手におえないイライラや不安感に苦しむ女性が増加
生理前月経症候群(PMS)という、生理前の様々な不快感や苦痛に悩む人が後を絶ちません。
そもそも、女性は常にホルモンが変動し、一方男性はホルモンの変動がなくほぼ安定しているのだそうです。
女性ホルモンにはエストロゲンとプロゲステロンという2種類の女性ホルモンがあり、妊娠や女性らしさを形成する特徴があり、このホルモンは常に増減を繰り返しています。
このホルモンの変動により生理の始まる1週間~2週間ほど前から苛立ちや不安などの精神的な症状、頭痛や腹痛といった身体的症状が現れるのだそうです。
近年は女性の社会進出によりストレスなどの影響を受けやすい環境に身を置く女性が増え、たくさんの女性が生理の辛さを訴えるようになっているようです。
生理は女性ホルモンの変動が深く関係しており、ホルモンはストレスの影響を受けやすいため、PMSは精神的疲労などに左右されやすい面を持っていると言えます。
PMSが一般的に広まるまでは、それらの症状はただの情緒不安定などととらえられることもありました。
PMSは完全な治療法についてはまだ見つかってはいませんが、多くの人に低用量ピルや漢方薬を服用する対処療法が有効だといいます。
もしかしてPMS?
PMSの症状は頭痛や腹痛など体に現れる症状と苛立ちや不安など精神に現れる症状がありますが、それらの症状はいくつかが複合的に表れることが多く症状の内容やその程度は個人差があります。
また同じ人でも、その月によって症状の深刻さが違ったり、症状の違いが見られたりなどもあることです。
特に直接痛みを訴えられる身体的な症状よりも精神的な症状は辛さが理解されにくい苦しさがあります。
身体に現れる症状 |
精神面に現れる症状 |
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つらいのはあなたひとりじゃない…
PMSは女性の8割以上が体験したことのある症状だと言います。
そしてそれは特別な症状などではなく、妊娠が可能な健康な女性なら誰にでも起こりうる症状だとも言われています。
PMSを女性ならではの生理現象ととらえるか、病気ととらえるかで議論は分かれていますが、PMSが決して特別なことではない生理現象であろうが病気であろうが、何とかなるのなら何とかしたい症状の辛さは本人にしかわかりません。
さらに生理に伴う症状やその辛さは、男性や生理の症状の程度が軽い人へあまり上手に伝わらないため、理解してもらえないことが多いようです。
あなたと暮らすパートナーや家族でさえも、あなたの心身の症状の影響を受け少なからず困惑する事でしょう。
あなたが辛い思いをしていることで身近な人や大切な人も振り回されているかもしれません。
自分でコントロールができないPMSは婦人科医、専門の医療機関を受診する事が大事なのです。
もしかしたら明日には収まっているかもしれない、もう少し耐えられるかもしれないなどの自己判断は負担やストレスを増やすことになり、さらなるPMSの悪化を招いてしまう可能性があるのです。
PMSを記録・予測する
ひどいイライラや精神的な不快感があっても生理が始まると嘘のようにそれらの症状が落ち着いてしまうのがPMSの特徴です。
『やっぱり生理だったのか』
という安心感も出てくることもあるかもしれません。
しかし、あなたはそれで済んでも身近な人はいい迷惑かも知れませんよね。
毎月起こることですから、あなたと身近な人の精神衛生を良好に保つためにPMSを予測しましょう。
そうすることであなたもいつ来るかわからないPMSの症状の心構えができるので予測ができないときよりも心身の安定を図ることができるのです。
カレンダーや手帳に記録したりメモを取っていくだけでも、大体の流れを把握することが可能です。
合わせて基礎体温を記録するとさらによいでしょう。
これらのデータはPMSに対する心の準備になる他、医師の診察を受けるときの診断材料にも役立ちます。
PMSを放置しない
症状の内容・程度にも個人差が激しいPMSですが、著しく重度となるとPMDD(月経前不機嫌性障害)と呼ばれるようになり、適切な治療が必要となります。
また、PMSはいくら女性なら誰でも起こりうる症状とはいっても、心身の悩みを一人抱えていることなどが原因となって、うつ病を引き起こしかねません。
周りの理解も大切ですが、根本的な解決のために勇気を出して婦人科へ行くことも非常に大切です。
最初は不安や緊張があるかもしれませんが、いざ病院で専門の医師に相談することですぐに安心が得られるケースも多くあります。
しかし、家族やパートナーと一緒に行くと、不安の軽減やお互いの理解につながってよいかもしれません。