必要最低限の英語の知識があれば充分
日本国内の博物館でもそうですが、博物館の展示の説明文を全て読んでいると、大変時間がかかります。また、博物館は専門用語など、少し難解な表現、単語もたくさんあります。これが海外の博物館になると、表記が外国語になるので館内を周るのが大変な作業になります。
本記事では、最低限の英語の知識で海外の戦争遺跡を楽しむ方法のヒントをお伝えします。ある程度の英会話ができないと困ると思ってしまい、海外旅行へ行くことに消極的になってしまう人たちも多いです。ヨーロッパで訪れたい世界大戦の戦争遺跡シリーズとは、別のカテゴリーで「英語が苦手でも海外旅行を楽しむ方法」を執筆しています。私の海外旅行での外国語に関するエッセンスでもありますので、併せて読んでいただければと思います。
ヨーロッパの戦争博物館に英語が表記されているとは限らない
戦争遺跡シリーズの各記事でも博物館などの展示言語を記載していますが、ヨーロッパ各国の博物館に英語の説明文があるとも限りません。
例えば、旧ソ連の国や戦後ソ連の影響下だった地域の戦争博物館は、ロシア語しか表示されていない場合が大半です。それはアメリカ、イギリスなどの西側連合軍の力を借りずに、単独で東部戦線を戦い抜いたソ連のプライドかもしれません。
そもそも、ヨーロッパの大陸にある国の場合、英語が母国語の国は一つもありません。 博物館の使用言語も、政治的事情や博物館へ訪れる訪問者の母国などによって、状況に合わせているのです。
博物館の展示を完璧に見ようとはしない
小さい博物館なら別ですが、一つの博物館の展示をじっくり見学していると、それだけで1日が過ぎてしまいます。当然、海外旅行には時間に制限があります。他の観光地を周る兼ね合いも考えて、効率的に周ることが必要です。ですから、博物館は一部分だけを重点に見学するという方法を勧めます。
博物館オリジナルのコーナーこそじっくり見学する
その一部分というのは、その博物館のメインテーマのコーナーです。 ヨーロッパ各国、第2次世界大戦を扱った博物館の展示パターンはだいたい似ています。
展示パターン
第1次世界大戦終結→戦間期(ヴェルサイユ条約下のヨーロッパ各国の国事情、ドイツでのナチス、ヒトラーの台頭)→第2次世界大戦勃発(1939年から年度別で戦争の推移)→第2次世界大戦終結(ヒトラー自殺の報の新聞、原爆投下の写真)
その展示パターンの途中に、博物館がメインで扱っている戦いや事件の展示のコーナーがあります。そここそ博物館が一番力を入れているところですので、時間をかけてゆっくり見学しましょう。それ以外のコーナーは駆け足で巡り、雰囲気だけ掴んでおけば良いと思います。最初から展示を丁寧に見ていると、いくら時間があっても足りません。
語学力よりも知識をつける
「共通の展示パターンを軽く流し、オリジナルのコーナーをじっくり見学すること。」
その理解を深めてくれるのは、博物館で学ぶ意識ではなく、事前に歴史を学んでいくという発想です。
仮に英語力があっても、読むのが億劫になるずらずらと並んでいる英文を解読するのは時間がかかります。さらに全く分からないドイツ語やロシア語・・・。
大丈夫です、語学力が乏しくても知識があればあるほど理解し易くなります。
博物館では西暦と人名の固有名詞のスペルで知識を紐付けさせる
展示で「In 1939」とあれば、1939年は、第2次世界大戦が勃発した年のことを説明していることになります。開戦前後でヨーロッパがどういう情勢になっていたかという、基本的なことを知っているだけで、展示物を見れば知識が紐付いてくることが多くなると思います。
ヒトラーやチャーチルなどの超有名人は説明するまでもありませんが、博物館のメインテーマの中で出てくるであろう、人物の名前の固有名詞のスペルは事前に抑えておくと良いです。それはその人物の写真や遺品などが多数展示されていることが多いからです。
最低限、西暦と人物の名前の固有名詞を抑えておくだけで、毎回同じような通史の展示パターンをじっくり読む必要はありませんし、その博物館の重要ポイントが分かりやすくなります。
語学力があるに越したことはありませんが、語学は手段にしかすぎません。
大切なのは、異文化を学ぶ姿勢ではないでしょうか?
現地の歴史に対する興味、知識がなければ、いくら語学力があっても得るものは少ないです。
事前の予習→現地で学ぶ→帰国後の復習
この繰り返しで海外旅行を長く楽しんでください。
私が執筆した別カテゴリーの記事、「世界史を知って海外旅行を10倍楽しもう!お手軽な勉強法」も参考にして頂けば幸いです。