【フッ素塗布】虫歯を防ぐ?身体に悪い?フッ素の真実とは|トピックスファロー

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2012年12月3日
【フッ素塗布】虫歯を防ぐ?身体に悪い?フッ素の真実とは

歯磨き粉などの歯のケア製品に必ずと言っていいほど含まれているフッ素。フッ素には歯の再石灰化を促進し、虫歯を予防する効果があるものの、一定量を越えると身体の毒になってしまうのが悩みの種。果たして子供の内からフッ素を使うことは本当に良いことなのでしょうか。

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虫歯予防に効くフッ素塗布はどのくらい有効なのか?

店頭に並んでいる歯磨き粉やマウスウォッシュを手に取って配合剤を確認すると、必ずと言っていいほどフッ素が含まれています。
フッ素は虫歯予防に効果を発揮する成分で、虫歯菌が生成した酸で浸食された歯を再生させるのに欠かせないものと言われていますが、その一方で歯と健康を阻害する働きを持っているといわれています。
子供の虫歯予防のためにフッ素塗布を行うことが一般的になっている現在、フッ素塗布は本当に有効と考えて良い物なのでしょうか?

フッ素は虫歯予防に効果がある

いわゆる虫歯は、虫歯菌の働きによって産出された酸によって口内のpH値が酸性に近づくことで発生します。口内のpH値が酸性に近づけば近づくほど歯の表面のエナメル質が溶かされて行きます。
これに対して唾液の分泌量が増えるとpH値はアルカリ性に近づき、酸によるエナメル質の溶出が止まり溶けたエナメル質の再生が行われます。これを「歯の再石灰化」と言います。
フッ素はこの歯の再石灰化を促進させる働きを持っていて、ごく初期の虫歯ならフッ素入り歯磨き粉での歯磨きだけで治ってしまうのです。

また、フッ素は歯の表面を構成するハイドロキシアパタイトを酸に強いハイドロキシフルオロアパタイトへ置換させる効果を持っています。これによって虫歯菌の産出する酸による浸食でエナメル質が溶かされることを防げるというわけです。
そしてフッ素はアルカリ性を持つ物質であるため、口内のpH値をアルカリ性に近づけて虫歯菌の活動を抑制するのです。

そのため、フッ素を配合したペーストやジェルを子供の歯に塗りつけることで虫歯予防を行うフッ素塗布が行われているのです。

フッ素が健康にもたらす悪影響

このように、フッ素は虫歯を防ぎ歯の健康を維持するための高い効果を持っています。
しかし、その一方で「フッ素は身体に有害だ」「フッ素は子供に使うべきではない」という主張があるのも事実です。

例えば、「精神安定剤の主成分はフッ素化合物であるのでフッ素の摂り過ぎは無気力化を促す」「フッ素の過剰摂取は歯に穴を空けてしまう」「19世紀のフッ素研究者の多くはフッ素中毒でこの世を去っている」など、その主張には事実も交じっています。

確かに、フッ素の過剰摂取はフッ素症という歯の表面の浸食を伴う症状を起こします。フッ素症を起こすと歯の表面に小さな穴が幾つも開き、茶色い染みで見た目を悪くしてしまうのです。

フッ素の有害さは過剰反応?

しかし、このようなフッ素の過剰摂取による影響は水道水に添加物としてフッ素化合物が含まれている地域や国でない限りは心配する必要がないものといえます。

フッ素配合の歯磨き粉や洗口液も数多く市販されていますが、口内を洗浄した後は飲み込まずに吐き出すのが普通です。口の中のものを飲み込みたがる子供でも、味が付いてない限り進んで歯磨き粉や洗口液を飲み込もうとはしません。

フッ素の過剰摂取は危険なことは確かなのですが、「薬と毒を分けるのは使用量である」という言葉もあるように適量を摂取すれば問題はないのです。
日本の場合、水道用に提供される水に含まれている物質には法律で基準値が定められているため、フッ素化合物の添加はほとんど行われていません。

この手の「××に含まれる○○が危険だ!」という主張は大抵の場合、危険性だけを全面に押し出して危険性が高まるまでどの程度の量を摂取すればいいのかを隠していることが多いので、安易に信用するべきではありません。
そして、「身体に良いから」で適量を越えて摂取することも安易に行うべきではないのです。

著者:渡瀬由紀子

WEBライターのかたわら、週末は雑貨屋めぐりしつつ、最新の文房具収集。好奇心を糧に幅広く執筆活動中。
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