No.28:【コラム】受験勉強ではなく、受験対策の勉強をする|トピックスファロー

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2020年3月13日
No.28:【コラム】受験勉強ではなく、受験対策の勉強をする

受験勉強は、科目そのものを必死に勉強することも必要ですが、受験というゲームを勝ち抜くためには要領やずる賢さも必要な時があります。捨て科目や手を抜く単元を作ったりすることも大事な戦略です。

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捨て科目を作るのも戦術

真面目な受験生は、高校入試でも、大学入試でもまんべんなく各科目を勉強しようとします。また、学校の先生もそのように生徒に指導します。

しかし、受験は合格点を取らなくてはいけません。各科目均等に合格点を取れれば理想的ですが、人それぞれ、得意・不得意な科目がありますので、まんべんなく勉強するより少しでも点数につながる科目や得意な科目に力を入れたほうが効率的なことがあります。

その事を裏付けるようなことが最近ありました。

筆者には、長年新潟県で家庭教師を務めている知り合いがいます。彼は長年の経験と豊富な知識で、数々の生徒を合格へと導いてきました。

その彼の手伝いで高校受験間近の中学生を教えたのですが、その時彼は筆者にこんな指示をしました。

「彼らに英語は一切教えなくていい。新潟県の高校入試の英語の問題のレベルは高い。
だから英語が苦手な彼らが中途半端に勉強しても時間の無駄となってしまう可能性がある。
生徒にも『入試本番の時、英語は全て当て感でいい。その代わり、暗記しておけば点数が取りやすい社会を勉強しなさい』と言ってある。」

人によっては、「苦手科目をすこしでも克服するほうが良いのではないか」と思うかもしれません。

しかし筆者はそれを聞いて、自分の母校の高校出身で科学者になった方の話を思い出しました。

大学受験で英語を捨てた科学者

筆者の母校「神奈川県立逗葉高校」のOBには、世界で初めてクローンマウスを作ることに成功した科学者、若山照彦さんがいます。

若山さんは一浪して地方の国立大学に入学しました。筆者の母校から国立大学に入るというのは、快挙なことです。

そんな若山さんから高校の卒業生に向けたメッセージが紹介されました。

要約すると、

『自分は数学と理科は得意だったが、英語が弱点だったため、英語を勉強しないでも済む方法を勉強した。その結果、試験科目に英語がない大学を受験し、入学できることになった。

これは、受験勉強ではなく受験対策を勉強したことにより、英語が0点なのに国立大学に入ることもできたということだ。

同じように、科学者としても勉強では一流大学出身の科学者には勝てないと思った。だからこそ、勉強ではなく、それ以外の方法で勝負していくことにした。そして、それは「技術」だった。技術は頭ではなく訓練で身につくものであり、だからこそ自分でも一流大学の科学者にも勝てた。

皆さんも社会に出たら、自分ならではの方法で戦ってほしい。』

詳しくは、「逗葉高校校長だより」で確認できます。
https://zuyo-h.pen-kanagawa.ed.jp/koucho/asunaro14.pdf

得意科目で不得意科目をカバー

若山さんは当時大学受験する時「受験勉強ではなく受験対策の勉強をした」と言っていました。そして仮に受験科目に自分が不得意とする科目があっても、得意科目や得意単元でカバーできることを、身を持って証明されています。

私立文系の3科目を例にとると、

国語が苦手なら英語と社会(地歴公民)の点数を伸ばしことだけに注力し、現代文は入試本番のフィーリングに任せるだけの戦術も取る。逆に、国語の中でも現代文が得意なら、古文を捨てて現代文に力を入れるといった選択肢もあります。

そのほか、世界史や日本史は最初に出てくる先史時代はあまり入試に出ないので、入試で問われることが多い、近現代から勉強するのも一つの手です。

ただし、私立文系の場合は、一番配点の高いことが多い英語ができないと致命的です。そのため、英語は高校に入学した時からコツコツと勉強すべきです。
それでも英語が苦手なら、暗記でなんとかなる単語、文法問題だけを繰り返しやり最低限の点数は確保して、社会と国語は絶対的な得意科目にしておきましょう。

英語の勉強については「No.18:【英語攻略】独学で中学から大学受験レベルまで上げる方法 1 」と「No.19:【英語攻略】独学で中学から大学受験レベルまで上げる方法 2」をご参考ください。

入試問題を解けてこそ、自信につながり興味が持てる

前述しましたが、学校の先生は受験も学校の勉強もまんべんなくやらせようとします。もちろんそうではない先生もいるかもしれませんが、一般的に学校の先生はテストの点数を取るための勉強を嫌がり、キレイな勉強をすることを押し付ける傾向が多いといえます。

しかし、進学を希望するなら、中学生なら高校受験、高校生なら大学受験を通過しなければならない現実があります。受験の筆記試験の是非を語るつもりはありませんが、それを突破しなくては次の人生のステージにいくことができません。

子供の頃から歴史が好きで中学まで社会の点数も良かったから、高校になっても大丈夫だろうというほど、世界史や日本史は甘くありません。大学受験で必要となる「歴史」科目は、覚える量が膨大です。
そのため歴史好きだったはずが、高校に入ってから大学受験向きの勉強をした途端にまったく覚えられず、結果、歴史科目自体が嫌いになる可能性だってあります。

科目の好き・嫌いと得意・不得意は別物です。受験勉強をする上で大切なことは、自分の好みではなく適正を見て勉強すべき科目を決め、入試を突破するためには必要な勉強と割り切って取り組んでいくことも大切だと思います。

学校の先生は担当科目のそのものの面白さを伝えようとするかもしれませんが、筆者は入試問題を解けることもその科目への自信になり、そのものへの興味につながっていくと考えています。それが生涯を通じて興味を持って勉強する分野になるかもしれません。

世界的な科学者の若山さんだって、受験生の時は、受験対策の勉強をしたのです。まずは目の前の点数を取るという、小さな成功例を積み重ねていき、自分に自信をつけていってください。

No.9:【コラム】世界史の高校の授業と定期テストを受験に活用する方法」もご参考ください。

著書「ヒトラー 野望の地図帳」のご紹介

現在「【受験に勝つ】世界史の勉強法シリーズ」とは別に、「ヨーロッパで訪れたい世界大戦の戦争遺跡シリーズ」も連載しています。
ヨーロッパを中心とした戦跡を巡る旅行記で、実際にその場に行ったからこそ感じる当時の名残と現在の日常風景を、独自の視点で描いています。本シリーズは、おかげさまで書籍化され、各書店の歴史の棚の世界史やドイツ史のコーナーに置かれています。

読者の方々からは、時代背景が簡潔でわかりやすい、学者とは違うテイストが新鮮、という感想をいただいております。歴史好きはもちろん、ちょっとマニアックなヨーロッパ旅行をしたい方々の旅のお供になる本なので、web連載とあわせて、ご興味をもっていただけたら嬉しく思います。

ヒトラー 野望の地図帳

ヒトラー 野望の地図帳
著者名:サカイ ヒロマル
出版社:電波社     
価格 :1,400円(税抜) 

【連載】受験に勝つ!世界史の勉強法

著者:ヒロマル

戦争遺跡ライター
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1979年神奈川県生まれ、神奈川県逗葉高校、代々木ゼミナールで1浪、立教大学経済学部卒業。

大学在学中からヨーロッパ、アジアなどを海外放浪してハマってしまい、そのまま新卒で就職せずフリーターをしながら続ける。その後、会社員生活をしながらも休み、転職の合間を利用して海外放浪を続ける。50ヶ国以上訪問。会社の休暇を利用して年に数回、渡欧して取材。

2012年からライター業を会社員との二足のわらじで開始。
2014年からwebメディア(株)フォークラスのTOPICS FAROで2つのシリーズを連載中。

▼「ヨーロッパで訪れたい世界大戦の戦争遺跡」シリーズ
https://topicsfaro.com/series/warruins
ヨーロッパ各地を取材し、第二次世界大戦に関する場所を紹介。
軍事用語などは極力省き、中学レベルの社会の知識があれば楽しめる記事にしています。
同シリーズが2017年に書籍化。
「ヒトラー 野望の地図帳」(電波社)から全国書店の世界史コーナーで発売中。

▼「受験に勝つ!世界史の勉強法」シリーズ
https://topicsfaro.com/series/wh
2018年から主に世界史を中心とした文系の勉強方法について執筆。
大学受験だけでなく、大学生や社会人の大人の教養としての世界史の勉強方法にも触れて、
高校生、大学生、社会人とあらゆる世代を対象としています。

世間の文系離れを阻止して、文系の学問の復権に貢献することが、2つの連載の目的です。

▼ご依頼、ご質問はこちらのメールまたはツイッターから
hiromaru_sakai@yahoo.co.jp
https://mobile.twitter.com/HIRO_warruins