社会科目の勉強は、基本独学
学校や塾などの授業には、あまり期待をしない
現役の高校生は学校の授業、浪人生は予備校、塾の授業で社会の科目を勉強していると思います。しかし、社会科目の場合、独学で勉強を進めていくのが一番効率的です。
なぜかというと…
〇高校の授業のペースに合わせて勉強した場合
受験直前になっても全時代が終わらず、戦後史や文化史をやらずに卒業させられてしまう可能性が高い
〇予備校や塾のペースに合わせて勉強した場合
予備校、塾も同様で学校の授業よりは試験に出る形で教えてくれるが、全範囲が終わるのは年内最後だったり、文化史や戦後史は夏期や冬期講習でまとめてやるパターンが多い。
つまり、高校生でも予備校生でも授業のスピードに合わせていたら、とてもじゃないですが受験に間に合いません。
また、ほとんどの学校の先生や予備校の講師は、「歴史はまず流れをつかめ!」と教えます。しかし、歴史の流れをつかめたら、その時点で歴史学者になれますよね?
これから勉強をはじめようとする学生が流れを掴むことは、かなり難しいはずです。
さらに「流れをつかめ!」と言う人は、たいてい具体的な流れのつかみ方を教えてくれません。
歴史のマンガ本を勧めてくるケースがありますが、そのマンガ本だって、初めて歴史を学ぼうとする人からしたら、どこにポイントを絞って読めばいいのか考えてしまいます。
この人物名や事件名はこのマンガを読んでいる今の時点で抑えるのか?
それとも流して読み進めていいのか?
迷ってしまい、マンガ本でさえ苦戦してしまう可能性が大きいです。
だからこそ、独学で勉強を進めていく必要があるのです。
歴史は流れや理解より、まず暗記
独学で勉強を進めるにあたり、まず何をすればよいのか。
それは【暗記】です。
社会科目の場合は、どれだけ暗記ができるかが鍵です。最後の段階でその暗記した点が、線になって歴史の流れが多少見えてくるイメージで進めればよいと思います。
世界史の場合も産業革命以降の近現代から始めていくのもよいですし、好きな地域の歴史から始めてもよいでしょう。あまり生真面目に歴史の流れにこだわらないでください。
ちなみに筆者は日本史選択でしたが、入試に出る比重が高い幕末の近現代から勉強を開始しました。
ではどう暗記すれば良いかを、次の項目で解説します。
効率の良い【暗記法】とは?
流れをつかむことと同じくらい、暗記することは難しいのでは…と不安に思う人もいるかもしれません。
そういう方は、まず以下の3ステップ方法を試してみてください。
勉強を開始した日から入試問題を使う
まず講義用のやさしめの参考書と入試問題で構成された問題集を用意してください。
参考書が知識をインプットするためのもので、問題集が知識をアウトプットするためのものです。
そして、以下の流れを実践してください。
1. 参考書で一時代だけザーッと目を通す。
2. 直後、問題集で、その目を通した時代の問題演習をする。
3. もう一度、講義用の参考書に戻りその時代を読み返す。
必要なのは、この3ステップです。
もちろん2の時点では解けないはずです。しかし解けなくていいのです。
問題に答えを記入してどんどん「入試に問われる形」で用語を覚えていきましょう。穴埋め問題なら穴に用語を書き込む、正誤問題なら間違っている部分線を引いて正しい答えを書く。
3にすすむと最初に読んだ時より、なんとなく入試に問われる形で脳にインプットされやすくなっているはずです。当然、最初は全部覚えられませんが、問題集の問題と答えだけでも丸暗記する意識を持ちましょう。
例題、中国史の問題
たとえば中国史で、
戦国の七雄のうち、河北省の北部、東北地方南部を領有したのはどれか。
下記の5つから選べ。
という問題があった場合、選択肢で選ぶのは「燕」です。
最初から戦国の七雄の七か国と、その領有していた場所を覚えるのは困難です。
問題にでてきた「燕」だけとりあえず覚えればいいのです。
教科書や参考書をどれだけ一生懸命に覚えたつもりになっていても、「入試に問われる形」で覚えなくては点数になりません。受験生の目的は、大学合格のために合格点を取ることなのです。受験生時代に歴史を理解する、興味を持つことが目的ではありません。
(※受験で覚えた知識を大人になってどう生かすかは、別記事で紹介予定です)
ハズレがない問題集の選び方
本当に必要な問題集を見極めよう
どの問題集を選べば良いのか、何冊買えばよいのか、そういった不安の声をよく聞きます。
ずばり、一種類のインプット用の参考書と一冊のアウトプット用の問題集のみで充分です。
参考書も問題集ひとつにしぼり、入試本番まで戦いましょう。情報の核となる部分をひとつにしぼりそれを繰り返し徹底的に叩き込むのです。
参考書はやさしめのもの、問題集は問題数が多く、ビジュアルで頭に残りやすい解説の地図、年表、表など充実しているものがよいです。
メインに覚えるのはアウトプット用の問題集、インプット用の参考書はその問題集を覚えるのを助けるサブ的位置づけになるからです。
参考書や問題集の情報はインターネットで検索すればたくさんでてきますが、それらを参考に実際に大きな書店に行って、自分の目でみてましょう。フィーリングでいいので、自分が使いやすそうなものを選んでください。
(※今後の記事で、筆者のおすすめ教材を紹介予定です)
問題集選びでのNG行動
書店の参考書コーナーには、一問一答、書き込み系のノート、テーマ史の問題集など、教材が豊富にありますが、多くのものに手を出さないでください。何冊も手を出すと中途半端になってしまいますし、受験生は他の科目もやらなくてはならないので、そこまで時間に余裕がないからです。
まとめ
参考書や問題集をひとつにしぼっても、一字一句を完璧に覚えることは人間には絶対にできません。ですから、そのひとつにしぼった参考書と問題集と心中するつもりで、覚えるだけ覚えてやる気持ちをもちましょう。
どんな参考書、問題集でもひとつを徹底的にやり込めば、大半の大学で合格点に近い点数を取れるはずです。
あとは志望大学の過去問をやっていき、傾向やクセを掴んでいってくださいね。