を持って生まれる可能性があるからです。妊娠初期に感染するほど、赤ちゃんへの影響は高まります。
妊娠中は、予防接種を受けることができないので、感染防止のため、人混みに行くのは避けるようにしましょう。今後、妊娠を望んでいる人はできるだけ早めに予防接種を受けることをオススメします。さらに妊婦さんに接する機会が多い保育士さんや幼稚園の先生なども、しっかりと予防することが大切です。
こんな人は予防接種を!
予防接種を受けて抗体を作ることで、風疹にはかからなくなります。今では、1歳と小学校入学前の2回、予防接種することになっています。ところが、年代によっては2回目の予防接種を受けていない人も。そういった人はワクチン効果を高めるため、2度目の接種をしたほうが良いでしょう。もちろん、風疹の予防接種を受けていない人や風疹にかかったことのない人も予防接種を受けてください。
以下の人は、特に注意が必要です。
・昭和37年4月2日から昭和54年4月1日生まれの男性
女子のみが、中学校での集団接種の対象でした。
・昭和54年4月2日から昭和62年10月1日生まれの男女
学校での集団接種ではなく、医療機関での個別接種になったので、接種する人が減りました。
・昭和62年10月2日から平成2年4月1日生まれの男女
男女とも幼児期に接種する機会がありました。中には、受けていない人や1回の接種で抗体が十分できていない人もいます。
ちなみに、予防接種の費用は医療保険適用外のため、医療機関によってマチマチ。風疹単独のワクチンは4,000円~8,000円前後、混合ワクチンは、7,000円~1万2,000円前後となっています。