お金がある程度、貯まったら投資へ
労働収入や人的資本で、ある程度、貯金やスキルを得ることができたなら、いよいよ投資していきましょう。
投資といっても様々なスタイルがありますが、本シリーズで筆者が勧めるのは、NISA枠を使ったインデックス投資です。
本記事ではこの投資方法の概略を紹介。次記事以降では、年齢、属性、趣向などに合わせて深掘りしていく予定です。
また筆者は、「ヨーロッパで訪れたい世界大戦の戦争遺跡シリーズ」で海外に行き歴史探索もしており、商業出版もしています(拙著ヒトラー野望の地図帳 2017年出版)。歴史、戦争、ナチズムの観点からも投資や資産形成、社会問題に語りたいと思います。
政府が推奨する非課税の投資制度、NISA
基本戦略は、インデックス投資の積立て
まずは昨今、よく聞かれるようになったNISAと投資の概要について説明します。
NISAとは、株の商品名ではなく、投資の利益に税金がかからない日本政府公認の制度です。
2014年、日本にNISAが誕生。2024年からは新NISAとなり、最大1800万円、年に360万円、月に30万円まで非課税枠が拡大しました。
詳しくは、金融庁のホームページで確認してください。
NISAを知る
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/know/index.html
一般的な株というと、企業の個別株を連想しますが、その企業の株もNISA枠で買えます。しかし、本シリーズでは、インデックス投資という積立投資をすることを推奨します。
インデックス投資(インデックスファンド、投資信託とも表現される)とは、株のパッケージ販売みたいなもので、証券会社が世界中の優良企業の株を少しずつ自動的に、その時の時価によって組み替えしてくれて、買ってくれます。
資金を月ごとなど分割して一定額を定期的に継続して積立投資をドル・コスト平均法と言います。そして、金融商品を購入し続けた場合、価格が下がった時は購入量は多くなり、株価が下がった時、購入量は少なくなります。
長期運用を前提とした積立投資は、「低コスト、広く分散」というのが基本になります。
その特性に合うのが、一般的にはこの2つの商品です。
- オルカン(世界株)
- S&P500(アメリカ株)
オルカン(世界株)は、まさにその名の通り、全世界の株を買っている商品です。ただし、アメリカ株が約6割を占めています(2024年11月時点)。
S&P500(アメリカ株)は、アメリカの優良会社の株だけを買ってくれます。
アメリカ株といっても、日本や世界中でお馴染みの企業であるGoogle、Amazon、Apple、Microsoftなどのアメリカ企業であり、オルカンもS&P500もそうした企業の株を含んでいます。
オルカンもS&P500の中身もアメリカ主体なのは、現在社会では世界経済もアメリカ主体となっているからです。
19世紀から世界経済は右肩が上がりで成長している
これらのインデックス投資は、短期売買で利確することが目的ではなく、10年、15年のスパンで長期運用が前提となっています。もちろん状況によって短期でも解約はすることはできます。
毎月自動的に一定額を積立てて放置するだけで、それ以外は基本的にすることはありません。
利子に利子がつく複利効果というものが生まれ、お金が雪だるま式に増えていきます。
もちろん、世界情勢によって、リーマンショックやコロナで一時的に暴落が起こり、含み益がマイナスになり、元本を切ることもありますが、世界全体の株は基本的に長期的に右肩上がりになっていくというのは歴史が証明しています。
株式市場ができた19世紀から200年近く経っても世界大戦などで、一時的な暴落があっても右肩上がりになっています。それは世の中を進歩、発展させるという人間の根本的な欲求により、世界は成長し続けているのです。
上述のように暴落時は株が安く仕込めるので、長期で積立ている運用者にとってはたくさんの株が買えて、ボーナスステージともいえます。個別株みたく短期で売買する類いのものではないですから、安くたくさん仕込めているので、上がった時に一気に含み益が大きくなります。どっちに転んでも楽しめる投資方法だと思います。
長期運用して、含み益が多くなっているであろう年金をもらう頃に少しずつ取り崩していくのが良いといわれています。
次記事以降では、NISA枠を使った、インデックス投資の注意点をお話ししたいと思います。