年間を通して、展示会などのスケジュールを把握しよう!
自分のファッションブランドを立ち上げてサンプルを作れば、次に行う重要な仕事が売り込みです。特に、セレクトショップなどで取り扱ってもらうには、積極的にこちらからサンプルを見てもらえるように営業をする必要があります。
しかし、セレクトショップなどで買い付けを担当しているバイヤーは、多忙な方が多いです。
特に海外のブランドも扱うセレクトショップであれば、海外のファッションショーなどで不在の場合があり、連絡が取れないこともあります。
始めたばかりのファッションブランドであれば、なかなかサンプルを見てもらえる時間を取ってもらうことに苦労します。
そこで、日本を含めた世界中のファッションショーや展示会の時期やスケジュールは知ることで、バイヤーに対して連絡が取りやすい時期をチェックしてみましょう。
世界中の展示会、フッションショーの大まかな日程は?
ファッション業界のマーケットは大きく分けて年2回の春夏シーズンと秋冬シーズンに分けて行われています。それぞれの大きなシーズンの合間に小さな期中シーズンとしてカプセルコレクションと言われるアイテム数を絞った展示会を行うところもありますが、年2回のシーズンが基本。
このシーズンに合わせて、バイヤーも世界中を動き回ります。
ファッションの業界の特徴である、たくさんのブランドがファッションショーを行う新作アイテムの発表の場を「ファッションウィーク」と呼びます。
世界的にバイヤーがたくさん集まるファッションウィークは、ミラノ、パリ、ニューヨーク、ロンドンの4都市で、世界四大コレクションと言われています。
そこに、東京で行われる東京ファッションウィークも加わった日程で、バイヤーが海外出張などに出かけます。
主な日程は毎年変化しますが、
<2016年春夏シーズン>
ニューヨーク:9月10日〜17日ロンドン :9月18日〜22日
ミラノ :9月23日〜28日
パリ :9月29日〜10月7日
東京: 10月12日〜18日
<2015秋冬シーズン>
ニューヨーク:2月12日〜19日ロンドン :2月20日〜24日
ミラノ :2月25日〜3月3日
パリ :3月3日〜11日
東京: 3月16日〜21日
上記がここ最近のファッションウィークスケジュールです。
ファッションウィークに合わせて、大小の展示会が各地で行われていますので、バイヤーはショーと展示会を目当てに訪れます。
この日程に買い付けを行うバイヤーは出張に出ることが考えられます。
これに加えて、メンズの世界最大の展示会となる「ピッティウオモ」も日本人バイヤーが多数参加するイベントです。
こちらは、
2016年春夏シーズンは6月16日〜19日
2015年秋冬シーズンは1月13日〜16日
の日程で行われる他、メンズに特化したファッションウィークが、
<2016年春夏シーズン>
ロンドン :6月12日〜15日ミラノ :6月20日〜23日
パリ :6月24日〜28日
<2015秋冬シーズン>
ロンドン :1月9日〜12日
ミラノ :1月17日〜1月20日
パリ :1月21日〜25日
で行われます。
上記のスケジュールを頭に入れながら、効率良くバイヤーへ連絡を取り、営業を行う必要があります。
注意すべきことは、毎シーズンのファッションウィークスケジュールは変化すること。なのでスケジュール発表と共にしっかりと把握するようにしましょう。
バイヤーのスケジュールは展示会やファッションウィークが軸
バイヤーの仕事は、ファッションブランドからの商品の買い付けです。そのため、すでに取り扱いのある既存ブランドから、話題のブランドや新しく注目しているブランドなどの展示会を回ることが基本の仕事となります。
重要なのが、売り込みたいセレクトショップのバイヤーによって出張のスケジュールが違うことです。
メンズのバイヤーであれば、ファッションウィークよりもピッティウオモやメンズのファッションウィークのみ訪れることがあります。
レディースブランドのバイヤーでも、パリのファッションウィークのみショーと展示会を回るスケジュールの方もいます。
国内のブランドしか扱わないセレクトショップなら、東京ファッションウィークの期間が一番忙しい時期だと予想がつきます。
このように、セレクトショップの取り扱いブランドの違いで、バイヤーのスケジュールも変わってくることが分かります。
ファッションウィークのスケジュールや、セレクトショップの取り扱いブランドなどから、ある程度バイヤーの動きが予想できるので、上手く営業をするタイミングを見計らって連絡を取ってみましょう。
日本の展示会が多いシーズンは?
日本で行われる展示会の時期も大切な参考材料となります。日本のバイヤー向けに行われる展示会がほとんどなので、比較的バイヤーが日本にいる時期を狙って行われています。
特にファッション業界で注目度の高い大型の展示会が、IFF合同展示会(インターナショナルファッションフェア)、ルームス合同展示会、ジャンブル東京などが挙げられます。
代表的な大型の合同展示会スケジュールを挙げると、
<2016年春夏シーズン>
IFF合同展示会:7月22日〜24日
ルームス合同展示会:9月9日〜11日
ジャンブル東京:9月9日〜11日
<2015秋冬シーズン>
IFF合同展示会:1月21 日〜23日
ルームス合同展示会:2月17日〜19日
ジャンブル東京:3月11日〜13日
少しバラつきはありますが、毎年、春夏シーズンで7月〜9月頭、秋冬シーズンで1月〜3月に行われています。
この時期は比較的海外での世界規模の展示会等が少ないので、日本国内のバイヤー向けの展示会が増える傾向にあります。
秋冬シーズンはシーズンによって海外のファッションウィークと重なる場合もありますが、できる限りバイヤーが集まる日程に行われるように工夫されています。
大型の合同展示会だけでなく、ブランドごとに個別で展示会を行っている場合もあり、この時期はバイヤーにとって日本国内の展示会回りの期間と言えます。
さらに、ほとんどの展示会が東京都内で行われることもあり、大阪を始め地方のバイヤーも東京に集まっていることも特徴です。
中には、この時期は毎週のように東京出張をしている地方企業のバイヤーもいます。
実際に売り込みができる時期はいつ?
世界のファッションウィークの期間や、東京ファッションウィーク、大型の合同展示会の日程を参考に、セレクトショップのバイヤーへ自身のブランドの営業をするなど、サンプルを見てもらうために連絡を取る時期が考えてみましょう。全体的な日程から行くと、3月〜4月と9月〜10月の時期がバイヤー向けに営業を行いやすい日程となります。
比較的、バイヤーも海外出張が減っている時期なので、アポイントメント取ってサンプルを見てもらいやすくなります。
また、地方のバイヤーの関しては、こちらから地方へサンプルを持って訪れるには負担となります。
都内でファッションブランドを始めるのであれば、大型の展示会や、それぞれのブランドが展示会を行っている期間を狙って、地方バイヤーに連絡を取ってみましょう。
東京の展示会回りのついでに、サンプルを見てもらえることも可能になります。
さらに、メンズとレディースではバイヤーのスケジュールが違うことにも注意しましょう。
メンズのバイヤーであれば、海外ではメンズの展示会のみで、ファッションウィークには行かないバイヤーもたくさんいます。
メンズのファッションブランドを始めるのであれば、ファッションウィーク期間中もメンズバイヤーのアポイントが取れやすい時期でもあります。
タイミングも重要で、シーズンの終わりの時期に営業をかけても、バイヤーは予算を他の買い付けで使ってしまい、サンプルを気に入ってもらえても、受注に至らないことなど、様々な要因も営業に左右されます。
自分なりに売り込む時期の狙いを定めて、セールスに挑戦してみましょう。
とにかく見てもらうことが大切
せっかく素敵なサンプルを作っても、見てもらう機会がなければファッションブランドとして広がりません。果敢にバイヤーへセールスをして、たくさんの方に、ブランドを知ってもらい、サンプルを見てもらうようにしましょう。
【連載】ファッションブランドの作り方