まずは夏休みを目処に進めよう
理想的な進め方は、高校3年生になる前から世界史の勉強を開始して、夏休み前(7月下旬)に全範囲を一通り終わらせていることです。しかし、実際には現役生も浪人生も、夏休み前までに全範囲を終えている人は少ないと思います。
そのため、高校3年生の夏休み前後を目安に半分終わらせ、遅くとも試験日前日までには全範囲が終わるスケジュールであれば良いでしょう。
前日までで良いのか不安に思う人もいるかもしれませんが、受験勉強の目的は模試で高い点数を取ることではなく、入試当日に合格点を取ることです。
覚える力は個人差ありますし、他教科との勉強の兼ね合いもあるので、入試当日までに合格点を取る力があればいいと割り切りましょう。
夏休みを区切りとした理由
1. 4月から勉強を開始したとして、夏休み前までを目途に半分を終わらせる
全範囲を終わらすことを目標としてしまうと、目標までが遠すぎて、途中でダレてしまう可能性が高いです。
そこで、まずは半分を目標にしてみましょう。
インプット用に「【インプット用】世界史で合格点を取る! 暗記用の参考書はマンガ本」編で紹介した、「大学受験らくらくブック 世界史」(以下はらくらくブック)を使った場合を考えてみます。
らくらくブックは2冊構成のため、「半分を終わらせる」というのは、2冊のうち1冊を終わらせたということになります。そのため、1冊を終えると折り返し地点を過ぎたという達成感も得られます。
2. 半分を終えたら、今度は2つの時代を同時並行ですすめる
一通り終わらせた時代の反復復習と、まだ手をつけていない半分の時代を覚えていきましょう。
一つの時代をやるだけでも大変なのに、同時並行で進めるのは辛いと思うかもしれませんが、半分を終わらせたなら、覚えるノウハウも最初の頃より身についているはずです。
近現代から覚えていった方が良い理由
一般的に世界史も日本史も難易度の高い大学ほど、近現代から出題が多い傾向にあります。 最初の段階から近現代を勉強すれば、必然的に反復する回数も多くなります。ストックされる知識も増え、記憶の定着も強固になるので、得点源となる可能性が高まります。だからこそ、先に近現代から覚えた方が効率的なのです。
ただし、時代の順序通り古代からやるか近現代からやるかは、どちらが取り組みやすいかで決めてください。
世界史は高校で初めて習う科目なので、ほとんど新しく覚えることばかりです。だからこそ最初は少しでも自分が取り組みやすい時代や地域から覚えていき,世界史に慣れた方が良いです。
例えば、カタカナには抵抗があるけど、小学校の時、三国志のマンガを読んだことがあるので、中国になんとなく興味があるという場合。
「らくらくブック 古代~近代編」の「テーマ6 中国文明の発生」から覚えていけば良いでしょう。最初のオリエントの時代からやることはありません。
時代、地域をあまりバラバラにやるのもよくないですが、中国史の清の時代まで一気にやった後は、中国史と地域が近い、インド史、東南アジア史へと進みましょう。
世界史に多少馴染んだところで、最初のオリエントやヨーロッパ史に飛んでもいいと思います。
古代からやるにせよ、近代からやるにせよ、まず半分を終わらせましょう。
夏休み前までに半分終わらせた場合
夏休み前までに半分を終わらせたら順調な方です。
夏休みから後半部分を覚えていくと同時に、終えた時代の反復復習もすすめましょう。
ただし、私立文系を目指す場合で、英語、国語に不安がある場合(特に英語)、夏休みの間、世界史はスピード緩めてでも、そちらを重点的にやった方が良いです。社会科目の場合は後半から直前期で巻き返すことができますが、英語や国語がどちらも弱点のまま後半戦を迎えると苦しくなります。
夏休み中に半分終わらせた場合
なんとか頑張って夏休み中に半分を終わらせましょう。
英語が志望校のレベルに近いくらいに達していたら、世界史を中心に勉強しても良いですが、「英語も国語も両方ダメ、世界史も夏休みが終わるまで半分もできそうにない!」という場合は、夏休みが終わるまでに、なんとか志望校のレベルまで達しそうな科目をひとつでも作りましょう。
秋以降は志望校の変更なども考慮しつつ、受験教科のバランス、受験校の問題との相性を考えて戦術を立てていくことにします。
世界史などの社会科目は、やればしっかり得点に反映されます。
また、遅くとも入試前日までに全範囲を終えれば良いのです。
ひとつ注意を挙げるとしたら、世界史に関しては、夏まで使った問題集を替えることはやめてください。
現時点がどんな状況であれ、今までやった問題集1冊を入試までに覚えることに集中した方が絶対に効率が良いからです。
年間を通じての大まかな世界史の勉強スケジュールは今までの記事でお伝えしたので、もっと短いスパンでの勉強方法、過去問の使い方などを次回以降の記事で紹介していきます。