自分でプリントをするには?
Tシャツを制作するメリットは、自分自身でプリントをして製作できることです。しかも、大型な設備などは必要なく、セットになったプリント道具ですぐに始めることができます。
プリントに必要な道具から簡単なプリントの方法までチェックしてみましょう。
きっとすぐにでもプリントしたくなるはずです。
先ずは機材を揃えよう
シルクスクリーンプリントを始めるには先ず、道具を揃える必要があります。Tシャツのプリント工場が増えたことや、自分達でプリントをする方も多くなっていることから、手頃な機材も販売されています。
代表的なものが「Tシャツくん」です。
シルクスクリーンプリントを始めるにあたっての必要な道具が全て揃うセットで販売されており、これさえあればすぐにプリントを始めることができます。
プロ仕様の大型の機材もたくさんありますが、まずは入門編の通常のTシャツくんから始めることをオススメします。
これでプリントの感覚やコツを掴んでから、必要に合わせて本格的な機材を購入しましょう。
セットの中でも特にプリントをする際に重要な道具が、製版機とスクリーンです。
これは、シルクスクリーンプリントを行う際に使うスクリーンを作る機材で、蛍光灯の様な形をした特殊なライトをスクリーンに当てることで、プリントしたい部分のみインクが通る穴を開けてることができます。
Tシャツくんの本体、黒いボックスがその製版機です。
その他、プリントをする際にインクをTシャツに流し込むスキージという道具や、一通りのカラーが混ぜて作れる数色のインクセット、スクリーンを固定するフレームなど、プリント周りの道具が揃っています。
このセットさえあれば、すぐにプリントを始められるので、お手軽でとても簡単です。
簡単!実際にプリントをしてみよう
道具が揃えば、シルクスクリーンプリントは簡単にできます。まずは試しにテストプリントをしてみましょう。
シルクスクリーンプリントは、製版をする時や、プリント時に多少のコツが必要です。
テストプリントでその感覚を掴めば、Tシャツプリントも綺麗に仕上げることができます。
シルクスクリーンプリントの手順は大きく分けて3つの段階があります。
•プリントしたい絵柄を用意する
先ずはプリントをしたいロゴや絵柄などを準備しましょう。この時、気をつけるポイントは、白黒のコピーもしくはマジックなどでハッキリと線が描かれていることです。
さらに、グレーの部分があると綺麗にプリントかできないので、白か黒かハッキリとした絵柄を準備しましょう。
•スクリーンを製版する
シルクスクリーンプリントの醍醐味かここ、シルクスクリーンを製版することです。シルクスクリーンは薬品が塗られたシートに光を当てて感光することで作られます。
フレームに新しいスクリーンを固定し、プリントしたい絵柄を合わせて製版機にセット、光を当てることでスクリーンに薬品が固定されるようになります。
絵柄の黒い部分が光に当たらないので、インクを通す穴が開く仕組みになっています。
製版機が終われば、濡れたハケや水道などでスクリーンを洗います。
絵柄の黒い部分のみ薬品が取れ、スクリーンの出来上がりです。
•プリントをする
スクリーンが出来上がれば、折り返し地点です。あとはプリントをするだけ。
好みのカラーをインクを混ぜて作りましょう。
小さいプリントでもインクはたくさん使うので、たっぷり用意することがポイントです。
スクリーンにインクを流すには、スキージを使います。
インクを乗せたスクリーンにスキージで押し出せば、Tシャツにプリントが出来上がります。
この時、インクはたっぷりとスクリーンに乗せることがポイントです。
プリントしたインクはドライヤーなどで乾かすと早く仕上げることができます。
使われているインクは顔料インクなので、一度乾燥すれば洗濯をしても取れることなく耐久性があります。
このようにシルクスクリーンプリントは、少ない道具と設備で簡単にプリントをすることができます。
また、製版さえ済ませれば、インクのカラーを作るだけで手軽に作業を始められることも魅力的です。
簡単なプリントデザインであれば、自分でシルクスクリーンプリントに挑戦してみましょう。
見落としがち!重要な機材のメンテナンス
シルクスクリーンプリントに使う道具は、しっかりと手入れをしないと使えなくなってしまうので注意が必要です。重要なのは、インクが固まってしまう前に綺麗に洗うことです。
スキージは、インクを流すために重要な道具です。スクリーンに直接触れる部分には、固まったインクが残らない様に、しっかりと水で洗いましょう。
スクリーンも、インクをしっかりと取り除く必要があります。
ティッシュなどで拭き取った後は、水でしっかりと洗いましょう。
スクリーンの上でインクが固まってしまうと目詰まりを起こしてしまい、綺麗にプリントができない原因となるので、しっかりと洗い流しましょう。
強い力を加えると、スクリーンの剥がれや破れてしまうことがあるので、取り扱いには注意が必要です。
洗い流した後は、乾いた布などで、全ての道具を拭き取った後、陰干しをして乾燥させます。
スクリーンやスキージは使い回しが可能なので、使い終われば手入れをしっかりと行いましょう。
仮に、スクリーンに小さな穴など、小さいスクリーンの剥がれなどがあれば、処置としてスクリーンの外側から修正液で塞ぐ方法もあります。
ですが、あまり大きな箇所は対応ができないので、小さい箇所に限定して行える裏ワザとして頭に入れておきましょう。
費用はどれくらい?プリント代や機材の値段
自分でシルクスクリーンプリントをする手順などは分かったと思いますが、自分で全てを行う場合、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。上記でも取り上げた、Tシャツくんを基準に考えてみましょう。
まずはTシャツくんのプリントに必要なセットを購入するのにかかる費用は約3万円ほど。
これさえ購入すれば、プリントが可能です。
このセットにはスクリーンやインクなどの消耗品も付属していますが、全て使用して追加で購入する場合、スクリーンは5枚で3780円。インクは1色300グラム1296円で購入できます。
上記の値段を踏まえて、製版機やフレームなどのセット代を除いた消耗品だけで考えると、同じスクリーンで20枚以上プリントする場合、1枚あたりのプリント代は100円程度に抑えられます。
また、定期的にプリントをすれば約3万円のセットも100枚プリントすれば1枚あたり300円程の費用になるので、しっかりと元が取れそうです。
さらに、慣れてくれば、もっと高度なプリントや大きなスクリーンでプリントしたくなると思います。
そんな方のために、Tシャツくんを扱う太陽精機という会社では、ここ数年にプロ仕様の機材も販売されています。
ワイドのシルクスクリーンを製版する機材や、多色刷りに対応できるプリント台なども販売されています。
役立つことに、プリントTシャツでビジネスを始める方に向けて機材の選び方からシルクスクリーンプリントの講習会を無料で定期的に開催されています。
本格的にファッションブランドを始める方にオススメの講習会です。
参加することでよりクオリティの高いTシャツが作れます。
コストパフォーマンスが魅力的
自作のTシャツプリントは、とにかく安く仕上げることができるので魅力的です。もちろん、Tシャツ以外にもプリントすることが可能。
気軽にプリントアイテムを作ってみましょう。
【連載】ファッションブランドの作り方