世界史は他の科目との融合科目
文化史は、理系科目、芸術科目の知識を学ぶことができる
理系の学生、芸術系の学生は、学者の理論や芸術家の技法、思考そのものを深く学びます。一方、世界史を学ぶということは、その理論、技法、思考が時代の流れの中でどのように確立されたかを理解することが重要になってきます。
個人的には、理系や芸術系に進む人は専門性の深さ、文系は広い知識が求められると思います。文系の人達はその知識を生かして、理系や芸術系の人達とも話すことができるきっかけとなる下地の一つが世界史です。
文化史は通史と一緒に覚えていった方が覚えやすい
受験生はその文化史を覚えることを後回しになりがちです。実際に高校の授業では触れることができなかったり、予備校の授業では夏期講習、冬期講習で文化史だけの講座が設けられたりします。
しかし、通史で勉強するときに一緒に文化史も覚えるだけ覚えていった方が良いと思います。作者と作品の丸暗記のように思われる文化史もその時代の出来事には変わりません。なので通史と一緒に覚えていった方が、エピソード記憶として印象に残りやすいからです。
国語、英語の語学系科目との関連性
- 世界史は問題を解いたり、回答する時には国語の読解力、漢字の知識も必要になる。
- 世界史を勉強していれば海外に興味を持つ可能生が高いので、英語の勉強へのモチベーションにつながる。
1.
世界史の入試問題は、説明文がありその後に説明文から各設問があるというのが基本的なパターンです。空欄補充問題や文章の単語に線が引いてあり、選択肢として答えさせる問題は、その前後を読めば回答できるパターンがほとんどです。
しかし、過去問型問題集を取り組む場合は、最終的に問題文の文章も読んで覚えていってほしいと思います。その理由は、入試問題に出された問題文の文章は、今回は問われてなくても他の語句が空欄補充問題として、今後問われる可能性が非常に高いからです。また、入試に出される文章は重要なところから抜粋しているので、教科書を漠然と読むより、入試に出されやすい形で覚えることができます。
だからこそしっかりと文章を読む読解力も必要となってきます。また、国立大学の2次試験で出題される論述問題は小論文の力にもなります。
2.
世界史で英語そのものの知識を問われることはありませんが、世界の共通言語として認識されている英語とは切り離せない関係でしょう。
世界史を選んだ理由が、大学受験の合格のための戦略だとしても、多少なりとも海外に興味があったり、海外と関わる仕事をしたいと思っているなら、大学受験の時に少しでも多くの英語や世界史の知識を身につけておいて損はありません。
地理、政経、倫理、日本史の知識も要求される世界史
地歴公民科目の中で世界史との関連性が一番高いのは地理だと思います。世界史は地図が各時代、各地域の地図がバンバンでてきます。地理も単純に地図を覚えるだけでなく、その土地の歴史なども体系的に理解していないと点数が取れない科目です。
もし国立志望でセンター試験、2次試験と社会科目を2つ選択する必要がある場合は、世界史と地理のペアが相性良いかと思います。
政経は、戦後史を中心とした現代史が出てくるので世界史、日本史と共に関連する部分が多いです。倫理は受験に使う人がほとんどいないマニアックな科目ですが、哲学者など世界史にも出てくる人物や理論がけっこう登場します。
同じ歴史科目である日本史は世界史と比較され続けていますが、接点という意味では関連性は低いです。内容が被っているのは、せいぜい日朝関係、明治時代以降の日露関係、第二次世界大戦辺りくらいではないでしょうか。
他の地歴公民科目の土台知識である世界史
受験科目以外の高校の授業は、できれば手を抜きたいと思っているのが大半の受験生の本音でしょう。もちろん、筆者も受験科目以外は進級や卒業できる程度にやれば良いと考えています。
しかし、文系志望なら、小中学生の頃から社会の授業が好きだった人達も多いと思います。
なので、大学生、社会人になって地歴公民科目を学び直したいと思う時もくるかもしれません。その時に土台知識となってくれるのが受験科目に使った世界史です。
受験勉強を通じて世界史をしっかり学べば、手を抜いてきた高校の科目の一部の知識もついてきます。中途半端に受験科目でない科目を定期テストのために勉強するより、大学に合格するために勉強するほうが必死で覚えます。ですから自信を持って世界史を勉強してください。