【筆者の体験】予備校の講師からのアドバイス
参考書、問題集をたくさんすすめる授業は納得がいかない
日本史選択だった筆者は、現役時代は独学で、浪人してから大手予備校に通って勉強しました。予備校では当時、人気のあった日本史の講師の授業を受講しましたが、肝心の勉強方法については疑問に思っていました。
この講師は授業初日に先生が指定する5~6冊の教材(教科書、用語集、一問一答、先生の著作である流れがわかる本、問題集など)を生徒に買わせて、勉強させる方法をとっていたのです。そして、肝心の授業はその補足の印象を受けました。
確かに大手予備校の人気講師だけあって、話はとても面白かったのですが、お金を払って予備校に通っているのに、どこか腑に落ちませんでした。
一番効果的だったのは「一番薄い一問一答の本」
そして5月の終わりくらいに、他の日本史の講師に相談に行きました。
その講師にすすめられたのが、問題集は「日本史のそのまま出るパターン一問一答」(「金谷の出るパタ」という愛称で現在も改訂されて三省堂から発売中)を1冊だけやり、あとは授業についてきてとのことでした。
当時(90年代後半)もいくつかの出版社から一問一答型の問題集は発売されていましたが、「金谷の出るパタ」がその中で一番薄いものでした。教科書で重要な用語を掲載しているだけの他の一問一答と違い、過去の入試問題に出題された頻度が高いものから、入試に出たままの形で掲載しています。まさに「効率的に、入試で点数を取る」ことを目的とした、一問一答の問題集といえるでしょう。
予備校の日本史の講師いわく、
「生徒から授業料をいただいている以上、必要以上に問題集や参考書をすすめられない。そして、受験生は日本史だけを勉強しているわけじゃない。限られた時間を有効につかうためにも、この一問一答と授業のプリントだけを徹底的にやれば、日本史は大丈夫だ。これ以上のことをやれる時間がある受験生はいないよ。」
そして、筆者はその講師に乗り換えて、インプット用の通史は予備校の授業のプリント、アウトアップ用は金谷の出るパタのみ、あとは受験する大学の過去問をやっただけで日本史を戦いました。
情報の核をひとつにしぼることで、日本史の勉強のアウトラインがみえてきたのです。入試当日までにその情報の核を限りなく完璧に覚えればよいだけになったのです。だからこそ、世界史でも情報の核をしぼり効率的に勉強して、他の科目の勉強の時間もしっかり確保してください。
一問一答型と過去問型問題集のメリット、デメリット
問題集には、筆者が受験時代に使った一問一答型と大問ごとの入試問題で構成された問題集があります。そのメリットとデメリットを紹介するので、参考にしてください。
受験で戦うには両方に手を出すのではなく、自分の問題集の好み、相性で選んでどちらか片方のみを徹底的にやることが大切です。
「インプット用の参考書、アウトアップ用の問題集はそれぞれ1種類のみで戦う」
これが大学受験の歴史科目の基本戦略です。
いつでも手軽にできる一問一答型
・メリット
一問一答型問題集の魅力は、単純な1ページの左側に問題文、右側に答えがあるQ&A方式なので、電車の中、寝そべっている時など、ちょっとした空き時間にできること。
・デメリット
問題の構成が単純なので、飽きてしまったり、ただの丸暗記に陥りやすくなり、歴史科目の勉強が嫌になってしまう可能性があること。
入試本番で点を取る実践力が身に着く過去問型問題集
・メリット
空所補充問題のみならず、正誤問題、論述問題など、入試で問われるあらゆる問題形式に触れることができること。
・デメリット
一問一答型と反対で、机に向かっている時間以外のちょっとした空き時間には若干不向きなこと。
「入試当日までこれだけをやれ!受験生が頼るべき世界史の問題集」編でオススメの問題集を紹介します。