まずは第1志望大学、学部の過去問を分析してみる
過去問で合格点を取ることが最終目標
入試に出る形を意識しながら、参考書を読んでいきましょう。
世界史の勉強は、まず志望校の過去問に目を通してください。過去問には合格までの必要な情報が詰まっています。しかし、当然ながら、勉強初日で問題を解けるはずがありません。ただ、志望大学の問題の傾向やクセはなんとなくでいいので頭の隅において、勉強を開始してください。
最終目標は志望校の問題で合格点を超えることであり、模試で高得点や難しい問題を解くことではありません。
過去問をやれば以下の2つのことがわかります。
1.出題分野の傾向がわかる
志望校の過去問を見れば、どの時代、地域から多く出題されているのかがわかります。
2.問題の形式がわかる
選択肢を選ばせるマーク式なのか、そのマーク式でも穴埋め問題が多いのか、正誤問題が多いのか、マーク式より用語を書かせる記述式が中心なのか、または論述問題は出るのかなどがわかります。
入試で世界史を得点源にするためには、穴を作ってはいけない
入試で世界史を選択した場合、確実に点数を取るためには全時代、全地域をしっかり叩き込んでください。
なぜなら、多くの受験生は第1志望の大学の学部だけでなく、同じ大学の他学部、滑り止めの併願校を受けるため、あらゆる形式の問題に対応する必要が出てくる可能性があるからです。
私立文系の場合、一番重要な科目は大半の大学で配点が高い英語となります。英語が苦手なので社会で逃げ切ろうとする受験生がたくさんいますが、社会だけでは限界があるので3教科でしっかり得点を稼げることが必要です。
しかし、社会ばかりに時間を使うなと言われながら、社会を得点源にできないと合格が厳しくなるというのが、この科目の難しいところ。
英語や国語にも勉強時間を割いていかなくてはならない、でも社会はしっかり得点源にしなくてはならないし、膨大な量の暗記が必要となる。だからこそ、情報の核をひとつにしぼる必要があります。
受験で世界史を得点源にするためには、インプット用の参考書とアウトプット用の問題集は、それぞれひとつでよいので徹底的にやりこみましょう。
インプット用の参考書は読みやすいものがよい
マンガの「大学受験らくらくブック 世界史」がオススメ
インプット用の王道は世界史の教科書ですが、教科書の文章はかたいので読みにくいです。しかし、それらをかみ砕いてわかりやすい言葉で講義用の参考書があります。
・世界史B講義の実況中継シリーズ
・ナビゲーター世界史B
これらは、受験生には人気があります。ただ、悪くはないものの、どちらも全部で4冊もあるため、読むのに時間がかかるというのが難点があります。
そこで私がオススメしたいのが、新マンガゼミナール「大学受験らくらくブック 世界史」(学研出版)です。
これはその名の通り、マンガでの講義用の参考書となっています。古代~近代編、近現代編の2冊構成になっていて、1冊330ページほどですが、上述の2つのものよりも手軽に読めます。
歴史好きの小中学生や、世界史をサッと学びなおしたい社会人対象にしたマンガの流れ本ではなく、大学受験に必要な知識を覚えさせる本です。
流れをつかむ本として紹介されていることも多いのですが、流れ本としては各時代の文化史も載っており、字数も多いので全く不向きです。ただし、(絵のレベルには賛否ありますが)歴史上の人物の表情が描かれているので、頭に残りやすいというメリットがあります。
参考書や問題集は本人との相性も非常に重要だと思うので、実況中継シリーズ、ナビゲーターでも、自分が使いやすいと思ったものを使いましょう。
もしこの2つの参考書がしんどいなと思ったら、「大学受験らくらくブック 世界史」に切り替えてみてください。
足りない知識は問題集でカバー、他の参考書には手を出さない
もちろん、「大学受験らくらくブック 世界史」はマンガなので、すべてを網羅しているわけではありませんが、センター試験や中堅大学の入試であれば、十分必要な知識が詰まっています。細かい知識を問われることもある難関私大対策としては、足りない部分の知識は問題集でカバーしていきましょう。
どの教材を使うにせよ、インプット用の参考書は1種類のみでしぼってください。自分が持っている参考書に載っていないことが、あの参考書には載っている、だからそっちもやろう、なんて思わないでください。
ひとつの参考書と、ひとつの問題集を徹底的にやれば、大半の大学で合格に必要な知識は網羅できます。
大きな書店に行くと、たくさんの参考書、問題集が置いてあり、タイトルも個性的なものが多いので、どれもこれも魅力的に見えてきます。また、年度の途中でも夏や秋頃に各出版社から新しいものも出版されたりします。出版社も商売なので受験生にどんどん本を買わせたいのです。しかし、まず自分の持っている参考書を信じ、心中するつもりで覚えれば、愛着も沸き、浮気したいという気持ちもなくなります。
基本的に使用する教材を替える時は、自分の現時点での能力よりレベルが高いため、理解できず全然進まなかった場合のみです。
直感でもいいので、入試本番までにこの一冊はなんとか終わらせそうだと思ったら、絶対にそれをしっかりと覚えてください。