【第19回】ファッションブランドのテクニック。お気に入りアイテムを元にアレンジして作る|トピックスファロー

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2015年10月1日
【第19回】ファッションブランドのテクニック。お気に入りアイテムを元にアレンジして作る

デザイン画などがなくても、アイディアがなくても、新しい服を作ることができます。 それが、すでに売られているアイテムをアレンジする方法です。

ファッションライター
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お手軽!既製品を元にアレンジをする方法

ファッションブランドを始めるにあたって、デザインを描けることや、アイディアをたくさん出せることが必要に思われがちですが、必ずしもそうではありません。
実は、デザイン画などがなくても、アイディアがなくても、新しい服を作ることができます。

それが、すでに売られているアイテムをアレンジする方法です。

例えば、自分のお気に入りの布製のバッグがあったとすれば、それを元にアレンジを加えて自分のブランドのアイテムを作ることができます。

これなら実物さえあれば、OEMの会社などにイメージを伝えやすく、サンプルも思い通りに仕上がってくるはずです。

では、ファッション業界でのアレンジの方法や実態はどのようになっているのでしょうか。
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ファッションの業界では良く使われる方法

ファッション業界では、売られているアイテムや既存の商品を元にアレンジを加えて販売されている商品がたくさんあります。

特に、トレンドとして話題になったアイテムであれば、すぐに同じような商品がいろいろなショップやブランドから販売されていることがあると思います。
全てとは限りませんが、アレンジによって、似たアイテムが作られていることがあります。

ガウチョパンツが女性のファッションで流行れば、すぐにたくさんのブランドからガウチョパンツが販売されるなどの、ファッションの傾向も後押ししています。

また、メンズブランドに多いアレンジの方法が、ビンテージアイテムを元にデザインされたアイテムです。

もう、今では生産されていない、昔の古着を当時のディティールやシルエット、生地感を再現するように新しく生産する方法です。

これも実はアレンジの一種で、古着好きのマニアックな方にはたまらないデザインとなります。
デザイナーが古着コレクターなどの場合に多いアレンジ方法です。

このように、すでにあるアイテムを元に作られる方法は、ファッション業界では頻繁に、ごく当たり前に行われています。

コピー商品とアレンジの違いは?

では、既存のアイテムを元に作るので、コピー商品との違いはどこにあるのでしょうか。
もちろん、既存のアイテムをそのまま全てを参考にして作ると、瓜二つの商品が出来上がるので、コピー商品となってしまいます。

そのため、アレンジをする際には、生地を全く違うものへ変更することや、形や大きさを変えるなど、自分なりの工夫をベースとなるアイテムに加えることが重要です。

つい先日、大手企業のレディースブランドのデザインを度々コピーしたとして、逮捕された経営者と企画担当者のニュースがありました。

これは、ファッション業界では極めて稀なことではありますが、全く同じものを作れば、コピーとなってしまいます。

アレンジをする場合は、アレンジの元となったアイテムと、アレンジを加えたアイテムが、別の商品であることが区別できるかどうかを確認しましょう。

購入者が勘違いして買う恐れがあるアイテムはコピー商品と判断されてしまいます。

大切なことは、あくまでもベースとなるアイテムは参考にし、自分なりのアレンジをしっかりと加えることです。

そうすれば、コピー商品ではないだけでなく、ファッションブランドとしてのオリジナリティも加わることになります。

アレンジする前に!賛否両論でよく話題となる服のアレンジ

実はアレンジに関しては、ファッション業界で頻繁に議論される話題でもあります。

特に、自分自身のアイディアやデザインで商品を作るデザイナーとっては、神経質になる話題でもあります。

なぜかと言うと、大手のセレクトショップなどが頻繁にアレンジを行って、オリジナルアイテムを作っていると考えられているからです。

セレクトショップは、国内外のデザイナーズブランドなどからセレクトしたアイテムと、自社で生産したオリジナルアイテムで構成されています。

その中で、仕入れを行ったデザイナーズブランドのアイテムの売り上げが好調であれば、次のシーズンには、好調アイテムをアレンジしたと思われる、セレクトショップオリジナルのアイテムが販売されていることがあります。

そのため、ファッションデザイナーからの不満の声は、ファッション業界ではよく耳にすることがあります。

ですが、すでにこのアレンジのスタイルは主流となっており、セレクトショップだけでなく、ブランド側も、トレンドなったアイテムがあれば、アレンジを行ってデザインする事も増えています。

今では、コピーのような瓜二つの物でなければ、黙認する習慣がファッション業界では常識となっています。

アレンジを行うのであれば、事前にこのような議論が頻繁に行われていることを知った上で始めるようにしましょう。

実際のアレンジ方法は?

では、具体的にアレンジをする方法はどのようなテクニックがあるのでしょうか。
ベースとなるアイテムを元に、いかに自分のブランドらしい特徴や雰囲気を出せるかを考えてみましょう。

アレンジをするにあたっては、とにかくいろいろとアイディアを出してみることが大切です。
ちょっとした工夫をするだけで、ガラリと雰囲気が変わることもアレンジの面白い特徴です。

パターンや生地をアレンジ

もっとも基本的なアレンジ方法が、ウェアならシルエットを変えることや、バッグなどのアクセサリー類であれば大きさを変えるなどの変更です。

この場合、パターンを変えることになるので、ベースとなるアイテムからパターンを作る際に変更を行う必要があります。

ファッションブランドによって、そのブランド特有のシルエットがあるので、それを元に、ベースとなるアイテムを掛け合わせるアレンジ方法も効率的です。

細身のアイテムが多いブランドであれば、自然とアレンジ後も細身のシルエットで仕上がるはず。
これによって、ブランドらしさをキープしたアレンジアイテムが完成します。

また、生地をアレンジする方法もあります。

ファッションブランドであれば、ブランドオリジナルのプリント生地など、ブランドらしさが出る生地があることが多いです。
無い場合も、プリント生地などは手軽に低予算で作ることもできます。

そんなオリジナリティある生地を使用するだけでも、立派なアレンジとなります。

ファッションブランドにとって、オリジナルの生地があれば、いろいろな場面で役に立つので、アレンジの際にも便利に取り入れることができます。

ディティールをアレンジ

アレンジ方法で、一番楽しいアレンジが、ディティールを変える方法です。
これは、とにかく無限の可能性があり、アイディアを出せば出すほどいろいろなアレンジが生まれます。

例えば、シンプルなトートバッグのアレンジの場合。

フェミニンなスタイルが特徴のブランドであれば、レースと取り付けるだけで、オリジナルの雰囲気を作ることができます。

ハードなイメージのメンズブランドであれば、スタッズを取り付けてみましょう。ガラッとワイルドな印象に変わります。

そのほか、ブランドのロゴを刺繍として入れるなどの工夫も考えられます。

ブランドイメージだけでなく、使いやすさや改善としてのアレンジもあります。

ポケットを付けてさらに使いやすくするアレンジ方法があれば、強度を高めるレザー素材を負担がかかる部分にあえて目立つように取り付けるなどのバージョンアップさせるアレンジ方法もあります。

このように何かを加えることで、ベースと違った商品に仕上げるアレンジ方法もあります。

全く違うアイテムへと変更

こちらのアレンジ方法は、カラーや柄なども加わったアイテムがトレンドとなった際に使える、ちょっと違う視点で行うアレンジです。

例えば、カモフラージュ柄のクラッチバッグがトレンドとなっている場合、多くのブランドが、アレンジとして、違う生地でクラッチバッグを作ることが予想されます。

そこで、カモフラージュ柄をベースにして、バッグパックや、トートバッグなど、別のアイテムとしてアプローチする方法です。

レディースファッションでシルバーのシューズがトレンドであれば、他のアイテムにシルバーを採用するなど、全く違うアイテムにアレンジをする方法です。

これにより、シルバーのシューズをすでに持っている方が、それに合うバッグを探している際に、同じシルバーのバッグを商品としていれば、購入してもらえるキッカケとなる可能性もあります。

大切なことは、トレンドとなったアイテムの特徴や理由を予想して、自分のブランドでアレンジできる方法をいろいろと考えることです。

Tシャツのデザインが得意なブランドであれば、アレンジもTシャツで行うことで、お客さん反応が高くなる可能性が増えます。

自分のブランドの特徴と照らし合わせて、アイディアをたくさん出してみましょう。

コピーではなく、あくまでもアレンジ

アレンジをする際には、しっかりと自分なりのオリジナリティが出るように注意しましょう。
アレンジを行っても、似たような仕上がりであれば、コピー商品となってしまいます。
自分のブランドの特徴やブランドらしさを意識しながら、より素敵な商品に生まれ変わらせましょう。
【連載】ファッションブランドの作り方

著者:yu-ki

ファッションライター
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英国にてロンドンコレクションブランドでのデザインアシスタント経験後、東京コレクションブランドのセールススタッフ、海外ブランドのPR会社を経てファッションライターに。
ファッション業界の内部での活動から得た情報やファッション業界だけの常識など、他の業界とは違う特殊な世界をご紹介致します。