一番配点が高いのは英語。英語を制するものが私大を制する
長文を制する者がMARCHを制する
大学、学部によって差はあるものの、MARCHの英語は長文問題が中心です。そのため、長文を読める力がMARCH合格のキーとなります。
長文読解力を高めるためには、問題集の英文を初めから読んでいき、その中で文法、単語を覚えていく方法が一番効率的です。教材としてオススメしたいのが、「基礎英文問題精講」(旺文社)です。
ただし条件があります。この問題集を使いこなすためには、中学レベルが完璧なこと、高校の初級程度の文法・単語力が必要です。
文法や単語力を高める方法は、「No.18:【英語攻略】独学で中学から大学受験レベルまで上げる方法 1」をご参考ください。
基礎英文問題精講義を終えたら、次は「Next Stage英文法・語法問題―入試英語頻出ポイント218の征服」(桐原書店)(以下ネクステ)で文法を覚えていきます。
英語は「習うより慣れろ」なので、ネクステに直接答えを書き込みながら、丸暗記するつもりでどんどん頭に詰め込んでいきましょう。
MARCHに必要な単語力も、この2冊の中で充分網羅されています。
要は、高校1年生の間に中学、高校初級程度のレベルまでを完璧にしたとして、残りの高校2年間でこの2冊だけを徹底的に繰り返したら、MARCHに必要な英語力はつくはずです。
それ以外の教材は不要です。高校生活のうち少しでも早く「基礎英文問題精講」に入れることが鍵です。
この2冊の詳しい使い方は、「No.19:【英語攻略】独学で中学から大学受験レベルまで上げる方法 2」をご参考ください。
高校の授業がわからなくても、英単語を1つでも多く覚えるつもりで取り組む
「偏差値50以下の高校生がMARCHを突破する方法-その1」でもお伝えしましたが、高校に入学したら、1年生の時から英語だけは高校の授業をしっかり聞いた方が良いです。
中学時代から英語が苦手で授業についていけなくても、テスト前に教科書に掲載されている単語を丸暗記するだけで良いので、貪欲に少しでも知識をつけていきましょう。
また、テスト後に忘れても大丈夫です。たとえ忘れたと思ってしまっても、人間は一度でも覚えたことは頭の隅に残っています。そのため再び覚える時、全く覚えたことがない人に比べたら、記憶の定着がしやすくなっているはずです。これは英単語、古文の単語、社会のような暗記科目にも通じます。少しでも多く覚えようとする気持ち。この貪欲さがMARCH合格への道です。
勉強時間の配分が難しい国語
国語の基本的に現代文と古文(漢文)で構成されています。配分は現代文が半分~7割、古文が半分~3割になります。
昔から国語は私立文系受験生の勉強配分を悩ます科目です。なぜなら、現代文は日本語を読むだけなので、子供の頃から本を読んでいた人たちは勉強しなくてもある程度点数がとれますし、苦手な人はどんなに時間をかけたとしても点数が伸びるとも限らないからです。
また、現代文と古文という別科目に分かれるために、それぞれ入試全体では点数の配分が大きくありません。現代文と古文は別科目、私立文系は4科目受験と割り切るのも良いかもしれません。
ここでは現代文と古文に絞って勉強法を紹介します。
苦手な人には独学が難しい現代文
まず本屋に行って、10~15問程度のMARCHレベルの問題が収録されている現代文の問題集を1冊、買ってみてください。問題集を選ぶ基準は、フィーリングで良いです。レイアウトでも参考にして自分が使いやすそうなものを選んでください。ただし、少しでも問題の解説が充実しているものが良いでしょう。
そして、買ってきた問題集を実際に3題ほど解いてください。
正答率は気にしなくていいですが、間違った問題やフィーリングで解いてたまたま正解した問題の解説を読んで理解できるなら、その問題集を使って勉強していってください。
解説を読んで理解できなかったら、その問題集を使うのは止めてください。独学で現代文を勉強するのは無理です。予備校か塾に行きましょう。
筆者も高校時代は現代文が大の苦手でした。問題集の解説を読んでも理解できず、何も対策を立てられないまま現役の受験に臨み散々な結果に終わりました。そこで浪人して予備校の現代文の授業を受けることにしました。
予備校の現代文の授業は、予習で問題を解かせた後、授業で文章の内容、回答の導き方を解説する授業でした。講師からは、夏休みまでは制限時間を気にせず、文章を徹底的に読み込んでくるように指示されました。そうすることで現代文アレルギーが薄れてきて、文章が面白いとおもうようになってきたのです。
現代文で大切なのは、文章に論じられていることを理解することです(論理と言います)。
そのため、文章を読み込まないと論理は導き出せません。独学でも通学でも現代文は文章をしっかり読み込んで、回答、解説を見る、授業を聞く前に論理を少しでも導き出せるように意識しないと現代文の成績は上がらないでしょう。
現代文は独学で無理なら予備校か塾に行き、「予習で文章を徹底的に読み込む → 授業で解説を聞く → 復習」というスタイルが良いと思います。
そして通学するにしても、受講した授業の予習、復習だけを入試まで繰り返してください。他の問題集などに一切手を出す必要はありません。現代文に限らず、苦手科目を受講する場合、余計な講座、参考書、問題集に手を出してはいけません。その講師の授業と運命を共にする覚悟を持ちましょう。苦手なものに手を広げすぎても徒労で終わるだけです。
コスパよく勉強したい古文
古文の配点は国語の中で、多くても半分から1/3程度なので、なるべく時間をかけたくないのが受験生の本音です。筆者も現役~浪人と手を焼いた科目でした。
ズバリ言います。
「古文単語ゴロゴ手帖(スタディカンパニー)」(以下ゴルゴ)
古文は英語(外国語)と同じで、日本語だけど外国語を覚える感覚です。しかし、英語と同じくらいの勉強時間を確保することはできません。そこでゴルゴに掲載されている単語と最低限の文法を丸暗記して、乗り切ってしまいましょう。ゴルゴはユーモアのあるイラストとダジャレで古文単語を覚えさせるので、苦手な人でもとっつきやすいと思います。
MARCHレベルなら単語の意味を問うだけの問題も出題されますし、単語を頭に詰め込んでおけば、なんとなく内容もわかったりするものです。それだけでも最悪古文の全滅は防げますので、古文の配点が低いからと完全に捨てるのだけは止めましょう。
英語、現代文、社会の勉強の合間に、ゴルゴだけをひたすら繰り返しましょう。
MARCHの社会でつぶしが効くのは世界史か日本史
社会(地歴公民)に関しては、MARCHのどの大学でも受験できる「歴史科目」に焦点をあてて説明します。
ちなみに本記事は「受験に勝つ!世界史の勉強法」ということで、世界史を学ぶ人、興味を持つ人を増やしたいというコンセプトの元、連載しています。そのため、世界史の勉強について言及しますが、日本史でも基本的に勉強の仕方は変わらないので、参考になるはずです。
世界史に関しては、「受験に勝つ!世界史の勉強法」の一連の記事を参考にしていただければ大丈夫ですが、簡単に説明します。
基本的には、1つの単元をインプット用の参考書でざっと見たら、アウトプット用の問題集にどんどん答えを書き込んで覚えていくスタイルです。下記の2冊になります。
- インプット用は、大学受験らくらくブック世界史(学研)
- アウトプット用は、はじめる世界史 要点&演習(Z会)
アウトプット用の「はじめる世界史」は、時代ごとに入試問題、要点、地図などが網羅していて、痒い所に手が届く問題集です。
深く狭い日本史より、広く浅い世界史は、全時代、全地域を早くやってしまえば、点数が伸びやすいです。MARCHといえども基本的な問題をしっかり取れていれば、合格点には到達できます。
「大学受験らくらくブック世界史」はあくまでも流れ用、はじめる世界史 要点&演習が覚えるメインになります。全範囲を終えたら、大学受験らくらくブック世界史は卒業して、「はじめる世界史 要点&演習」1冊を入試まで徹底的に覚えましょう。
< No.26:偏差値50以下の高校生がMARCHを突破する方法-その1
< No.26:偏差値50以下の高校生がMARCHを突破する方法-その2
< No.26:偏差値50以下の高校生がMARCHを突破する方法-その3
No.26:偏差値50以下の高校生がMARCHを突破する方法-その4
著書「ヒトラー 野望の地図帳」のご紹介
現在「【受験に勝つ】世界史の勉強法シリーズ」とは別に、「ヨーロッパで訪れたい世界大戦の戦争遺跡シリーズ」も連載しています。
ヨーロッパを中心とした戦跡を巡る旅行記で、実際にその場に行ったからこそ感じる当時の名残と現在の日常風景を、独自の視点で描いています。本シリーズは、おかげさまで書籍化され、各書店の歴史の棚の世界史やドイツ史のコーナーに置かれています。
読者の方々からは、時代背景が簡潔でわかりやすい、学者とは違うテイストが新鮮、という感想をいただいております。歴史好きはもちろん、ちょっとマニアックなヨーロッパ旅行をしたい方々の旅のお供になる本なので、web連載とあわせて、ご興味をもっていただけたら嬉しく思います。
著者名:サカイ ヒロマル
出版社:電波社
価格 :1,400円(税抜)