スマートフォンの支払いを節約したい人へ
スマートフォンはコミュニケーションツールとしてだけではなく、ちょっとした調べごとから便利なアプリなど、日常生活に欠かせない便利なデジタルデバイスとなりました。しかし、毎月の支払いは概ね7,000円ほどになるため、維持していくだけでも大変です。
そこで、今注目されているのが、MVNOが発行しているSIMカードです。MVNO(Mobile Virtual Network Operator)とは仮想移動体通信事業者の略称です。仮想移動体通信事業者を簡単に説明すると、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル等の大手移動体通信事業者の電波網を間借りして携帯電話サービスを展開している通信事業者のことです。
MVNOのSIMカードは、大手移動体通信事業者では実現できない低価格プランが魅力ですが、使用にあたっては、ある程度の専門的知識と、メリットや、デメリットを知っておく必要があります。そこで、MVNOが発行するSIMカードについてご説明します。
MVNOが安いわけ
大手移動体通信事業者ができなかった低価格プランを、なぜMVNOが実現できたのかギモンに思う方は多いのではないでしょうか?
MVNOは大手移動体通信事業者と同じ携帯電話サービスを提供するキャリアですが、自分たちで電波網を所有しない点が大きく異なります。
MVNOは大手移動体通信事業者の電波網を間借りして携帯電話サービスを提供しています。つまり、電波網のメンテナンスや基地局の設置などに費用をかけなくて済む強みが、利用者の月額基本料金に反映されているわけです。
また、MVNOによっては、通信速度が128kbpsから200kbpsに制限することで月額500円で利用できるプランも用意しています。
SIMカードの種類
MVNOが発行するSIMカードは間借りしている電波網、使用する携帯電話に対応しているSIMカードのサイズ、プランで分けられています。
プラン・・・データのみ、音声付
サイズ・・・標準SIMカード、マイクロSIMカード、ナノSIMカード
ドコモ系SIMカードとau系SIMカード
MVNOは間借りしている大手移動体通信事業者の電波方式により、 ドコモ系SIMカードとau系SIMカードに分かれています。ここで注意すべきは利用する携帯電話の種類で、電波方式が合わなければ利用することができないということです。
ドコモ系SIMカードを使うにはドコモの電波方式に対応した携帯電話が必要になり、au系SIMカードを使う場合にはauの電波方式に対応した携帯電話が必要になります(※注1)。
MVNOから提供されるSIMカードはドコモ、auが発行するSIMカードなので、過去にドコモやauで利用していた携帯電話や中古販売されているドコモ、auの携帯電話を利用することが可能です。
※注1:2014年12月現在、ソフトバンクの回線を使ったMVNOは発表されていません。そのため、ドコモ系、au系の2種類を取り上げています。SIMカードのサイズ
SIMカードは3種類のサイズに分けられており、標準SIMカード、マイクロSIMカード、ナノSIMカードがあります。
約10年前から使われているSIMカードで、一昔前までのフィーチャーフォン(主にスマートフォン以外の携帯電話)やスマートフォンで使われていました。
●マイクロSIMカード(15mm×12mm)
は、2010年のiPhone4で採用されて以降、スタンダートで使われているSIMカードで、現在では多くのスマートフォンで使われています。
●ナノSIMカード(12.3mm×8.8mm)
2012年のiPhone5で採用されたSIMカードで、iPhone、iPad中心で使われてきましたが、2014年冬モデルからナノSIMカードが使えるスマートフォンも登場しています。
SIMカードの大きさは、使用するスマートフォンで選択することになります。ナノSIMカードに対応したスマートフォンには、物理的な問題から、標準SIMカード、マイクロSIMカードを挿入することができません。
また、MVNOによっては揃えているSIMカードのサイズも異なるので、契約する際にはスマートフォンがどのSIMカードに対応しているのか、MVNOが該当するSIMカードを取り扱っているのかを確認する必要があります。
格安SIMカードには2種類ある
格安SIMカードは、データSIMカードと音声SIMカードの2種類があります。
データSIMカード
データSIMカードは、インターネット通信しかできないSIMカードです。音声通話ができない代わりに料金が安いメリットがあります。データSIMカードでも、電話アプリを使用すれば音声通話をすることができますが、通常の電話とは異なり、050から始まるIP電話の電話番号になります。
注意点としては通常の携帯電話とは違って通話用の回線を使用せずに、パケット通信を使用するので、回線が不安定になります。音声通話をすることを考えると、不便を感じることがあることは理解しておきたいところです。
昨今ではLINEなどのSNSを使用するために必要なSMS機能が搭載されたデータSIMカードもあり、SMS機能無しプランと比較するとやや高めです。
料金プラン:ドコモ系SIMカード
●日本通信株式会社サービス名 | b-mobile SIM 高速定額 |
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月額料金 | 1,980円 |
通信制限 | 速度制限なし |
SMS | あり |
提供SIMカード | SIMカード、マイクロSIMカード、ナノSIMカード |
URL | http://www.bmobile.ne.jp/bmsim/index.html |
サービス名 | ServersMan SIM LTE |
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月額料金 | 467円 |
通信制限 | 250kbps |
SMS | なし(ただし、月額143円で追加可能) |
提供SIMカード | SIMカード、マイクロSIMカード、ナノSIMカード |
URL | http://www.bmobile.ne.jp/bmsim/index.html |
料金プラン:au系SIMカード
●KDDIバリューイネイブラーサービス名 | UQ mobile データ高速プラン |
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月額料金 | 980円 |
通信制限 | 月間データ容量2GBまで最大150Mbps(2GBを超えた場合は最大200kbps) |
SMS | あり |
提供SIMカード | マイクロSIMカード |
URL | http://www.uqmobile.jp/ |
サービス名 | mineo シングルタイプ |
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月額料金 | 980円 |
通信制限 | 月間データ容量1GBまで最大75Mbps(1GBを超えた場合は最大200kbps) |
SMS | あり |
提供SIMカード | マイクロSIMカード、ナノSIMカード |
URL | http://mineo.jp/ |
音声SIMカード
音声SIMカードは、音声専用の回線が使えるSIMカードで、音声通話とデータ通信定額プランが組まれています。データSIMカードよりも料金が高くなりますが、スマートフォンを電話として使う人には電話番号が持てるメリットが大きいでしょう。もちろん、MVNOへのMNP(事業者感ポータビリティ)も可能ですから、大手移動体通信事業者からの乗り換えを検討する際にも安心です。
大手移動体通信事業者では通話定額プランが始まり、強制的に通話定額プランへの加入も始まっています。インターネット通信メインで、通話をあまりしない人にはおすすめです。
料金プラン:ドコモ系SIMカード
●日本通信株式会社サービス名 | b-mobile SIM 高速定額 ライトプラン音声付 |
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月額料金 | 1,980円 |
通信制限 | 月間データ容量3GBまで最大150Mbps(1GBを超えた場合は最大128kbps) |
SMS | あり |
提供SIMカード | SIMカード、マイクロSIMカード、ナノSIMカード |
URL | http://www.bmobile.ne.jp/bmsim/index.htm |
サービス名 | U-mobile 通話プラス |
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月額料金 | 1,580円 |
通信制限 | 月間データ容量1GBまで最大150Mbps(1GBを超えた場合は最大128kbps) |
SMS | あり |
提供SIMカード | SIMカード、マイクロSIMカード、ナノSIMカード |
URL | http://umobile.jp/ |
料金プラン:au系SIMカード
●KDDIバリューイネイブラーサービス名 | UQ mobile データ高速プラン+音声通話プラン |
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月額料金 | 1,680円 |
通信制限 | 月間データ容量2GBまで最大150Mbps(2GBを超えた場合は最大200kbps) |
SMS | あり |
提供SIMカード | マイクロSIMカード |
URL | http://www.uqmobile.jp/ |
サービス名 | mineo デュアルタイプ |
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月額料金 | 1,590円 |
通信制限 | 月間データ容量1GBまで最大75Mbps(1GBを超えた場合は最大200kbps) |
SMS | あり |
提供SIMカード | マイクロSIMカード、ナノSIMカード |
URL | http://mineo.jp/ |
MVNOの選び方
MVNOは、事業者ごとにプラン内容や対応するSIMカードが異なるので、利用者が自分に合ったプランを持つMVNOと契約します。メールやネットサーフィンを中心とした使い方をするのであれば、あまり速度を必要としない安いプランを契約すればいいですし、電話をあまり使わず、データ通信をメインとする使い方をするのであれば、高速データ通信ができるプランを契約すればいいわけです。
今後も、さまざまなMVNOが登場していくので、スマートフォンを節約したい方は注目すべきサービスでしょう。