合同展示会のメリット・デメリット
気軽に行える展示会としては、合同展示会が代表的です。合同展示会の魅力は、何と言っても来場者の数が多いことです。
よりたくさんの方に自身のブランドを紹介できるチャンスがある場所でもあります。
そんな合同展示会のメリットとデメリットに注目してみましょう。
メリット
バイヤー集めは会場が行ってくれる。
展示会を行う上で重要なことは、よりたくさんのバイヤーにサンプルを見てもらうことです。そのため、バイヤーへは展示会場へ来てもらうように呼びかける必要があります。
合同展示会では、たくさんの注目ブランドや新しいブランドも集まるので、比較的バイヤーが集まりやすいことが特徴です。
また、合同展示会を主催する側がしっかりとバイヤーへ案内と誘致を行っているので、ファッションブランド側は展示ブースの準備に集中することができます。
実績の無い始めたばかりのブランドであれば、多忙なバイヤーはなかなか相手にしてくれません。合同展示会であれば、いろいろなバイヤーがブースを見てくれるので受注を得るチャンスが増えることになります。
人脈を広げるキッカケにもなる。
合同展示会のメリットは、バイヤーへの売り込みだけではありません。近隣にブースを出している同じようなファッションブランドや、取材で来ている雑誌の編集者なども参加しています。
そんなバイヤー以外の方とも出会えるキッカケになるところが、合同展示会です。
バイヤーからの発注はなくても、同じようにファッションブランドを行っている方との繋がりはとても重要です。
情報交換を行ったり、困った時に助け合ったりと、ブランドを続ける上で協力し合える人脈となります。
また、雑誌の方やスタイリストが来場していることもあるので、バイヤー以外から注目されることもあります。
雑誌の関係者やスタイリストであれば、サンプルの貸し出しを依頼されることや新しいブランドとして紹介されるチャンスもあります。
バイヤーだけでなく、たくさんの方と名刺交換や会話する機会と取るようにしましょう。
短期間で反応や意見などが得られる。
合同展示会は通常、数日間の短期間で行われます。その期間中にたくさんの方にサンプルを見てもらえる機会があります。
特にバイヤーであれば、その場でサンプルに対する意見をもらうこともできます。
「価格帯がショップのターゲット層よりも高い。」と言うような価格に対する反応や、「もっと大人っぽいデザインがあればショップにも合うと思う。」と言うデザインに関することなど様々です。
バイヤー側の意見を集めれば、次回シーズンのデザインを行う際の参考になります。
また、バイヤーの反応が悪くてもスタイリストから注目されることもあります。
合同展示会に参加することで、自身のブランドを客観的に見た反応が集まるので貴重な情報として役立つはずです。
デメリット
費用が高い
合同展示会は、規模や期間、展示会自体の知名度などによって参加費が違います。また、ブースの広さや場所などによっても値段が変わってくるので、低予算でコンパクトに行うことも、複数のブースを借りて、大規模に行うことも可能です。
ただ、小さなブースであっても10万円以上することが多く、バイヤーの注目度が高いルームスだと15万円と、決して安くはありません。
そのため、始めたばかりの小さなファッションブランドであれば、1つのブースを複数のブランドで共有するなど、小規模で参加しているブースもあります。
競合が多い
大規模な合同展示会であれば、ブースの数だけでも数百ブース以上になることがあります。同じようなテイストのブランドもあれば、個性的なブランドまで、たくさんのブランドが集まることが合同展示会の特徴です。
また、有名ブランドであれば、大々的に規模の大きいブースを作るなど、アピール力があります。
その中で、自身のブランドブースがしっかりとアピールできるように工夫する必要があります。
そのためには、サンプルだけでなくブランドイメージが伝わるようなディスプレイや、視線を集めるデコレーションを行うなど、他のブースに負けないアイディアを出すようにしましょう。
第一印象でインパクトが無いブースは、そのまま通り過ぎてしまうバイヤーが多いので、目立ち方が重要です。
ブースの限られたスペースで勝負
合同展示会ではブース費を出せは、どのようなディスプレイにするかなどは基本的に自由です。限られたスペースを思う存分、自身のブランドらしい世界に仕上げることが重要です。
ブースによっては、大型のオブジェを持参するところなど、注目を集めるブースに仕上げるように心がけています。
また、合同展示会によっては、事前に参加が可能かどうかのオーディションが行われることもあります。
これは、合同展示会自体の評価や注目度をキープするために行われています。
その際には、しっかりとしたディスプレイ案やサンプルのデザイン案などをまとめておくようにしましょう。
ブースの活用法が鍵
限られれた場所で、どれだけたくさんの方の印象に残るかがブランドを売り込む鍵になります。また、バイヤーだけでなく、積極的にたくさんの方と会話をして、同じファッション業界の人脈を少しでも広げられるように動いてみることも大切です。
【連載】ファッションブランドの作り方