食べられない・飲み込めない…高齢者の健康を考えた食事のポイント|トピックスファロー

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2013年2月21日
食べられない・飲み込めない…高齢者の健康を考えた食事のポイント

高齢者の多くは、若い頃よりも食事量が減少していくものです。食が細くなった分だけ必須栄養素の摂取量も減少し、健康な身体を維持していくのが難しくなっていくものなのです。高齢者の健康を支える食事を作るには、どのような事を意識するべきなのでしょうか?

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美味しく食事をしながら健康寿命を延ばすには?

老化現象による身体の衰えは、食事にも現れてきます。歯が弱くなって入れ歯が必要になる、噛む力が弱くなって食事に時間が掛かる、飲み込む力が弱くなるので気管に入ってしまう危険性がある、消化に時間が掛かってしまうという具合に、食べることにも老化現象が現れてくるのです。

しかし、人が生きていくためには毎日の食生活が欠かせません。健康的な体を維持するためには栄養バランスのとれた食事が大事です。

高齢者のための健康を増進する食事は、どのような工夫をすることが大事なのでしょうか?

柔らかく仕上げて食べる量を増やそう

高齢者は歯も顎も弱っているため、噛む回数が若い人よりも多くなってしまいます。噛む回数を増やすことは食べ物を柔らかく、消化しやすい効果がありますが食べる量が少なくても満腹感を感じやすくなってしまいます。

その為、ただでさえ食が細くなりがちな高齢者は噛む回数が増えたことによる満腹感で、さらに食べる量が減少してしまうというわけです。

その為、高齢者の食事は蒸したり茹でたりして、出来るだけ柔らかめになるように調理することが大事です。柔らかければその分だけ噛む回数が少なくなり、満腹感を感じにくくなるのです。

とろみをつけたりして飲み込みやすいようにする

「口に入れたものを飲み込む」という動作は、私たちが思っている以上に複雑な動きを必要としているものです。舌で口の中のものを喉に押し込み、喉は食べたものが気道に入らないように弁を塞ぎ、食道を広げて食べたものを胃に送り込むという一連の動作を、私たちは無意識で行っているのです。

しかし、老化が始まり筋力が低下してくるとこの「口の中のものを飲み込む」という動作に支障をきたすようになってしまいます。飲み込み切るまでに時間が掛かる、飲み込んだものが食道ではなく気道に入るといったトラブルを起こしやすくなってしまうのです。

このように老化で嚥下力が低下した高齢者には、つるりと飲み込めるような調理を行うことが大事です。

例えば、白米だったらお粥にして水分で飲み込みやすくする、片栗粉や葛でとろみをつける、ゼラチンで固めて飲み込みやすくする、などの方法があります。

老人こそ肉を食え!たんぱく質豊富なメニューを

歳を取ってくると、若い頃のように肉をガツガツ食べようという気概が薄くなってくるものです。その為、多くの高齢者はあまり肉を食べない食生活を送っているのです。

しかし、たんぱく質の摂取は身体にとって必要不可欠なものです。特に肉の摂取は免疫力の向上を促すといわれています。

そして身体に取り込まれたたんぱく質は筋肉を作るだけでなく、アミノ酸に分解され身体の健康を維持するために使われるのです。つまり、高齢者は積極的に肉食するべきなのです。

歯が弱った高齢者でも肉を食べられるようにフードプロセッサーなどで挽肉状にしたり、しっかり筋を切って調理しましょう。

しかし肉の食べ過ぎは脂肪の摂り過ぎに繋がってしまうので、植物性たんぱく質の豊富な大豆食品を組み合わせてたんぱく質の摂取量を増やすようにすることが大事です。

味付けを工夫して美味しく食べてもらおう

歳を取るにつれて起こる老化現象は舌にも発生します。私たちは舌にある「味蕾」という器官の働きによって味を感じているのですが、老化が進むと味蕾の数が減少し味を感じにくくなっていきます

その為、老人は味付けを濃くしなければ味が感じられなくなり、塩分過多による高血圧を起こしやすくなるのです。かといって塩分を控えて薄味にすると味が感じられず、食事がつまらないものになってしまいます。

塩分過多にならず、かつ老人でも味が分かるようにするには、にんにくや唐辛子・コショウなどの香辛料を使うこと、しっかりと取った出汁で味を調えるといった工夫が大事になります。

香辛料や出汁で味付けをすれば塩分を聞かせなくても美味しさが感じられるようになるのです。

著者:海老田雄三

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芸能、アニメ、ゲーム、音楽あたりが得意分野のはずが、気が付けばなんでも書くライターになっていました。アニメ、ゲームなどのサブカル誌によく寄稿しています。