現在でも鉄鉱石の積出港、ナルヴィク
ナルヴィクは20世紀初頭に鉄鉱石の輸出港として発展、第二次世界大戦では両陣営がその鉄鉱石と港を確保するために激戦地となりました。そして21世紀の現代でもナルヴィクは鉄鉱石を輸出する港町として栄えています。
21世紀になりIT化が進み、人工知能であるAIの導入も進んでいる現在でも、人間が生きるための天然資源の必要性は変わりませんし、そこに携わる現場の労働者の需要もなくなりません。
100年前と変わらないであろう、キールナからナルヴィクに続く大自然のフィヨルドの風景、現在でも貨車を使って運ばれる鉄鉱石、そこに携わる現場の港や労働者など、20世紀初頭と変わらない泥臭さを感じるのがオーフォート鉄道であり、ナルヴィクの街です。どうやって行く?ナルヴィク
ストックホルムからの夜行列車がオススメ
ナルヴィクへは、オスロから飛行機(所要約1時間半)か、スウェーデンの首都ストックホルムから列車で行くことになります(筆者は、往きはストックホルムから夜行列車で、帰りは飛行機でオスロに向かいました。)。
ナルヴィクへ向かう際は、ストックホルムからの夜行列車をぜひ利用してみてください。
ストックホルム中央駅を18時過ぎに出発、ナルヴィク駅への到着は13時前という長距離列車ですが、ヨーロッパ最北を走り車窓からフィヨルドの絶景を堪能することができます。
この路線を走るのは、スウェーデン国鉄が運行するノールランストーグ鉄道(オーフォート鉄道とも呼ばれる)で、1902年にキールナの鉄鉱石をナルヴィクまで運ぶために開通しました。
また、第二次世界大戦で中立国だったスウェーデンは、ドイツの圧力をかわすカモフラージュで、ドイツ軍の負傷兵を運んだり、時には中立を犯してドイツ軍の正規兵の鉄道輸送を黙認していたのです。
現在は、終点のナルヴィク駅に着く手前のスウェーデン北部のアビスコ国立公園で、トレッキングやキャンプなどアウトドアを楽しむ観光客が多く利用します。
人気路線なので切符は早めに買っておくことをオススメします。日本にいてもスウェーデン国鉄のアプリからクレジット決済で購入することができます。
ちなみに、同じノルウェー国内のオスロからは、ナルヴィクの南西に位置するボードーまでしか列車が通っていません。つまり、ナルヴィクから鉄道で国外に出ずに他都市に移動することはできないのです。スウェーデンの国境駅からナルヴィクまでは約40kmになります。
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オスロから空路で行くこともできる
飛行機だとオスロからナルヴィクまで、スカンジナヴィア航空や北欧のLCCノルウェー・エアシャトル(Norwegian)が運行されています(所要1時間30分ほど)。
ナルヴィクの北東80kmに位置してエヴェネスという街にあるハシュタ・ナルヴィク空港(Harstad-Narvik Airport)が最寄の空港になります。
空港からナルヴィク中心部へはフライトの路線バスが運行されています(所要約1時間30分、210クローネ(約2,700円ほど)、クレジットカード使用可能)。
ナルヴィクから空港へ向かう場合は、中心部のショッピングモールにバスターミナルがあります。出発時間は観光案内所する戦争博物館(後述)で聞けば教えてくれます。
【第60回】北欧戦跡の旅4:ヒトラーが初めて敗れた、ナルヴィクの戦い は、3ページ構成です。
「その1」から順に読んでいただくと、より楽しんでいただけると思います。
<【第60回】北欧戦跡の旅4:ヒトラーが初めて敗れた、ナルヴィクの戦い-その1
【第60回】北欧戦跡の旅4:ヒトラーが初めて敗れた、ナルヴィクの戦い-その2
>【第60回】北欧戦跡の旅4:ヒトラーが初めて敗れた、ナルヴィクの戦い-その3